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デジタルメンタルヘルスのマインドストロングがシリーズCで1億ドルの資金調達

メンタルヘルスプラットフォームがシリーズCで1億ドル

カリフォルニア州パロアルトにあるデジタルメンタルヘルスプラットフォームのマインドストロング・ヘルス(Mindstrong Health)がシリーズCで1億ドルの資金調達をした

Mindstrongは今回のラウンドでいままでの総資金調達額の2倍以上の調達に成功したことになる。2017年には、最初の1,400万ドルの調達。その後、2018年6月に1500万ドルのシリーズB資金調達ラウンドを行い、2019年1月には3100万ドルの追加資金を得て、このラウンドより前には同社の総資金調達額は6000万ドル弱になっていた。

同社は2014年に設立されたばかりだが、2017年に元NIMH所長でアメリカの神経科学者・精神科医であるトーマス・インゼル博士がVerilyを退社し、マインドストロングの社長に就任したことで一躍脚光を浴びることになった。インゼル博士は現在もアドバイザリー的な役割で同社に関わっている。

事業内容:スマホの行動を自動でモニタリングし、メンタルの状況を分析

同社は、企業と組んで、その従業員などにメンタルヘルスサービスを提供している。患者は、ビデオメッセージング、ビデオ通話、または電話での会話でメンタルヘルスサービスを利用することができるという。Mindstrongチームは、患者がケアプランや投薬管理を調整するのを支援する。

同社が提供するソリューションのうちユニークなものとしては、デジタルバイオマーカーの追跡機能だろう。これは、患者のスマートフォン上での行動を一定程度の匿名化を行い追跡し、メンタルヘルスの指標として役立てるものだ。Mindstrongは、患者が携帯電話で何をしているか、具体的に見ることはできないが、患者がどのようにタップしたり、スクロールしたり、タイプしたりしているかを勝手にモニタリングしてくれるという。そうした情報をもとにストレス、うつ病、その他のメンタルヘルス要因の指標として活用することができると同社は説明する。

競合などの状況

Mindstrongのようなデジタル・セラピー系の企業は数多く存在し、その多くの調達状況は良好だ。例えば、Talkspaceは昨年5月にシリーズDの資金調達で5000万ドルを調達。Meru HealthはシリーズAの資金調達で810万ドルを調達し、さらにSilverCloudはシリーズCの資金調達で1600万ドルを調達するなど、ここ2ヶ月の間にこの分野は調達ラッシュだった。

Talkspaceなどの競合との違いはいくつかあるが、Mindstrongの独自性は前項で説明したバイオマーカー機能による受動的なデータ収集をもとにメンタルヘルスのソリューションを提供している点だ。この受動的なデータ収集によるメンタルヘルスの研究は、実際にアメリカを中心に研究されている手法だ。

こうした研究でトラックする主な情報は、GPS、加速度計、通話ログ、テキストログなどがあげられる。通常テキストや通話の内容は医師や研究者に見れないが、電話の全体的な使用状況から精神的な幸福度の指標を得ることができる可能性があるという。このデータは、その後、アクティブな調査データと組み合わせて利用する。


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