わたししか知らない場所のひかり。小林孝亘作品集「ひかりのあるところへ」
木漏れ日。葉と葉の間からこぼれるひかり。葉と葉を透かしたひかり。葉と葉を通過したひかり。そのこぼれたひかりが地面にまだら模様をつける。ゆれる白と灰色のひかり。白色のひかりが灰色のひかりのまわりを回る。白色が灰色の中を泳ぎ、灰色が白色の中に潜り、ゆれながら二つのひかりが重なり形を失い溶け合う。そのひかりはわたしの外にあるのだが、そのひかりはわたしの中にある。わたしの中にある木漏れ日。わたしの中に木がありそこに陽ざしがふりそそぎ木漏れ日が生まれる。犬がいてミツバチの巣箱が置かれ、