71日間地球ひとまわり(12)スペイン、雨降りのヨットと迷子の道案内
スペインの北部の小さな町、サンティリャーナ・デル・マル。
中世の街並みが残る小さな町の散策を終えてバスに乗る。
向かったのは、海辺の町サンタンデル。
かつては夏の離宮があった町。
今夜の宿は、この町の小高い丘の上にある。
バスがサンタンデルのバスターミナルに到着。
雨上がりの丘を登り、宿に向かった。宿でチェックインを終えてから、食事を兼ねて町の中心街に向かった。
歩いて15分ぐらいかな。
サンタンデルのカテドラル(大聖堂)の前を通りかかると、扉が開いていた。中に入った。
中に入ると外見以上に重厚な造りである。
中を拝見して、通路の向こう側にある礼拝堂にお邪魔する。
こちらは先ほどの建物よりも天井が高いので、軽やかに感じる。
見学を終えてから小腹がすいたのでカテドラルの前にあるバルに立ち寄る。
ボカディージョ(スペイン風のバケットサンド。ボリュームがある)を食べるつもりが、ショーケースに並ぶタパス(小皿に入った料理)を見ていて気持ちが揺れ動く。
トルティージャ(スペイン風オムレツ、ジャガイモが入ってボリュームあり)とピンチョス(つまみ)を頼む。
寒かったので身体を温めるべく、ワインを注文する。
腹ごしらえを終えたころ、再び降り出した雨もやんでいた。
港の方に向かい、町歩き。
民族衣装を着た方々が、ヨットの上で演奏を終えて記念撮影しているところだった。
私も写真を写させてもらう。
スペインの民族衣装って、フラメンコっぽいものを想像していたので、ちょっと意外に思ったのだが、北部スペインはこのような衣装らしい。
そして演奏が終わると、ヨットの前に列ができていた。
眺めていると、ヨットの船上に上がり見学ができるようだ。
行列の最後尾を探して、ずいぶん端まで歩いた。
最後尾に並んでいる方に尋ねると、
予約不要、無料らしい。
どうりでたくさん並んでいるはずだ。
30分近く待つ。途中雨が降り始めた。
よく天気の変わる日だな。
結局、私の順番がまわってきても雨が降り続く。
傘をさしたまま、船上に移動して見学。
滑らないように足もと要注意だな。
雨が上がった合間を縫って、船主で写真を写してもらった。
まさか、スペインでヨット見学ができるとは思わなかった。
望外の喜びである。
見学を終えてから、宿に戻ろうを坂道を登り始めた。
往路に見たのと似ているようで風景が何となく違う気がした。
15分ぐらい歩き続けると、そろそろ宿にたどり着いてもいい頃なのに宿が見当たらない。
そろそろ日も暮れ始めてきたぞ、内心焦る。
ちょうど人が通りかかったので、地図を見せて尋ねた。
道を間違っているらしい。
ひとまずカテドラルを目指して、それからバスターミナルに向かうと言いと言われた。
その言葉に従い、坂を下りてカテドラルを目指すがたどり着かない。
再び通りすがりの男性に尋ねた。
説明をしてくれていたが、ラチが明かないみたいでバスターミナル近くまで一緒についていってくれることになった。
10分ぐらい歩いてから、トンネルの前で立ち止まった。
「このトンネルを抜けるとバスターミナルがある。気を付けるんだよ」
と告げてきた。
お礼を言って別れを告げた。
とはいうものの、
「本当にトンネルの向こうにバスターミナルあるのかな?」
半信半疑でトンネルを抜けた。
そして左側を見ると、バスターミナルが目に留まった。
ほっとしてバスターミナルの裏にある階段を登り、最初に通った道を通り宿にたどり着いた。
よかった、親切な人に出会えて。
宿に着くころに、再び小腹がすいた。
時計を見ると宿の近くの閉店まで残り10分。
急ぎスーパーに向かった。
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