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ねえ わたしたちはさ これまで いらないところに鍵をかけて 大切なはずのところに鍵をかけ…
よこ… …… よこたわ よこたわる よこたわる よこたわ たわって たわって たわってる いる そ…
夏の終わり 学校帰りに駅からの坂を下る 黄色い自転車はスピードを上げて 踏切を渡る 線路の一…
どーん、バリバリバリバリ 近くを雷が通ったらしく、驚いて落ちてしまった。 せっかくうとう…
僕にはちいさな子がいる。 いるというかくっついているというか右側に佇んでいる。 その子は…
不安 理由のない 漠然とした 不安 お腹がざわざわする うなじから胸 右の脇腹に沿って 内側…
深い森がいる 私の奥深くに 緑は濃く ところどころ渦を巻き 黒みを帯びた不可視の境界 森には女が彷徨っていて 近づくものは捉え 食べてしまうと人はいう 心に闇を持つ女 業が深く それ故 信じられないほどの闇に侵されている女だと 否 森に潜むものたちは ただ見えなくなりたいもの 漆黒のような濃い緑は 隠し隠れていたいという ささやかな願いを叶えるためのもの そこには 豊かな光と命がある でも 不用意に近づくと 食べてしまうよ
あの日 十代だったある5月の日 まばゆいばかりの晴天の下 知らない町の知らない道を 私た…
子どもたちと遊んでいると 穏やかに晴れた空から 砂が降ってきた 砂は はじめは美しく輝いて …
はじめて感じた陽の光は とてもあたたかだった はじめて感じたものが陽の光だったのに どこ…
僕は 水になりたかった 滑らかで 柔らかく 心のままに変わることができるものに あるときは…
紅葉鳥倶楽部 上手なのか下手なのかよくわからない毛筆で「紅葉鳥倶楽部」と書かれた木札がは…
秋桜は自分の名前が気に入らなかった。 私はコスモスなのに秋の桜ってなんですか?と思ってい…
世界との間には 断層がある だ ん そ う 世界の側にあって 与えられることのなくて 目に見えない わたしとの繋がりのない場所 断層を感じるたび 自分が小さく あるはずのものがなく 決して満たされない 感じがする 溢れるのに 埋められることのない 胸の中にある 空洞 外に断層はあるのに わたしの中の空洞にみな吸い込まれていく けってん けっかん けっそん け つ ら く それでも 断層を透かしてみる世界が美しくて 綺麗なものが落ちてくることがあって 受け止