VRChat日記:女の子になったらちやほやされるようになった話

このツイートがプチ炎上して、もう何日も経ったのにいまだに「女だからってちやほやされるわけじゃない!」とか「ちやほやされるなんて迷惑!」といった批判が度々来る。このツイートはそれくらい女の感情を逆なでするようなものだったらしい。「VRChatで女の子になったら世界観が変わった」という驚きをツイートしたものだったのだが、どうやら女に対する攻撃とみなされてしまったのだ。

しかし、そうだとしても、やはり「女は女というだけでちやほや(優しく)される」という主張は曲げることはできない。黒いカラスを「あれは白いカラスなんだ!」と言われても、「どう見たって黒いだろ」と言わずにはいられない社会性のなさが僕にはあるのだ。

VRChatでは基本的に男はあまり相手にされない。リアルで純度100%のおじさんがkawaiiアバターを身にまとったとしても、ボイチェンも使うことなく、kawaiiムーブもすることなく、一人称も「俺」のままで、おじさん特有の自分語りをしていたら、相手にされないどころか遠ざけられるのがオチだ。そういう人を僕は何人も見てきた。一方で、おじさんのままでもモテる人はモテる。しかもkawaiiアバターを使うことなく、男性アバターを使って男らしさを全面に出す。そういう人は話がとても面白かったり、秀でた特技を持っていたりする。学校のサッカー部の男子の周りには人が集まっていただろう。あれと同じ現象が発生するのだ。

モテる人と仲良くなれば自分もモテるようになる。そのためにはサッカー部的なノリについていくことが要求されるし、場合によってはおもちゃになる必要があるだろうが、そういったコミュニティに属することがあれば、おじさんのままでも孤独にはなることはない。そういう事ができない非モテおじさんがVRChatでおじさんをやっていた場合は、VRにおいてもリアルと同様に孤独になってしまう。非モテおじさんがどこに行っても煙たがられる現象を見てしまうととても悲しい気持ちになってしまう。

一方で、女の子になった非モテおじさんはそんな孤独に苛まれることはあまりない。僕自信もkawaiiおじさんをやっているのでわかったのだが、どこに行ってもかわいがってもらうことができる。リアルでは「あの人の笑顔が気持ち悪い」と鳥肌を立てて女子にキモがられた僕だが、VRではそんなことは一度も経験したことがない。それどころか「かわいい」「尊い」「好き」、そんな言葉を投げかけられる。とても気持ちが良い。噂を聞きつけて僕に会いたいと言ってわざわざ会いに来てくれる人もいるくらいだ。

VRChatでモテるおじさんに求められるのはとても嬉しい。話が面白い人、秀でた能力を持っている人、そういう人からVRエッチのお誘いを受けると仮想マンコが濡れてしまう。そんなすごい人に自分は認められているんだという承認欲求と、自分が彼を喜ばせているという充足感に満たされるのだ。「気持ちよかった」「いっぱい出た」と言われるととても嬉しい。いくらでもしゃぶって騎乗位してあげたくなる。

正直なところ、VRChatの僕はそこまで特別kawaii存在なわけではない。僕よりも遥かにkawaiiアバターを使っていて、kawaiiボイスを出して、kawaiiムーブをしている人は大勢いる。当然ながらそういう人たちはいつも誰かからの関心を向けられて、温かい声をかけられている。残念ながら僕はその境地には至っていない。特に声がどうしてもボイチェンだとわかってしまうような声しか出せてないためだ。にもかかわらず、少なくない人々に愛され、関心を向けられ、暖かく迎えてくれる人達がいる。女の子になるというだけで、ここまで見える世界が違うとは、以前は思っても見なかった。もし僕が男のままVRChatをやっていたとしたら、ここまで長続きはしなかっただろう。すぐに飽きてやめてしまって、孤独な人生を歩んでいたに違いない。今はみんなから愛されてとても幸せだ。

