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クリスマスが愛される理由

12月になると急に慌ただしくなる。
それは毎年のことで、あっという間にクリスマスとお正月が押し寄せる。
昨日スーパーに寄ったら早くもお正月飾りが大量に置いてあった。早い。早すぎる。まるでクリスマスはもう終わってしまったかのようだ。

私の勤務地は周りに店舗用ディスプレイ商品を扱った問屋が多いので余計に季節の流れが先へ先へと急いで流れて行く。おそらく年が明けたら一気にヒナ祭り仕様に変わってしまうだろう。

しかし私は季節行事など何もしない家庭で育ってしまったので、結婚した今もやはり何もせず、世間の賑わいとはかけ離れた季節感のない生活になってしまっている。

そもそも日本には様々な季節行事があり、それに加えて外国のクリスマスやハロウィンや、まったくもってどうでもいいバレンタインなどがあり、休む間もなくイベントが押し寄せてくる。
商業的な戦略もあるのだろうが、これらの行事にまつわる写真をインスタグラムなどで見かけるたびに、皆さん意外と丁寧にこなしているのだなぁと心の底から感心してしまう。

時間は自分で作るもの。
そんな声が聞こえて来そうだが、ズボラな私がたくさんあるイベントの中からひとつ選ぶなら文句なしにクリスマスである。

何故ならクリスマスは美味しい。
日本だけだと言う話も聞いたがクリームたっぷりのケーキが食べられるだけでもクリスマス万歳だ。

次にクリスマスは美しい。
ツリーにしろサンタクロースにしろビジュアル的に人を惹きつける。

最後にクリスマスは暖かい。
雪の中を飛び回るサンタさんとトナカイから苦情が来るかもしれないが、クリスマスは暖かい部屋の中で親しい人に囲まれて過ごすものだ。
プレゼントをあげたりもらったり、そのシチュエーションを考えたら心まで暖まってしまうのは最早止められない。

クリスチャンでもないくせにと言われながらも日本に根付いてしまったのはこの3点があるからではないだろうか。

ちなみに私はプレゼント交換が大の苦手なので参加しない。これについてはいつか記事にしてみたいと思っている。


それで私が注目したいのは2番目のクリスマスは美しい、のところである。

クリスマスカードにサンタさんの絵が書いてあるとそれだけでウキウキしませんか?
これがお坊さんの絵だったら多分誰も喜ばない。…と思う(笑)
木彫りの素朴なお人形もサンタさんだからこそ可愛らしいわけで…(以下省略)
何かを見て素敵だと思う感性はとても大事で、これがあるからこそ人の生活は豊かになる。

そしてそこに美味しい暖かいが加わる。

想像してみて欲しい。
ツリーをオーナメントで飾りつけ灯りを灯す。ツリーの灯りがその周りに置かれたプレゼントの包みを照らし、テーブルにはこんがり焼いたチキンや沢山のご馳走。そしてその中央には生クリームたっぷりのデコレーションケーキ。暖炉(ストーブでも可)に火が入り、周りにみんなの笑顔が集う。

これだけで幸せな気分になれる。
ズボラなので毎年想像で終わってしまうけれど、大事なのはこの想像を与えてくれるというところではないだろうか。

※あくまでもイメージです。

でもこのポジティブなイメージがあるからこそ、クリスマスは万民のものとなり商品化が成り立つのである。

日本の文化やお寺、神社には西洋とは違う静謐さがありそれはそれで美しい。建築物としてもわざわざ外国のお客様が見に訪れるくらいに素晴らしいものがある。またそれを美しいと感じる心を育てるのも、日本人としてとても大事なことだと思う。

しかしそう思えたのはある程度大人になってからで、子供を含む万人を惹きつけるようなポピュラリティーはないと言わざるを得ない。日本文化は多少通好みなところがある。

美味しい
美しい
暖かい

これらが生きていく上でどれほど重要か。
宗教がビジネスになってしまってはいけないし、本来クリスチャンのためのものであることも重々承知している。それでもこの3つに人はそうそう抗えるのもではない。そこにあるのは人としての根本的な欲求で、クリスマスはそれを十分に満たしてくれる存在だと思う。

忙しさを理由にサボりっぱなしな私だけれど、今年は金曜土曜とカレンダーも良いし、たまには少し落ち着いて味わってみようかなと思う。
それならばクリスマス商品が売っているうちにお店を覗いてみなくては…。