見出し画像

どろどろしたもの

前回の続き

その後もいろいろ見てみると、やはり短歌と詩は違うらしい。短歌には「どろどろしたもの」があまりないみたいだ。

私は「どろどろしたもの」が基本好きなので、字数制限の厳しい短歌フォーマットは向いてないのかも。

例えば、メアリー・オリバーの詩の一節

教えて、あなたの絶望を。私の絶望を教えてあげる。
Tell me about despair, yours, and I will tell you mine.

Mary Oliver / Wild Geese

がとても好きで、この一節は24文字しかないけれど、前後の展開がないとどこか物足りない感じがする。


まあ、でも昨日お風呂に入っているときにパーツの一人と相談してたら、解離性障害やノンバイナリーなどのその人固有のものに潜り込んでいけばなんか出てくるんじゃない?ということになった。

やってみたら、自分の中のどろどろさを薄めたコーヒーみたいなものが出てきた。ベトナムコーヒーを期待したら、昔の映画館のもふもふ紙コップコーヒーが出てきたみたいな感じではある。もっとも普段の詩もどろどろさが足りているとはいえないのだが。

では、解離性障害が主題で二首

幸せも悲惨もすべて粉々に化した結晶に覆われた皮膚

怯えてる私を見つめる別の私 抱擁の気配と体温を感じる


ノンバイナリーが主題で一首。そんなものない方がいい解離性障害と違って、こちらはノンバイナリー推しですね。

紫と黄色の瞳の我々は何億年もの進化の祝福


うーーーー。なんかもの足りない。これじゃない感。

#推し短歌


この記事が参加している募集

今日の短歌