3/28のNHK BSワールドニュースは、フランスF2が見る価値があった。マクロン大統領が、いろいろ大活躍(バイデンのポーランド演説を叱ったり、トルコでの停戦交渉をおぜん立てしたりして)いるのに呼応しているのかも。

今朝のNHKBSワールドニュース。


今日はフランスのF2を中心に分析。、

まず、BBC


①ウクライナとロシアの停戦交渉がトルコで三日間にわたり行われ予定、
②ウクライナ軍情報当局が、ロシアがウクライナの分断を狙っている可能性に言及
③バイデンがプーチンを「虐殺者」と呼び「権力の座に留まることはできない」と発言したことについて、フランスのマクロン大統領は、激しい言葉の応酬に対して警告しました。


僕の意見

このBBCトップニュースのうち、トルコでの停戦交渉の御膳立てに動いたのもマクロン大統領なので、マクロン大統領が、バイデンの「とことん戦争やるぞ、もっと武器を買え」とは異なり、停戦に向けて本気で動き、また西側首脳で唯一、バイデン大統領に厳しい苦言を呈することができることを示したと言える。これまで「独仏」のうち、独に注目して分析して来たけれど、ここ数日は仏、マクロンが積極的に独自の動きをしていて、それと呼応するように、フランスのF2が、非常に興味深い内容だったのを、後で詳しく紹介します。(ドイツはこのシュルツ政権後初の州議会選挙としいう国内ビッグニュースがあったので、割愛。)

バイデンのポーランドでの演説が、いかに耄碌ジジイの暴走ヘボ演説だったかを、BBCが伝える。
 「バイデン大統領の「プーチンは権力の座に残してはいけない」と述べたことについてブリンケン国務長官は、訪問先のイスラエルで、米国はロシアの政権変換について戦略を持っているわけではないと説明した。「われわれはロシアでも、いかなる国に対しても、政権転換について戦略を持っているわけではありません」


(後で放送されたスペインのTVEもこの件を詳しく報じ、マクロン大統領がテレビ出演して語っている映像を流しながら
「マクロン大統領もこの発言を気に入らず、戦争を止めたいならば、言葉でも行動でも熱くなってはならない」と述べました。とマクロン大活躍を報じている。)


僕の意見

 僕はこの戦争の初めから、バイデンの目的はプーチンを倒すこと、ウクライナの市民がどんなに犠牲になっても、プーチン政権が倒れるまで戦争をやる気まんまん、アメリカが直接参戦せずプーチン政権を倒せる大チャンス、それで不人気支持率低迷の自分の政権、中間選挙を「戦争での人気回復に活用できる」と思うとニヤニヤが止まらない、というのがバイデンの本音だと指摘し続けてきたけれど、今回のポーランドの演説、そのバイデンの本音丸出し、言わなくていい、原稿になかった本音まて耄碌じいさん、止まらずに調子に乗ってしゃべってしまったのである。世界中で床屋政談では「プーチンを××するしか、止められないよね」なんていう会話がされているだろうけれど、それをアメリカの大統領が、最前線といっていいポーランドで演説しているうちに自分の言葉に酔って、原稿にない本音をポロリ。まあ耄碌ジジイとしか言いようがない。いや、この人、若い時から失言で何度も失脚しかけた失言常習犯政治家なのだ。年齢のせいではないな。


 そんなことは、普通に頭を使ってこの戦争を見てくれば誰にでもわかることなのに。(うちの奥さんも「あーあ、言っちゃった」って言っていたのだが。)日本のメディアは、ブリンケン国務長官が火消しに大慌てになるまで、バイデン訪欧、そのいろんな会議での発言を持ち上げ、この演説も「歴史に残ることを意識した演説」とか提灯報道しかしてこなかった。バカ揃いの太鼓持ちでしかない。


さて、フランスF2。


①まずはウクライナの戦況、ロシア軍が撤退したオデッサの手前にある、ミコラエフの街、村を取材し報道する。ロシア軍が畑の中に兵器を放置していった様子、ミコラエフの街の中で、パンを昼間に買っている、平穏な生活が戻った様子など、ウクライナ軍の戦果が着実に上がって、ロシア軍が撤退した地域の様子を伝える。


