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藤井風くんの、無観客ライブの感想。Fujii Kaze "Free" Live 2021 at NISSAN stadium 雨の中、ピッチの上、風君の声と、演奏と、際立つ「休符」の美しさ。

7万人収容の日産スタジアム(横浜国際)のピッチのど真ん中にグランドピアノが一台。コロナで無観客で開催。

誰もいないスタジアムのピッチの上で、一人。
雨がどんどんひどくなる。鍵盤も濡れて、ピアノ、大丈夫かなと思うくらい。

そこで、一人で、ピアノ一台で、弾き、歌う風君。

うちの奥さん「なんか、演奏も、曲も、歌も、すごすぎる」と感極まる。

風君の演奏、ライブでは見たことないけれど、

武道館ライブ配信も、デビュー前のライブ映像も、自宅ライブも、スペースシャワー特番スタジオ演奏も、報道ステーション出演演奏も、風君に関する映像は、見られる限り、全部見てきたけれど、
そのどれよりも凄かった。

うちの奥さんも、そういう風君演奏を、今までもずっと一緒に見てきたけれど、

その妻の、鑑賞途中の感想。

「今日、特に声の、のどの調子がいいよね」(やさしさ、が終わったところで。)

「ピアノが、すごい。クラシックのピアノのコンサートとして聴いても、すごい。」

「無観客で良かった。観客がいると、会場の観客にだけ歌う、サービスしちゃう感じだけれど、無観客だと、世界中の1人1人に届けようと歌っている。」

「もう、玉置浩二さんのレベル。玉置さんがこれを見たら「ああ引き継いでくれる人がでてきたから、俺はもういいか」って言うかも」(いや、でも、まだ玉置さんのコンサートも行きたいから、お元気で活動続けていただきたい。玉置さん級の天才だ、音楽の神様に、作詞作曲でも歌でも楽器演奏でも、全方位に優れた人だ、ということを妻は言いたかったのである。玉置さんのコンサート・オーケストラ競演のものを中心に、僕と一緒に6回が7回くらいは生で聴いている人なのである。そういえば、この前、プリンスの2010年くらいのライブ映像をYouTubeで妻と二人で見ていたとき時も、「やっぱりプリンスは別格、全然違う」と感想を述べていた。僕ら夫婦はジェイコブ・コーリア君のことも好き。私も妻も、「音楽の神の子」みたいなアーティストが大好きなのである。そういう人が、一世代に一人くらい出てきて、世代がつながっていく、そういうことを言いたかったのだと思う。)

気持ちを語るMCも、日本語と英語で同じ内容を伝える。雨のことを「生憎の」って言わない。「恵みの雨」って言う。

僕は、何度も何度も泣きそうになる。「やさしさ」でピアノから離れて、ピッチの上を、四方に走り回りながら歌うところで、こらえきれず、涙がボロボロ出てきた。妻の言う通り、このときのアカペラの歌声のクオリティが凄すぎた。

音楽の神様に愛された人が、その神様からもらった愛を、世界中に、届けてくれています。

ピアノ一台で、グルーブを創り出す、体の中に、ものすごい密度の音楽が詰まっているのがわかる。

風君のピアノ弾き語りでいちばんすごいと思うのが、休符

音楽を習うと、楽器を習うと先生に「休符も音楽だよ」って教わるけれど、

 大スタジアム、ピッチの上で、無観客で、ピアノ一台と歌だけ、というこの条件というのが「休符も音楽、限りなく美しい休符」を際立たせる。何度も何度も、風君が、歌とピアノをピタっと止める、その一瞬に心が震える。

 あと、ドローンで撮影していた映像が、どんどん高くなって、スタジアムの外の、新横浜周辺の川と、そこから見える街並みが見えた時、また、なぜだか、涙が出てきてしまった。僕は何十年も新横浜乗り換えで新幹線通勤をしていたし、一昨年のラグビーワールドカップでは、横浜国際で開催された全試合、妻と二人で観戦に行った。そういう日常が、すべて変わってしまったこの世界に、そこを舞台に風君が歌っていること。言葉にできないいろいろな思いが込み上げてきた。

 なんか、これ、ただで聴いたらいかん。ブルーレイ出たら、すぐ買う。こんなもん、見られるのに、見ないの、聴かないの、もったいなさすぎる。下のリンクから、観に行ってください。

Fujii Kaze "Free" Live 2021 at NISSAN stadium

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