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ベトナム、国営百貨店でアオザイをオーダメイド

もうずいぶんと前の話。
ベトナム南部の都市、ホーチミン。
当時のホーチミンは、今よりもずっとあか抜けていなかった。
社会主義の名残りが町の中に残っていた。

当時は国営百貨店だった建物が町の中心にあった。
その中をぶらぶらとしていた。

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注意:この頃にはTaxPlazaと名前を変えてショッピングセンターになっていた。
特に買いたいものもなく、冷やかすだけだった。
ショッピングセンターの一角に洋服の生地を扱う店があった。
覗いてい見るとアオザイを作っているらしい。
既製品のアオザイも何点か売っていた。

私はベトナム人の平均体型から外れている。
既成品のアオザイは買っても着ることができない。

そこで身振り手振りで尋ねると(英語はほぼ通じないので)、
オーダーメイドで作ってくれるそうな。
期間は10日ぐらい。値段は15ドル程度。

店頭の並ぶ20種類ぐらいの生地の中から生地を選ぶ。
鮮やかな色に抵抗があった。
並んでいた生地の半分以上が、朱赤とか緑とか紫とかチャイナドレスにありそうな色。
見本に並んでいた既製品のアオザイの刺繡が、中国料理屋にあるタペストリーっぽい。

「これは、気に入った生地がないかも」
と思いつつ生地を見ていると、クリーム色の生地を見つけた。
色合いも柔らかく、何よも刺繍がコテコテでなく、シンプル。

「これなら日本に帰っても着ることが出来そうだな」
この記事を選んでオーダーメイドで作成を依頼する。

すると店の人は、メジャーを取り出し、
首回り、肩幅、手の長さ、バスト、ウエスト、ヒップ、足の長さ等細かく採寸し、数値をメモに書き留めて行った。

採寸が終わり支払いを済ませると引換証が渡された。
仕上がり予定日を確認し、店を後にした。

仕上がり予定日になったので、国営デパートに向かった。
「どんな出来だろうか」
ドキドキしていた。

店で引換証を渡すと、店員さんは仕上がったアオザイを出してきた。
「着てもいいか?」
と確認し、店の片隅で着替える。

サイズはぴったり、縫製も問題なし。
着てみても、びっくりするような刺繍やデザインではない。

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それから何年か過ぎて、別の友人の結婚式にアオザイを着ようと思った。
「なんか以前と体型変わったな、サイズが怪しいかも」
と思ってきてみると、間違いなかった。

ベトナムの人がアオザイが合うように、とサイズを意識するのがよくわかったな。
さすがにこのアオザイ、今は年齢的にもサイズ的にも厳しいかな(苦笑)。

※注意:TOPの画像はGoogle Mapsより引用。

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