久しぶりに「もののけ姫」を金曜ロードショーで観ての、ラブストーリーとしての感想。備忘録。

 CMでぶつ切りにされても途中で気象情報ピンポンが何度入っても「もののけ姫」すさまじいなあ、何度も泣きそうになってしまった。

 宮崎駿的「原始の自然への愛着(人間憎悪)、軍事産業含む産業文明への愛着、里山的自然と人間の共生へのロマン」という文明論的見方は、さんざん論じられているので、僕も何度か論じているので、それはさておき。今回はラブストーリーとしての感想を、ちょいと一言。

 この映画、アシタカの気持ち、サンの気持ち、モロの気持ちをちゃんと理解する上で、あの、モロに「おまえにサンが救えるのか」って、アシタカが岩屋のところで言われる直前、岩屋の中でサンが丸まって寝ていて、その横でアシタカが目覚めるわけだが、あのとき、サンとアシタカが、初めて結ばれていた。というか、していた。そのこともモロはちゃんと岩屋の上で認識していて(観なくても耳とか鼻とかで)、それでああいう会話をするわけだ。母親として。「この直前、してたのか」って思って見ると、すごく納得いくんだよな。子供も見るアニメだから全く描いてないけどさ。

 というのが、何度か見ているうちにわかってきて、そうすると、田舎の許嫁からもらった短剣をサンに渡す、シシガミ殺しのあと、その短剣で刺されながら抱き締める、最後に、共に生きることは選ばなくても、山とたたら場で別れて暮らしても「ヤックルにのって会いにいく」という一連の流れがなかなか味わい深い。通い婚カップルになるというラストシーンが、結構、ハッピーエンドだと思うのである。

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