さて、そんな事を言うと、上記のような「女だからってちやほやされるわけじゃない!」とか「ちやほやされるなんて迷惑!」とか「女を知った気になるな」とか言われてしまうのだが、まず彼らに言いたいのは、「そんなに女であることが嫌なら、男から見える世界が理解できないのなら、せめてまずVRで男になってみたらどうですか?」ということだ。男が下駄を履かせてもらって楽をして生きているように見えるのなら、VRで男になって下駄を履く体験をしてみたらどうでしょうか。もちろん女だとバラしちゃダメですよ。ちゃんとボイチェンで男声出して、ベニスマンアバターを使いましょう。男らしさを十二分に発揮して男性ライフを体験してみてください。そうやってお互いの性別の理解を深めましょう。

「美少女だからちやほやされている」と指摘する人もいる。半分は正解だが、半分は不正解だ。先にも述べたように、僕はVRChatの世界でも(周囲と比べたら)そこまで美少女をしていない。声は女の子らしくないし、会話内容もそこまで女の子ではない。なにより、美少女が乱立しているから(体感では、VRChatのユーザー数はリアル男性が8割~9割を占めているが、kawaiiアバターを使っているユーザーが8割~9割くらいだ)、リアルの女社会より外見による競争は激しいだろう。にもかかわらず、繰り返すが、少なくない人々に愛されている。常に人だかりができるようなモテ方ではないが、優しい言葉をかけてくれる人が大勢いる。必ずしも誰もが認める美少女ではなくても、女の子として扱われている。雑な扱いをされず、気持ちを汲んでもらい、話を聞いてもらえて、褒めてもらい、味方になってくれる。

女だから僕はVRChatでちやほやされている。リアルでは非モテで、誰かからちやほやされることのなかった飢餓状態だったから、ちやほやされている人が羨ましいし、ちやほやされることに文句を言っている人を見ると腹立たしい。女として扱われている事自体がすでにちやほやされている状態であるということに気がついていない女が多すぎる。女であれば身体を求められるだろう。恋愛対象として見られるだろう。しかし、そういう煩わしさを含めて、僕にとってはそれだけで十分にちやほやされている状態なのだ。

しかしながら、kawaii偏差値が60を超えたあたりからは確かにつらいものが現れてくるとは思う。どこに行っても人だかりができてしまい、仲良くしたい人ほどそういう場から離れていってしまい、関わり合いたくない人ほど目の前にうろちょろされて、それだけではなく「ヤらせろ」と要求してくる。それはストレスが溜まるだろう。だがこれは僕から言わせてもらえば、「金持ちはカネ目当ての女しかよってこない。金持ちは大変」みたいな言説と同じなのだ。カネ目当ての女しかよってこないなら、金持ちであることを隠せばいいだけの話で、モテたくなければモテムーブをやめればいいだけの話なのだ。わざわざ大勢にチヤホヤされやすい環境を整えて「ちやほやされるのは迷惑!」なんて言い出すのはただのワガママだ。

ツイッターのVRChatアカウントで「つらい…」とツイートすれば、何人からか「大丈夫?話聞こうか?」とリプライが飛んでくる。誰かに甘えればなでなでよしよししてもらえる。女の子として生きるということはこんなにも素晴らしいことなのだ。愛されるということはこんなに気持ちのいいものなのだ。それを知ってから女の子になりたいという願望が強くなった。

「VRならレイプされないからイージーだよな」とも言われるが、レイプとまではいかないまでも、目の前でちんちんを出して突然自慰を始める人もいる。まぁ不愉快かもしれないが、それくらいは大目に見てもいいと思っている。

なにも偏差値70の美少女になりたいわけではない。偏差値40くらいのちょうどいいブスで十分なのだ。それで愛嬌をふりまけば大いにモテる。優しくしてもらえる。多少のブスでもツイッターにリスカ画像を上げれば、なでなでよしよしリプが大量につくのだ。おっさんがそれをやっても全く見向きもされないどころか通報されるのがオチだ。

さすがの美少女わとりんでも、リスカ画像をツイッターに載せたらリムーブやブロックされるのはわかっている。それはリアルは男だとバレているからだ。リアルパコラビリティが無ければ、リアルの弱さは男の弱さと同じなのだ。VRChatでちやほやされるのは、VRChatの中だけ美少女だからなのだ。ああ、VRChatに転生したい。純粋なバーチャルな美少女になりたい。


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