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「ちょっと気になる」を後押しする。スマホから少額・ジャンル別に寄付できるプラットフォーム、solioに期待する未来

こんにちは。

「『好き』で自信を創り、『好き』で社会とつながる」をビジョンに、発達障がい児や不登校のお子さん向けにメンターマッチングサービスと教室運営をしている「Branch」の中里です。


今回は2020年11月25日にリリースされた「solio」という寄付のためのプラットフォームの紹介をしたいと思います。

寄付に詳しくなくても参加できる

「solio」とは、12のジャンルの中から、自分が興味のあるものを選ぶだけで、簡単に寄付ができるプラットフォームです。

僕の周りでは「寄付って最近よく聞くようになって興味はあるけど、やり方が分からない」「クラウドファンディングで寄付をするようになって更に興味があるけど、ここからどうすればいいか分からない」という方が、僕と同じ世代か下の世代を中心に増えています。

そんな方に是非とも知っていただきたいプラットフォームです。

スマートフォンだけでとても簡単に寄付できます。以下にその方法を紹介します。

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まずは12のジャンルの中から、自分の関心があるものを選びます。

ジャンルは、

・国際協力
・出産・子育て支援
・子どもの教育
・障がい・介護支援
・就職・雇用支援
・人権保護
・女性支援
・社会教育推進
・保険・医療推進
・自然・環境保護
・動物保護
・防災・被災地支援


です。

写真 2020-12-11 9 02 42


次に寄付したい金額を決めます。
最小で月額500円から寄付が可能です。


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つづいて、選んだジャンルの関心度合いを決めます。
この度合いによって、ジャンルごとの寄附金額が振り分けられます。


なお、僕のポートフォリオはこのようになっています。



寄付という「コミュニケーション」のかたち

僕はsolioの他にもいくつか寄付をしていたり、クラウドファンディングで寄付をしたりしています。そうしているうちに「寄付はコミュニケーションのひとつ」だな思うようになりました。

自分が知らない世界に、寄付というお金を通じてコミュニケートできるのです。

例えばBranchのようなサービスに関心を持ってくださったり情報を届けてくださったりする方は「身近に発達障がいや不登校の子がいる方」が中心です。逆にいうと、身近にそういう人がいないと、その世界がどういうものかはなかなか見えてきません。

また発達障害をはじめとする困りごとの当事者の方たちは、そうではない方に自身の課題を開示しにくいという傾向があります(だから僕のもとには日々こっそりと、発達障がいの相談連絡が届くのです)。

もし関心を持っていてもその世界を見られないこの現状は、閉じた世界に思えます。

でも、少額でもいいから寄付をすると、その寄付先から「今年はこんなことしましたよ」というレポートが届いたり、メッセージが届いたりするようになります。少しずつ自分がその世界のことを知ることができ、その世界の中に入っていけるように感じるのです。

いま自分が関心のある領域がなかったとしても、未来に関心を持つ可能性のあるもの(たとえば出産・子育て、防災・被災地支援など)や、知人や家族が関心を持っている領域を支援してみて、未来に向けた情報収集をしたり、知人や家族と共感する幅を増やすということもできると思います。

資本主義の外側、寄付の世界でこそ解決できる課題もある

最後にもう一つ、寄付で成りたっている事業者、支援者、サービスの重要性についても書いておきたいです。

どんなことでもそこに人がいてサービスが成り立っている以上、お金がかかります。

そのお金というのは、資本主義社会の中では「お金があるところによりお金が集まる」という原理が働くようになっています。

社会的に良いことをしているからといってお金が集まりやすいわけではないのです。僕の知る限り、寄付を募ってサービス運営しているところはギリギリの状態で運営していることが多いです。

またほとんどの国では「お金になりづらいけど、社会的に本当に必要なことには税金からお金を配分する」という仕組みになっています。発達障がい関連でいえば、児童発達支援や放課後等デイサービスや就労支援などが国や市区町村のお金を使って成立しているサービスです。

ただ、ここにはいくつかの問題点があります。

ひとつは「小さい課題にはお金が配られづらいこと」です。当たり前ですが、どんな課題にも助成金が給付されるわけではありませんし、その申請も大変です。

いつか大きくなると本人が思っている課題でも、現在は見えていない課題であったり、国として重視する課題でなかったりすると国や市区町村からお金を給付してもらうことは難しいです。

そのため、本当に解決したい課題とサービスの内容がズレてしまうことがあります。例えば発達障がい関連でいえば、ほとんどの組織が児童発達支援や放課後等デイサービスなどの枠組みの中でサービスを立ち上げようとして、本当に課題だと思った内容に踏み込めない場合があります。

もうひとつは、「少数者の意見より、人数の多い人の意見の方が通りやすい」ということです。。日本の場合は端的にいうと若者の意見よりも高齢者の意見の方が通りやすいです。

未来のことを考えると子育てや教育にお金をより投資すべきでも、人口の差でそのようにはなりにくくなっています。日本は全国津々浦々にインフラを整備していくという場面では非常に大きな成果を上げたと思います。しかし、現状の複雑で多様な課題解決のため、未来への投資のために税金がきちんと使われているかというと、見極めが不十分に感じます。


税金ではなく、個人が循環させていく寄付という文脈でこそ、上記にあげた課題を解決できるのだ、というのが僕の考えです。この寄付文脈の世界がもっともっと大きくなって欲しいと思っています。

小さい課題でも少数者でも、興味関心を持ってくれる個人がいれば寄付は集められる。それはサービスを創っている人次第。

大きなお金が集まっている場所以外にも、社会にとって本当に必要なサービスを創っている場所はたくさんあります。

そんなところにお金が集まり、サービス運営を維持できる世界になるように、solioにはとっても期待しています。


solio|ジャンルを選んで寄付をする、ソーシャルポートフォリオサービス


Branchでは、お子さんの好きなことを見つけたり、好きなことを伸ばすための環境創りのお手伝いをさせて頂いています。ご興味ある方はこちらから。


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