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0916『あの日、僕はきみのくびをしめて殺した』

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夢に出てきた群像劇で、なんだか見ててワクワクしたので慣れない小説だが文字におこしてみた。
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#小説

0916『あの日、僕はきみのくびをしめてころした』1

急に場面が切り替わる。
まるでテレビのチャンネルを変えたように。

目の前の建物が半分崩壊しており、人々は阿鼻叫喚の如く叫び逃げ惑っている。
周りにはオレンジ色の分厚い生地の服を着て、頭にはヘルメットをした人達が整列している。
俺もその中の一人として立っていた。
またあの時の離人感。俺が俺でないような、でもここにいるのは自分なのだろう、そんな予測のような、客観的視覚。
自分の服装を見てみると同じ格

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0916『あの日、僕はきみのくびをしめてころした』序章

 急にバチっと目覚めたような感覚だった。
気づいたらそこは、なんというか、全体的に白い。白い壁、白い床、白い天井。
なんだか病院みたいだな。
目の前に白衣を着た男がいる。その男が話しかけてくる。
「あなたは今、何も思い出せないかもしれない。でも、私達はあなたの記憶を取り戻す手伝いをさせていただきます」
医者…いや、カウンセラーか、白衣というよりは、看護師が着ているあれに近い。たぶんカウンセリングの

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