ケントくんの新作「Queen - We Are The Champions - Solo Acoustic Guitar(Kent Nishimura)」、感動したので感想を書いておく。(追記改訂版。世界の、ケントくん奏法解説している動画も紹介。)

動画はこちら。Queen - We Are The Champions - Solo Acoustic Guitar(Kent Nishimura)


 ケントくん新作。なんでだか、涙が出てきた。いやもう、ほんとに涙が止まらない。技術のすごさよりも、音楽の美しさが圧倒的に伝わってくる。このスタイルのギタリストで、そこの優先順位が「音楽の美」になっている人は、本当に稀少で貴重。

もちろん、技術的にも超絶むずかしいのだが。

ケントくんがYouTube投稿を始めてずいぶん経つが、他の人が「ケントくんのギター、コピーして弾いてみた」というの、ほとんど出てこない。

僕が想像するその理由。

①本当に技術的に難しくて不可能。
②ケントくん自身が楽譜もタブ譜も作らず、耳でコピーしてアレンジを完成しているので、参考にすべきものは映像しかない。(YouTubeコメント欄に、海外のギター弾きたちから、「TAB PLEASE!」という書き込みお願いが毎回ある。ケントくんは意地悪しているわけではなく、実際、作っていないし、本人も、やっていること全てをタブ譜に表現できないのだと思う。)
③ごく少数、映像を見ながら、弾き方、ポジションなどを研究してコピー成功した人は、いないことはない。が、ケントくんのように、クリアで美しい音色、正確なリズムキープ、その上に微妙なグルーブ、を再現演奏できる人は本当にいない。コピーに成功した方の映像を視聴して思うのは(本当に、そういう方に対しては、尊敬の念しかないのだが)、ケントくんの魅力、個性、人に絶対マネできないのは、あらゆる音、ひとつひとつまで神経の行き届いた響きの美しさなのだということがよく分かる。

→ここから4段落ほど、追記改訂。これを書いてから、YouTube上に、いろいろな、ケントくんコピー演奏や、奏法解説チュートリアル動画を発見。下記三人の方については、「いかにケントくんのような美しい音を出すか」についても、こだわって、細部までコピーしていて、上記の「絶対にマネできない」に肉薄しようとしている人たちが世界にも日本にも出てきていて、ビックリしたので、追記、改訂しました。

①イタリア人のPaolo Serenoさんという方が、TOTO AFRICAと、Fiy me to the moonというケントくん演奏曲中でも超ド級の難曲のコピーと奏法解説をしてくれている。どうやって、ケントくんのようなクリアで美しい音を出すかについても、わざわざいろいろ解説してくれている。驚異的。かつAnother Brick in the Wallのtab譜も書き起こしている。このイタリア人おじさんギタリスト、すごいです。

②JomariGuitar TVというチャンネルの方(アジアの若い方とお見受けした)(TUTORIAL) Careless Whisper①②③、Just once - James Ingram | Kent Nishimura Arrangement - Fingerstyle Tutorial Part 1 、2と、という解説動画をアップしており、これも本当に素晴らしい。通常速度と、ゆっくり演奏、両方してくれていて、とても親切です。

③そして、Paint It AcousticというYouTubeチャンネルをやっている、日本の方、Norah Jones - Don't Know Why - Arranged By Kent Nishimura (Cover)というのをアップしていて、素晴らしい。音色も大変美しく、ケントくんの繊細な演奏を再現しています。

この三人の方のコピーと解説、チュートリアルは、ちょっと本当に凄いので、興味ある方はぜひ。下線部クリックすると、リンクしているので、動画に飛びます。

 僕も実は、何曲か、コピーに挑戦して、部分的に弾けるようになったかな、と思って、動画を撮ってみたのだが、自分で見て絶望的気分になって、これは門外不出にした。玉置浩二さんの歌をカラオケで歌ってみて、「これじゃない、全然違う(当たりまえ)」と絶望するのに似ている感覚。
歌うたいとしての玉置さんくらい、ケントくんのギタリストとしての実力は飛びぬけている。

何より、やはり、これだけクリアで美しい音を、この難易度の中で弾くということの難しさ。孤高の天才。

しかも、毎回、すこしずつ、技術的な新しいチャレンジが入る。今回はサビ前の部分、右手をほぼドラミングに使う中でフィルインを左手フィンガリングだけできれいに入れている。あの瞬間の情報処理とやっていることの多さ難しさ、人間業ではないと思います。






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