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小嶋政一郎について(2)

前回、入手した『延岡のことば』から小嶋政一郎の略歴を紹介した。

その後、新しく小嶋政一郎選文集刊行委員会『小嶋政一郎選文集』(光輪舎、昭和55年)を入手した。この本は、親戚、知人で作成した著作集のような形式であるが、非売品ではなく定価4500円と書かれていることから、一般販売されていたようである。

この本は延岡市内の図書館には、分館含めほとんどの図書館に収められており、市民に小嶋政一郎の業績を知らせるには重要な一冊となっている。

宮崎県立図書館には所蔵は無く、国会図書館には所蔵されている。

以下、目次を紹介する。

小嶋政一郎選文集 目次
遙かなる幾山川 / 1

のべおか民俗誌 /
1.年のはじめ / 77
2.のる車・のせる車(一) / 82
のる車・のせる車(二) / 86
3.明治の郷土読本「近傍地誌」(1) / 95

一路随筆 /
童心老語 / 159
春宵綺語 / 165
帰郷本能 / 170
秋風浙瀝 / 173
教親教子 / 175
和魂洋曲 / 180
聖教凡釈 / 183
開目閉目 / 191
内藤政樹 / 194
温新知古 / 197
国語教育 / 201
雨情光栄 / 203
星恋物語 / 208
新聞配達 / 211
春風駘蕩 / 215
思惟教育 / 219
八甲田山 / 222
秋霜烈日(絶筆) / 226

冬風の雨情碑にもたれて / 232
ブラジルから帰って / 236
楽しかった四年間 /
高鳴る未完成交響楽 /
都市生活へのあこがれ /
日系活動の二つの型 /
危険思想 / 250
「光輪」終刊の言葉 / 254

延岡郷土読本 / 256
第一 郊外めぐり / 256
第二 五ケ瀬川 / 261
第三 延岡八景 / 262
第四 農村開拓の苦心 / 263
第五 教学史上の三星 / 266
第六 剣道と農業 / 267
第七 勤王家胤康 / 269
第八 狸 / 269
第九 麦秋 / 270
第一〇 西南の役と延岡 / 271
第一一 学校の話 / 272
第一二 郷土いろはかるた / 274
第一三 手水鉢の小判 / 275
第一四 故郷の父へ / 276
第一五 飛行日誌 / 277
第一六 思出の春 / 278
第一七 延岡駅 / 278
第一八 新市街 / 279
第一九 工場地帯 / 280
第二〇 水見舞の手紙 / 281
第二一 年中行事 / 283
第二二 内藤子爵を仰ぐ / 286
第二三 郷土産業の現在と将来 / 287
第二四 ふるさとの歌 / 289
第二五 城山より観る / 289

小嶋政一郎略歴 / 293
凡人会時代の業績 / 295
小嶋政一郎先生のこと 縫暎之 / 300
あとがき / 303

「序」は、当時の延岡市教育委員長で、台雲寺住職の長田康哉が寄せている。

『方財春秋』の編集者縫暎之が「小嶋政一郎先生のこと」と一文を寄せていいる。そこには、小嶋が、教育では小原國芳(玉川大学創立者)、宗教では権藤正行(延岡市光勝寺住職)に開眼、童謡・民謡について野口雨情に傾倒し親交があったという。昭和4年、雨情が延岡を訪問した際に「延岡小唄」を残した(藤井清水の作曲でレコード化)。小嶋と雨情の交流について詳しく記している。

『延岡春秋』の編集者、芦谷新一が小嶋政一郎選文集刊行委員会の会長として「あとがき」を記している。そこに東京での様子が記されている。

この間教壇を一時去り東京イデア書院、大阪で芸術教育協会や楽浪園で野口雨情、藤井清水、権藤円立等と文化交流を展開したが、大正14年延岡帰り岡富小学校でふたたび教鞭をとられた。

この頃に凡人会を結成し、月刊『凡人』を発刊しているらしいが、延岡市立図書館には所蔵がない。凡人会が刊行したものとしては宮崎県立図書館に 権藤正行『延岡郷土史有馬三代考』が所蔵されている。

https://www.lib.pref.miyazaki.lg.jp/winj/opac/switch-detail.do?idx=1

以下、略歴を引用する。

<略歴>

明治26年8月1日、延岡町博労町に生まれる。
明治33年4月、延岡小学校尋常科入学
明治45年9月、熊本第五高等小学校入学
大正7年4月?、宮崎県師範学校第二部入学
大正5年1月?、延岡小学校代用教員
大正8年4月、延岡小学校訓導
大正10年4月?、郡立延岡商業学校教諭
 ※東臼杵郡立延岡商業学校は大正10年4月に旧制実業学校として創立されているので、小嶋は初年に着任している。現・宮崎県立延岡商業高校。
大正10年4月?、県立延岡商業学校教諭
大正12年9月、東京、イデア書院
 ※この際に出版している著書が国会図書館デジタルコレクションで読むことができる。

小島政一郎『教へざる教育 (イデア叢書 ; 第2編)』イデア書院, 大正13

小島政一郎『児童図書館叢書 第54篇』(イデア書院, 大正14)

大正13年5月、芸術教育協会主事(大阪)
大正14年10月~、延岡岡富小学校訓導他
昭和27年4月、延岡市教育委員会
昭和32年4月~36年帰国、東本願寺日本語学校(南米ブラジル)
帰国後、上南方小学校鹿越分校長他

<受賞>

昭和25年、延岡市文化功労賞
昭和48年2月、延岡市政功労賞
昭和48年11月、県文化賞
昭和48年、玉川大学総長賞

今後、追記します

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