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2023世界陸上ブダペスト テレビ観戦 1日目、2日目、Facebook投稿転載。

1日目

世界陸上が始まって、織田裕二も中井美穂もいなくても、福島千里の解説がどれだけピンボケでも、競技自体の迫力、すさまじさはやっぱり世界陸上なのである。

女子1万メートル

女子1万メートル決勝は東京五輪金メダリストのハッサンが、1万メートルのうち9975メートル走ったところまで先頭だったのに、転んでしまった。

男女混合400×4リレー

男女混合種目の400×4リレーは、オランダとアメリカの一騎打ち、こちらはゴール手前5mまでオランダのアンカー、ボルがトップだったのに転んでしまって、アメリカが逆転優勝。そのアメリカが世界記録だったので、転ばなければオランダが世界記録で優勝していたのである。

トップを走っていた選手がゴールラインが目の前に来たところで足がもつれて転倒、というのが、ごく短い間に二種目で連続するというびっくり展開でした。

男子砲丸投げ

すごかったのは、男子砲丸投げでは五輪二連覇、世界記録保持者のアメリカ・クラウザーが第二投で22m98㎝と大会記録を更新し、トップのまま、最終六投目にさらにものすごい大投擲。あと五センチで世界記録更新という23m51㎝で優勝した。

今日の日本選手

日本選手も、女子1万メートルで広中璃梨佳が七位入賞。東京五輪でも七位に入っており、大きな国際大会で実力が出せるの、素晴らしい。

予選では、3000障害で三浦 龍司と青木 涼真の二選手が予選突破、決勝に。女子1500メートルで田中が準決勝に。男子100メートルでもサニブラウンと栁田 大輝が準決勝進出。

期待された女子走り幅跳びの秦は実力出せず予選敗退に終わったが、これだけ幅広い種目で、日本選手が予選を勝ち上がって、準決勝、決勝に上がっていくのは、

昔から世界陸上を見ている私としては「時代は変わったなあ」と感慨が深い。3000障害とか、日本人が活躍できるイメージが全然なかったもんな。

陸上競技は、それ自体に、なんというか、「人間の限界、今の人類の到達点」を見る面白さがあるよなあ。そこで日本選手が戦えているのを見るのは面白いのである。織田裕二はいないけど。

2日目

午前の部 男子400M予選

佐藤拳太郎、32年ぶりに高野進さんの日本記録更新44秒77で準決勝進出。すごい快挙。もう一人の佐藤風雅も44.97。中島悠希ジョセフも45.15で3人揃って着順で余裕の準決勝進出。

100mで日本人複数選手が9秒台連発したくらいのインパクト。

この3人と、400mハードルのだれかでマイルリレー(400m×4)は出るのかな。メダルの可能性あるぞ。

ちょっと大興奮。


 世界陸上、昨夜から今朝明け方にかけての観戦感想。

サニブラウンの100m準決勝

は何回見ても涙が出る。隣のレーンの自己ベスト9.77、今季ベスト9.84のケニアのオマンヤラを、後半30mぐらいで競りながらじわっじわっと前に出るところで、涙がじわっじわって出る。
 そして、客席ですげーかっこいいガッツポーズをするサニブラウンお母さん(走り終わった直後と、順位が電光掲示板に出で決勝進出が正式にわかった時と、二回テレビがアップで映しているが、そのたびガッツポーズする姿がもうなんだかかっこいい。たしかにサニブラウんのお母さんだよという感じのする背も高くて細くてモデルさんみたいで顔も似てるんだな、そこがまた良い。)を見るとますます涙が出てきてしまう。

 かけっこ速い子のお母さんは、小学校の運動会からずっとああいう気持ち味わっているわけだが、その世界最上級気持ちいいをサニブラウンお母さんは味わっているのだなあと思う。
 3組ある準決勝、各組2位+それ以下の中でタイム上位二人が決勝という条件で、この1組目サニブラウンより持ちタイムが速いのが5人いたわけで、解説の人も着順での進出は考えていなくて、タイムで拾われるかどうかという前提で解説していたのに、着順2位で進出というのはほんとにすごい。

 決勝6位も立派だったのだが悔しそうなのがまた良かった。次のパリ五輪か、その先の世界陸上かで、準決勝から決勝でさらにタイムも順位も上げるサニブラウンに期待したいと思います。

女子走り幅跳び

 僕は陸上競技では走り幅跳びがいちばん好きなのだ。TBS地上波だとトラック競技の合間にダイジェストっぽくなってしまうので、パラビで全部生中継で観戦。セルビアのブレタ選手が1本目から一人だけ別次元の跳躍(一本目はファールだったんだけど)、7m20くらい跳んでいそうな跳躍を連発、あとは踏切が合うかどうかだけ、という感じで2本目に7m05、5本目に7m14で優勝。

