欲しかったもの

 中学一年生のころ、仲良かった友達がそうじゃなくなってしまった。他人、いやそれ以下に戻った。

 あの時は私たち子供だったね。だからしょうがなかったのかな。でも、小学校や幼稚園に出会って今でも仲良くしている子がいるってことはそれは理由にならないのだろう。

 私たちは5人グループでみんな仲良かったはず。でもいつからかな、私が1人になることが多かったの。5人って奇数だから、いつも2-2-1みたいになることが多くて私がいつもひとり。そして、私を入れて3-2にしようとかあるいは全員でっていう風にはならなかった。

 私ってそんな扱いでも平気だと思われたのかな。1人になった時、私がもっと皆と近づこうとしなかったのがいけなかったのかな。私が距離置かれるようなことしたのかな。

 私1人ではわからなくて、でも相談なんてしなくなくて、でも皆に直接聞くなんてできなかった。子供だった私がとった行動は、皆と離れてみたことだった。そうすることで、皆が私の思いに気付いてくれるはず。追いかけてくれるはず。私がいない違和感に気づいてくれるはず。

 だけど現実は違かった。

 もう、そのままだった。追いかけてくれるなんてなかった。それどころか、むしろ私がいた時よりも楽しそう。

 あわてて皆を追いかけた。でももう、遅かった。今更私が皆に混ざろうとしても、私はもう既に皆にとって余所者だった。一気にぞんざいに扱われた。

 過去のことをたくさん書いてしまったが、あの時のことを考えて思うこと。

大切にされたかった。それが欲しかっただけ。
あの時の傷は今でも残ってる。
何年経っても残る傷をつけたあの時の皆は仲良くならなくても良かった人だった。

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