コロナがおさまる、感染拡大が抑止されるっていうのは、どういう状態をさすのだっけ。何をゴールに、がんばるんだっけ。分からなくなったので、整理してみた。

コロナについて、最近、あまり意見を書いていなかったが、一個一個の施策の可否や意味の有無について、例えばマスク配布とかPCR検査をどうこうとかGotoキャンペーンとか医療体制とか、それらについては、ひどいこともあれば、なんらか着実に改善されていることもあり、いちいちあえて僕が言うべきことも無いと思うので書かなかったのだが。

何より、どうなれば、それは対策として成功なのか、についてのゴールが皆目分からなくなったのが、最近の途方に暮れた気持ちである。

感染拡大が抑制された成功イメージというのはどういうことなのか、ということと、経済社会が機能回復する道筋、両者は相互に絡み合っていて、全体として回復するイメージが全然見えない。

それ全体をいきなり整理するのは難しすぎるので、まずは「感染抑止」についてだけ。別に目新しいことは書いていなくて、抑止に成功した台湾の戦略と、それとは正反対の極端な戦略を取ったスウェーデン、そして、当初、大失敗しつつ改善して進んでいるイギリス・アメリカNY州のしていることを、「どういう感染状態にある層を、どういうふうに増減させるか」という戦略として、視覚的にイメージしやすく整理する、ということをしてみた。こういう整理をしてみても、日本のやっている戦略は、整理がしにくい。戦略がなくて、戦術を組み合わせてただひたすら前進しているだけ、のように思われる。

冒頭、タイトルに掲げた整理図から、もう一度。

情報量が多いので、どう読むかについての解説ページ、2ページ。表側は何を意味し、表頭は何を意味するか。

つまり、未感染の水色から、感染しても無症状のBの人、軽症のCの人、重症化するDの人、死亡しちゃうEの人。それぞれの段階から回復して抗体免疫を持つ緑の人bcd。それが、社会の中に、どんな比率でどう存在する状態にするか。それが「感染抑止」ということである。とすると「今、どんな比率で存在し」「最終的にどういう状態に持っていくか」でもって、戦略というのは整理できるよね、ということ。

台湾の封じ込め政策とは、「ほぼ水色、少々緑」に社会全体をすること。

スウェーデンの集団免疫戦略とは、緑6割以上にすること。水色は少ない方が良い。途中段階では赤がでる。赤を経ないと緑は増えないから。その際、黒が出ちゃうのもやむを得ないと考える。

死者がたくさん出たイギリスやNYは、真っ赤になりつつ、死者、黒も出しつつ、緑が増えて行った。大失敗で、結果、集団免疫に近づいた。

ワクチンは、水色の未感染者を、ワクチンの力で緑の人にする。社会全体、だいたい緑色になるから、みんながワクチン完成を待っているわけだ。

日本のヘンテコ戦略を、色分け図て考えると、D重症者(茶色)→E死者(黒)の最小化のために、(赤)BCへのPCR検査は抑制する戦略だった。

• 成果は・・・死亡者数は比較的低く抑制できた。イタリアやNYで起きたような、人工呼吸器が足りない、というような医療崩壊は起きなかった。
• 問題点は・・・赤B、CへのPCR検査を著しく低く抑え続けたために、B、C、市中感染の元となっている無症状者や軽症者が、実際のところ、どれだけ拡大しているのかが、全く把握できなくなってしまった。

で、今や、戦略修正しつつ、進んでいるようなのだが、正直、よく分からない。PCR検査を増やそうとはしているけれど、全体構造を把握できるような数はしていない。検査数を増やすと、それに比例して感染者数が増えるだけ。本当のところの感染拡大がどこまでどう広がっているのかが、よく分からない。

話はちょいと違うが、岩手県で感染者ゼロが続いていたが、1~5月での全死者数は前４年平均に比べて100人以上増加している、などというニュースも流れてきた。検査体制だけでなく、感染者を批難差別するような同調圧力の強い社会風土もあり、名乗りでられず潜伏している感染者も多くいそうで、感染拡大実態が把握できない。

日本は、台湾のような完全封じ込めも今さらできないし、スウェーデンのような集団免疫戦略も取れないし、英米のような、「大失敗＋大量検査」で、死者感染者を大量に出しながら、結果的集団免疫による感染抑制フェーズへの移行、ということにもなりそうにない。

　こうあるべきという結論や主張があって、このnoteをまとめているわけではなく、この色分け整理をするとすると、日本は、どういうゴールを目指しているのか、誰か分かるなら説明してほしいなあ、ということで、とりあえず書いてみたので、ご意見、お願いします。しかしまあ、PCRに限らず、抗原検査も、抗体検査も、それぞれの必要に応じてちゃんと、できるだけたくさんやらないと、全体像がわからないなあ。