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20240722ふかいメルマガ161回 3文字で破裂音と濁音

おはようございます。


「人と人間」で気になったこと

159回メルマガ「人と人間」を書いていて、
気になったことがありました。

「人」と「人間」はどう違うか、YRK&会長の問いに対して、
YRK&管理職多くの答えが、
「人は 感情がある 心を持っている 個人のことを指す 
人間は 生物学的な印象 猿からの延長線上 集団を指す」
というもので、
私も「人と呼ぶ方が、優しさや思いやりを感じ
人間と呼ぶと、そういう感情を抜きにした客観的で冷静な印象」
を持っていました。
中許会長の考えは違いました。
「人は感情のある個人のこと
人間は人と人に間があることで、関係性、つまり助け合ったり、力を合わせたり、逆に悩んだりするもの」というものでした。

159回ふかいメルマガ「人と人間」より

確かに生物学的には「ヒト」で、
「人間」という言葉を調べると、
ひと・人類という意味に続いて、
人柄・人物・人間界・世間と出てきます。

なのに多くの人が、人に「感情」を感じて、
人間に「生物学的」な本来の意味と
逆の印象を持ってしまうのです。

私が気になったことは、
人と人間の言葉の「音による印象」が
大きく影響しているのではないか
ということです。

それは、「にんげん」の濁音の影響です。

意味不要?3文字に破裂音

20年以上前の昔に、都内のスーパーマーケットの仕事をしました。
そのスーパーの社長から、今までの店舗を改装して、
高級スーパーとしてリニューアルオープンさせるので、
ネーミングとロゴを考えてほしい
という仕事を請けました。

マーケティングプランナーの私としては、
商圏の特性や競合店との差別化を考え、
その上で新しい高級スーパーのコンセプトを考え、
そのコンセプトに基づいて方向性を導き、
ネーミング案をいくつか出しました。

実はそのスーパーの社長は、
流通小売業界専門のコンサルタント
で、
そのスーパーマーケットチェーンの再生チームのリーダーでした。
私もその再生チームの一人として、
YRK&の前身ヤラカス舘から参加していました。

スーパーマーケットの社長以下役員・部長が集まった会議で、
私が新店名のプレゼンテーションをはじめると、
「あんたたちはすぐコンセプトだとか、
横文字を使いたがるが、
そんなことどうでもいいこっちゃ」と、
社長がいきなりさえぎりました。
社長が続けて言ったことは、
今でも強く記憶に刻まれています。
「いいか深井君、
人間なんて長い言葉は覚えられない。
せいぜい3文字。
それで女性に来てもらいたければ、
ぱぴぷぺぽ、破裂音を入れた3文字を考える。
男性客だったら濁音を入れた3文字。
うちは女性客だから破裂音を入れた3文字を
❝あ❞から順番に書き出しなさい。
コンセプトも意味の考えなくていい」

というものでした。

私が考えた企画書は、最初の1ページで終了。
費やした時間はすべて無駄。
それ以上にプライドはズタズタでした。
むしろ頭に来ていました。
結局その会議に出席していた経営幹部のみなさんと、
❝あ❞から破裂音の入った3文字を書き出していきました。
例えば、アパン、アピン、アプン・・・というように

意味なんて関係なく、音感だけです。

確かに小売業は3文字で成り立っている?

その時は、
プレゼンテーションをはじめたとたんの全否定で、
頭が真っ白のまま、
ホワイトボードに意味のない3文字を書き出していたのですが、
冷静になってから染み渡るように納得しました

たしかにスーパーマーケットの店名は、ほとんど3文字です。
イオン・ライフ・ヤオコー・イズミ・ベルク・オークワ・など
4文字でも音は3音というのは、
西友・平和堂・ベイシア・ハローデイ・サンリブなど。
また長い店名でも、常連客が略称で呼ぶのは、
だいたい3文字
になっています。
関西スーパーだと、関スパとか関スー、
イトーヨーカドーだとヨーカドーとかアイワイというようにです。

ドラッグストアやホームセンターも同じです。
マツキヨ(マツモトキヨシ)、サンドラ(サンドラッグ)、ツルハ、カインズ、ハンズ、ロフト、ドンキ・・・。
たしかに3文字(3音)。
意味もあるようでだいたい無い(笑)。

濁音と破裂音

男性が好む濁音と女性が好む破裂音。
例えば男の子が好むヒーローものやロボットアニメの名前ですが、
鉄人28号・ゴレンジャー・キカイダー・マジンガーZ・ゲッターロボ・ガンダム・エヴァンゲリオン・・・

比較的女性に人気のキャラクターだと
スヌーピー・プリキュア・ポケモン・アンパンマン・くまのプーさん・・・
ちょっとこっちは苦しいかな(笑)

横浜のガンダム 2020.12

というわけで、ヒトとニンゲンですが、
人間の言葉にゲという濁音が入っていて、
人には破裂音ではないですがハ行が入っているので、
「人間」に力強い生物的な印象を持ってしまい、
「人」にやさしい感情的な印象を持ってしまうのではないか、

と思ったというのが、冒頭の気になったことです。

やっぱり意味はあったほうがイイ

とは言え、名は体を表すと言う言葉通り、
名前の意味は大事です。
社名にしても店名にしても、ブランド名にしても、商品名にしても、
その意味を知ることで、共感したり誇りに思ったり、
ますます好きになったりするからです。

一方で音感によって印象が大きく左右されるということも
認識しておかないといけないということです。

ちなみに、冒頭の高級スーパーの話に戻ります。
破裂音を入れた3文字を次々と書き出した結果、
「パ」で始まる3文字店名に決まりました。
この3文字、スペイン語で「公園」という意味で、
音感だけでなく、公園のように人が集まり楽しい店にしたい
という意味と意思も入りました。
めでたしめでたし・・・。

深井賢一


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