 ②ついで、プーチン大統領のテレビ演説を紹介。
「ロシア軍を賞賛し、軍事作戦は予定通り進んでいる」と紹介。プーチンの表情は冴えない。
 

僕の感想  ロシア軍の「劣勢による戦略転換」、キエフやオデッサまで侵攻するのをあきらめ、東部ドンバス両州の「停戦の際の実効支配地域を固める」になったのは確かだと思う。そういう印象をこのふたつのニュースで印象つけたうえでニュースは進む。
③F2のニースは、ロシア国内で一番人気のある報道討論番組でどう報じているかを伝える。
 フランスのスタジオキャスター。
「ロシアのテレビでは、ウクライナの国民はロシア軍による解放を待ち望んでいたと専門家が解説する報道番組が連日放送されています。バイデン大統領のポーランド訪問も西側を批判するコメントに拍車をかける材料になっています。これがロシアで人気の討論番組です。」
といって、ロシアの番組映像に切り替わりつつ、フランすF2による解説がかぶる。
「ロシアで最も有名な討論番組のひとつ「60分」です。セットもおしゃれな人気番組で毎日二回ロシア国営テレビで放送されています。キャスターは男女二人、どちらもプーチン大統領に近いことで知られていて、女性は西側の制裁リストに名前が載っています。」
「この日のゲストの攻撃の対象はバイデン大統領のポーランド訪問です。」
ロシアの番組の音声、出演者のコメント。バイデンと兵士たちがピザを食べながらのランチミィーティング映像にで「あのピザの食べる姿をご覧ください。まさに西側の堕落ぶりを紹介しています。」
F2のコメント「続いてロシア人ジャーナリストの質問に答えるバイデン大統領の言葉が紹介されます。」
バイデン「重要なのは制裁の意味を分からせることです。いちばん大切なのは団結です」
ここでロシアのスタジオ討論
司会「理解できますか?政治の専門家でいらっしゃるわけですから、説明してくださいよ。」
スタジオのゲスト学者専門家たち、みな苦笑いで、言葉を発さない。
F2コメント「と言うキャスターの言葉に苦笑いで答えます。
番組のクライマックスは戦況の報告です。軍人がウクライナ側によって爆撃された場所だけを紹介しています。ウクライナの親ロシア派側のスポークスマンです。
軍人コメント「ドネツクでは複数の地区がウクライナ軍によって爆撃されています。連日400回以上爆撃されています。マリウポリでは激しい戦いが続いています。どの建物も戦いの場になっています。」
F2コメント「ロシア軍の進攻ぐあいを示す地図が繰り返し登場します。コメントをしている政治学者はプーチン大統領の理屈を繰り返して特別作戦を正当化しています。」
ロシアの解説者のコメント「ロシア軍は80年前にナチスと戦った赤軍の記憶がしみ込んでいます。ロシア軍に迷いは一切ありません。ウクライナ軍側は私たちと同じ言語を話し同じ歴史を共有しているのに、第二次世界大戦で誰に対して一緒に戦ったのか、忘れてしまっています。」
F2の締めのコメント「討論番組はロシアで大変な影響力を持つロシア国営第一チャンネルで生放送されています。

僕の意見

NHKニュースウォッチ9の「ロシアプロパガンダ批判」特集は、まとめ方自体が恣意的編集しまくりのため、逆に「NHKの恣意的プロパガンダ」に見えちゃうのが、程度低いなあ、という感じだったのだが。フランスのこれは、素直にロシアの番組を紹介することに徹することで、「ああ、これなら、素直に信じちゃう人もいるかもなあ、プロパガンダっていうのはこういうことか」と分かる内容になっている。NHK。見倣え。

フランスF2、続き。さらに面白い。


 ④次のF2の特集が、様々な国のこの戦争との関りを多角的に紹介していて、素晴らしい。こういうの日本でも、ちゃんとやれ。これもNHK、見倣え。


 F2「28日から、トルコで、ウクライナとロシアの間の新たな停戦交渉が開始されにます。トルコは経済的にロシアに依存しているとともに、武器をウクライナに送っており、今回の戦争では引き裂かれる立場に置かれています。イスラエルやインドなど、数カ国が外交的綱渡りをしています。」


五人の各国首脳の写真が画面に映し出される。
「ロシアとウクライナの間で中立を保ちたい。あるいはどちらを選ぶか躊躇しているように見える国々の指導者はこちらです。これらの国々の微妙な綱渡りをまとました。」


インド

「インドのモディ首相が中立と言うのは驚くかもしれません。世界一大きい民主主義国ですが、武器はロシアに依存しています。空母、戦車、戦闘機、インドの軍備の也割はロシアから供給されています。また、現在ロシアの石油を何百万バーレルも、格安で買っています。」

イスラエル

「モスクワとの関係悪化を避けたいのはイスラエルのベネット首相も同じです。ロシアはシリアに軍事介入しているからです。」とイランも色が塗られ強調された地図が移される。「モスクワとイスラエルの間では、いわば、紳士協定のようなものがあります。シリアの内戦の際は、ロシアとシリアのアサド大統領がすることには目をつぶり。そのかわり、イスラエルによるシリア南部のイラン軍施設の空爆をロシアは黙認していました。そのため、イスラエルはウクライナには武器は一切供給せず、対ロシア制裁にも力を注いではいません。」

トルコ


「トルコのエルドアン大統領もそうです。NATO、北大西洋条約機構のメンバーとして、今週も記念写真にはエルドアン大統領は写っています。しかし、ロシアにもウクライナにも近いトルコは、特別な役割を果たしたいと考えています。トルコは単に中立を保つだけでなく、交渉役を買って出たいと考えています。いまのところ、イスラエルやトルコの仲介は結果を生んでいません」

UAE


「この危機で漁夫の利を得ようとする、ドバイのようなところもあります。経済制裁を逃れるため、プーチン政権に近いロシアの富豪オリガルヒたちが、ドバイで資産運用をしようとしています。」

中国


「しかし中でも中国の習近平国家主席がいちばん大きい影響を持っているでしょう。制裁を受けるロシアをどれくらい援助するのか。台湾との関係で得られる教訓は何か。中国はとにかくロシアとウクライナの戦いが沈静化してほしいと願っています。」


僕の感想、

今回でのイスラエルの動きが良く分からなかったのと、UAEについて、なるほどなあ、という感じですね。夕方のアルジャジーラでは、「エジプト、UAE、モロッコ、のバーレーンの外相が、アメリカのブリンケン国務長官が理事長を務める会合に参加するためイスラエルに到着しました。この会合はイスラエルのラピド外相が呼びかけたものです。この会合の目的はイランに対抗するために、地域において同盟を結成し、そしてアメリカがイランと核合意を巡って合意し、イラン革命防衛隊がテロ組織から削除される可能性がある中、イスラエルと参加国への脅威について議論することだそうです。パレスチナ抵抗諸派は、この会合を非難しました。」
ということで、イスラエルとアラブ諸国の関係がなにやら大きく変化していることが、ここも利害が複雑で、ちょっとよくわからないので、興味をもっておいかけようと思います。

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