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ウォールストリートと中国の蜜月関係を徹底解説

製造業において、トランプ政権下で米中関係は冷え込んだが、そのトランプ政権下でも中国との蜜月が続いていた業界がある。それがウォールストリートだ。

フィナンシャル・タイムズ紙によると、「地政学的な対立にもかかわらず、北京とウォール街は絆を深める」という見出しで、「ブラックロック、シティグループ、JPM チェースを含むウォール街のグループは、ここ数ヶ月の間に中国での事業拡大の承認をそれぞれ与えられている」と報じた


またウォール・ストリート・ジャーナルの記事は、「中国には米国に残された強力な友人が一人いる。ウォールストリートだ」と題した記事を掲載、「中国の指導者たちは、困難な時期には何度も何度もウォールストリートに助けを求めてきた」と指摘した。この WSJ の記事は特に、中国と資産運用会社大手のブラックロックとの間の結びつきが強まっていることを強調している。

また、マイケル・ブルームバーグ氏の中国との結びつきも非常に緊密なものだ。同氏が所有する金融通信会社Bloomberg通信は、ジャーナリストを多数抱え、同社の金融端末を介して中国を含めて世界中にニュースを提供する。しかし中国国内の報道については、検閲を受け入れており、政府の批判的な内容はタグがふられており、国内では決して見ることができない。

また近年急速に成長する中国スタートアップに対するリスクマネーの供給にもウォールストリートが一役かっていることが知られている。Silver Lake、Warburg Pincus、およびCarlyle Groupは、2018年に行われたアントファイナンシャル社のPre IPOラウンドで大量の資金を投資しており、同社にそれぞれ少なくとも5億ドルを投資した。米国PEファンドの資金に支えられる中国スタートアップはアントファイナンシャルだけではない。貿易戦争をよそに中国のテック企業の主要な資金源はPEファンドを通して米国の年金基金になっているのが現状だ。コンサルタントのNEPCが行った2018年の調査によると、米国の財団や基金の90%以上が、スタートアップ関連の投資で中国への何らかの投資をおこなっている。実際中国のテック企業は昨年、記録的な資金調達を確保した。ワシントン州やテキサス州などの年金基金から150億ドルの資金をレイズしたSilver Lakeは、アントファイナンシャルのほか、人工知能大手のSenseTimeなど中国のテック企業にも投資している。DJI は、デラウェア州公務員退職制度やミシガン州退職制度を含むベンチャー企業からの出資により、世界最大の商業用ドローンメーカーとなった。TikTokを運営するByteDanceは、ニューヨークとオレゴンの年金基金を介して調達した資金に支えられている。中国テック企業は米国の年金基金によって支えられているのだ。

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