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憧れや救われた経験を自分を変えるきっかけにしなくたって

 私には将来の夢があった。

 10歳のとき学校で行われた二分の一成人式でもその夢を語ったし、その夢のために辞めそうになっていた高校を卒業して、大学だってその夢に繋がる学部を苦しみもがきながら受験して入学した。

 その夢を、その職業を目指すようになったのは、かつての私がその職業の大人に助けられた経験があったから。

 私はその志望動機に執着して、人に志望動機を聞かれる度そう答えていたし、私はその職業に就かなければいけない運命なのだと勝手に思っていた。

 だけど、私は大学を休みがちになった。

 家で休んでいる間、将来の夢について考えた。

 そのとき私は思った。

 憧れや救われた経験を自分を変えるきっかけにしなくたっていいんじゃないか、と。

 私は今まで、好きなバンドやアイドルの曲や歌詞に救われてきた。目がぱっちりとした可愛いあの子の容姿に憧れた。

 だけどそれは必ずしも私自身を変える理由にはならないと気付いた。

 憧れと夢を一緒にしなくたっていいんだ。

 なんだか心がすうっと軽くなった。

 憧れは憧れ。
 
 夢は夢。

 憧れが夢になることもあるけどそれは絶対じゃない。憧れが夢になったら素敵かもしれないけどね。

 夢を諦めた日。

 それは私がある意味成長した日となったかもしれない。

 

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