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挑戦は「継続」こそが難しい。これまでの5年間を振り返って思う、僕が事業を続けられている理由 #挑戦している君へ

こんにちは。

「『好き』で自信を創り、『好き』で社会とつながる」』をビジョンに、発達障がい児や不登校のお子さん向けにメンターマッチングサービスと教室運営をしている「Branch」の中里です。


この度は、『チームブリヂストン × note「#挑戦している君へ」コンテスト』の開催にあたり、「挑戦」をテーマとした記事を書かせていただく機会をいただきました。

いきなり質問ですが、あなたは「挑戦」という言葉から、どのようなことを思い浮かべるでしょうか。

多くの人は、「勇気をもって立ち向かう」「起業する」「転機が訪れる」のような、自分自身が何か行動を起こす、あるいは身の回りの環境が一変する、その”瞬間”を思い浮かべるのではないでしょうか。

確かに変化の瞬間は印象的ですが、僕にとっての「挑戦」のイメージは少し異なります。
決断をし、一歩踏み出したその先には、長い長い道のりが続いています。

地道な日常を積み重ね、
うまくいかない時間を耐え忍び、
ときには初心に立ち返り向かう先を見つめ直す。

そんな日々の中で挑戦「し続ける」ことこそが、最も難しく、そして大切なことだと思っています。
プライベートな日記のようになりますが、「挑戦」という言葉に対して思うことを書き連ねようと思います。


子どもたちの変化や保護者の声がいつも「初心」を思い出させてくれた

周りの起業家を見ていたり、スタート前の事業相談を受けていたりすると、事業を立ち上げたときの気持ちを継続させることは、かなり難しいことなのだと感じます。
事業が軌道に乗り始めればモチベーションも高まりますが(それでも消えてしまう場合もありますが)、「これが実現できたら面白そう」くらいの気持ちで始めた事業の多くは消えてなくなります。

僕の場合、なぜ5年間もモチベーションを保って挑戦を続けられているのかというと「現場に出続けて感謝の気持ちをもらう機会が多かったから」だと思います。

Branchの仕事では、発達障がいのあるお子さんや不登校のお子さん、その保護者の方と毎日必ずお会いします。
日を重ねていく中で子どもの表情が変化したり、保護者の方から感謝のメッセージをいただいたりするたびに「この方々に役立つために事業を立ち上げたのだ」と実感することができました。


直接的なフィードバックが多かったことが、続けてこられた理由だと感じています。

これが直接顔を合わせないもの、例えば前職で携わったメディア事業では、WebサイトのUUなどが伸びていった、課題だと感じたUIを改善したら狙っていた数字に変化が起こった、というようなものがフィードバックになります。

こうした数字で見えるフィードバックにも意味があるとは思いますが、やはり直接会うなかでユーザーさん一人ひとりの変化を体感するという経験にはかないません。それは時に、自分自身も変化させてくれるぐらい強い力があります。

Branch roomでは保護者の方と定期的に面談をさせていただいいてますが、その際にBranch roomに来る前後の変化として「子どもの活動量が上がった」というご報告をいただくことが多いです。

・どこへ行くのにも外を出るのが嫌がっていたがBranch roomに行くことだけは最初から楽しみにしていて、だんだん他の場所にも行けるようになった
・全く学校へ行けなかったけど、週に1-2回は行くようになった
・なんだか毎日走っています

このような声をたびたびもらいます。

Branch roomに来る前は「毎日死にたいと言っている」「自分で自分のおしりぺんぺんを良くしている(子どもの自傷行為)」「自分なんていない方がいいんだと言っている」というようなことを小学校低学年の子どもたちが言っていたのに、です。

そういった大きな変化を直接的に感じられていることが、Branchのサービスを続けられている要因の一つであることは間違いありません。

自分の価値観を知り、守り続ける

自分の価値観を知ること、それを選びとることも非常に大事です。

事業運営における僕の価値観をシンプルにいうと

「売上の拡大よりも、社会に必要とされているものの提供が大事」

だということです。
経営者として売上を増やすことはもちろん大事ですし、最終的にはExitをさせて株主の方々にリターンを返さなければなりません。

ただ、そうした前提の中でもどちらをより大事だと思っているかという優先順位をはっきりさせることと、そのバランスを保ち続けることとが大切です。
「案件の受注が優先されがちだけれど、これは最終的に顧客のサービスを使うお客さんをハッピーにするのだろうか?」
「売上を作ることを優先させて、ユーザーにとっての使いやすさが蔑ろになっているのではないか?」

このような葛藤を抱える、もしくは考えないようにさせられてしまう環境下では、心が摩耗してしまい、初志貫徹はできません。


「これは絶対に社会にとって必要なんだ」

と常に言い切れるサービスを作ることが、僕には必要でした。
自分の価値観を貫くために、ぼく自身こそがBranchを必要としていたのかもしれません。

もちろん、働く上で何を大事にするかという価値観は人それぞれに異なると思います。

「成長を感じられることが大事」
「風通しがよく、周りに気を使わない組織であることが大事」
「女性(男性)にモテる仕事であるかが大事」
「お金が大事」

これは本当に人それぞれなので、良い悪いの話ではないと思います。ただし「挑戦を続けたい」と思う場合は、自分の価値観が何であるかを理解しておくことが非常に重要だと感じます。


自身の価値観に合致したサービスが伸びることで自分の初期仮説が正しいと思える

Branchでは現在、

・Branch room:代官山にある発達障がいや不登校の子ども向けのフリースクール
・Branchオンラインコミュニティ:発達障がいや不登校の子どもと保護者のオンラインコミュニティ
・Branchメンターサービス:好きなことや得意なことが同じ大人とつながる

の3つのサービスを運営しています。このうち最初に立ち上げたのが、メンターサービスでした。

僕は立ち上げるにあたり

「発達障がいの子どもは発達特性により自己肯定感が下がり、孤独になりやすい」

という課題を設定しました。その解決方法として浮かんだのが

「その子が好きなことを大人になっても続けているメンターとマッチングして、一緒に遊び学ぶこと」

です。
遊び、学ぶ過程で自己肯定感を取り戻し、つながりたい気持ちも取り戻し、孤独が解消されていくのではないかと考えました。

そしてサービスを運営している中で、

「発達障がいの子は不登校の子が多い(=孤独になりやすい)」

ことにも気づき、現在は発達障がいに限定せず、不登校の子も含めてサービスを提供しています。

この最初に設定した「課題」と「解決方法」は仮説でしかなかったのですが、サービスが伸びていくにしたがって「社会に求められている事業を営んでいるんだ」という自信がついてきました。

売上の拡大を第一としているわけではありませんが、事業が伸びることは社会に求められていることの証明であり、自分の仮説は正しかったと確信できるできごとになりました。

リアルの場所を運営したり(=Branch room)、オンラインで非同期の場所を運営したり(=Branchオンラインコミュニティ)と、解決方法は分岐していますが、最初に設定した課題は変化していません。

サービスが伸びることにより「仮説が正しかった」と感じられることも挑戦を続ける上で大事な要素でした。そしてこれを感じるためには「自分の価値観が何であるか」を把握することは欠かせません。


明確な意思を持った行動が功を奏したこともあれば、子どもたちや保護者の方から偶然エネルギーをもらったこともありました。僕ひとりの力では決してここまでこれなかったのは、言うまでもありません。

新たな一歩を踏み出すことも難しいですが、それを続けることこそが本当に難しい。僕も挑戦し続ける者でありたい。挑戦し続けているあなたを応援しています。








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