 2位になったアメリカのデイビスウッドホールが終始ニコニコ楽しそうに楽しんでいて可愛らしかったのと、最後6本目でルーマニアのコットマンが3位に入る逆転ジャンプで嬉しそうだったのが印象的でした。

男子ハンマー投げ

 そういう点では男子ハンマー投げも面白かったなあ。ポーランドの強豪2人、同い年34歳、世界陸上5連覇中のファイデクとずっと銀のノビキ、ただし東京五輪ではノビキが金メダル、今年の世界ランク1位という二人に、地元ハンガリーのホラスがそこに絡むか。

 いや、しかし予選では無名21歳の大学生カナダのカツバーグがトップの成績。伏兵、新星の登場か。

 ポーランドの二人とハンガリーのホラスは、短髪でちょい腹の出た、東欧の真面目そうな力持ちさんという容姿風体なのだが、カナダのカツバークだけ、すごい長髪と髭の、ヒッピーの生き残りかクロマニヨン人の生き残りかみたいな、なんか一人だけ雰囲気が違うのである。姿勢もちょっと猫背でハンマー投げの選手らしくなくて、その辺もちょっと原始人ぽい感じを漂わせるのである。

 今日は5連覇中のファイデクがちょい不調で、東京五輪金のノヴックと地元ハンガリーのホラスの金銀争い、ちょい遅れて3位にカナダのヒッピー原始人大学生カツバーク、という展開が4本目までだったのだが、5本目に原始人大学生カツバークがすごい投擲でトップに立つと、6投目でもさらに記録を伸ばして優勝。

 なんか、カツバークが面白かったのである。地元ハンガリーのホラス銅メダルで嬉しそうでした。

女子7種競技



 この女子7種、(男子だと10種)って2日にわたってずっと一緒に競技するから、競いつつも「みんなでがんばろう」みたな雰囲気か選手の間にあって、すごく好き。

 2019世界陸上王者なんだけれとアキレス腱怪我から復帰したイギリスのジョンソントンプソン30歳と、今年の世界ランク1位アメリカのアナ・ホール22歳の優勝争いは、当然のように最終種目800メートルまでもつれ込むのである。

 各競技の成績について、それぞれの競技ごとにトラック系だと「何秒だと何点」フィールド系だと「何メート何センチだと何点」という点数が設定されていて、合計点で競う。

 6種目終わって最後トンプソンが5710点で首位、ホールは3位て5667点。(2位はオランダのベッター5684点)
ただし、最終種目800mのこれまでのベストが3位3位アメリカのホールは2分2秒98これは今季出したもの。いっぽう首位トンプソンは今季ベストで2分12秒40、自己ベストでも2分7秒26。
 
 2人の点差44点は、800mタイムに換算すると3秒分。つまりアナ・ホールがジョンソントンプソンに3秒差をつけてゴールすれば、総合得点で逆転。逆にトンプソンが3秒以内の遅れに収めれば、総合得点で逃げ切れる。

 ホールが今季ベストに近いタイム2分4秒ちょうどで走ると、トンプソンかこれまでの自己ベスト(おそらくアキレス腱怪我前の記録)2分7秒26を出しても、ホールが逆転勝ちになる。ましてや今季ベストの2分12秒では全くダメである。
これは最終種目でアナ・ホールの逆転iになりそう。
という状況でレース開始。

 画面表示が素晴らしくて、今のタイム差だと二人の点数が何点か、リアルタイムで表示され、刻刻と変化する。
1周目400mをアナホールがトップで通過した時点ではホール6828点トンプソン6822点、ホールがわずか6点逆転に成功している。見た感じ20m、1秒弱の差。バックストレートでジョンソンが少しだけ差を詰める。もちろんレースとしては大きく引き離されてはいるのだが、600m地点で点数表示ではジョンソンがわずかにリードに変わる。アナホール6755 ジョンソントンプソン6757。

 最後の直線、アナホールが疲れて落ちてくる、差が詰まる。アナホールがゴールした後、10m以内の差でジョンソントンプソンがゴール。アナホールのタイム2分4秒10、ほぼ自己ベストというか、7種競技の800m大会記録だったのだか、おいかけたジョンソントンプソンが、なんと2分5秒68、ここで自己ベストを2秒近く更新した。二人のタイム差は1.5秒。「3秒以内の差なら優勝」という条件を死守して、ジョンソントンプソンが総合得点でのリートを保ち金メタル。

 2人だけでなく、最後まで戦い切った全員がお互いを称え合い、手を取って、トラックをみんなでウイニングランする。ああほんとうにスポーツっていいなあというシーンである。

 陸上競技って素晴らしいなあ。地球に生まれてよかったーーって、織田裕二の代わりに叫んでしまうのである。


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