続:配信時のマイク選びについて

以前マイクの種類について解説しましたが今回はもう少し深く掘り下げてお話したいと思います。


配信でマイクについて色々お話しましたが今回は補足として文章にまとめてみました

前情報として我が家の配信住環境

我が家の配信環境は6畳の一室というごくごく普通な部屋ではありますが配信には決して適した環境とは言い難いです。というのも住まいが繁華街ということもあり、、、

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・室外からの車の音
道路に面してるため常に通行が余儀なくされているだけでなく不定期に通る救急車や隣接する建物から来る室外機の音
・室内での生活音
配信時は部屋は閉め切った状態ではあるが家庭内の生活音や廊下、階段から来る足音など
・細かいファンノイズ
PCやエアコンから来るもの、エアコンは切りたいところだけど閉め切ると酸欠になりそうなのでONにしてます

このような環境下の中配信しております。
(改めて絶望的に音の入る環境下で配信してるんだなぁと実感・・・)
それでも今のところ最低限の音質を担保した状態で配信出来てるので参考にして頂ければ幸いです

マイク選びは住環境に適したものを選ぼう

マイクは大きく分けて3つ、コンデンサーマイク、ダイナミックマイク、ショットガンマイクに分かれるのですがどのマイクを選べば良いの?と最初は考えると思います。特にマイクも安いものではないのでとにかく高いマイクを買えば解決できる問題ではなく配信する環境に依存するのでまずは環境を見つめなおすところからスタートだと考えられます。
特に重視すべきは

・住環境において周囲の音が無いか(隣接する部屋からの音、家の外の音)
・ファンノイズは無いか(エアコン、PCなどのファン音)
・振動は無いか(床や机からの振動音)
・反響音は無いか(部屋の大きさ)

これらの要素が非常に重要になります。先ほどの図を見ても一般家庭での配信環境ですべての要素をクリアーするのはなかなかハードルが高く、尚且つ今これを書いてる7月末においては今後セミの音などの影響もあるのでそれらも考慮する必要もあるかと思います。

コンデンサーマイクを選ぶ場合

コンデンサーマイクは一般的に音圧のレベルも高い事から選ばれる事が多
いです。
そのため距離を離して扱う事もできるので手元の邪魔にはならないのがメリットですが一方で取り扱いも難しく、湿度管理も必要という側面があります。特に注意すべきは周りの環境にかなり依存するのでほんの少しのファンノイズや周囲の音を拾いがちなのであまり距離離してゲインを上げてしまうと余計な音を配信してしまうことになります。
コンデンサーマイクを使う場合は静かな部屋で尚且つ周りの影響も無い環境であれば最大限の効果を発揮することができます。

ダイナミックマイクを選ぶ場合

ダイナミックマイクは音圧のレベルはコンデンサーマイクよりも低く、基本的にはマイクと口元の距離を可能な限り近づける事が必須となります。
しかしながら集音される距離がマイクの周辺なので多少周りが騒がしい状況でも声だけ特化して録る事が出来るのがメリットです。私の住環境は様々な音が入ってくる関係上ダイナミックマイクを使用してます。

ショットガンマイクを選ぶ場合

ショットガンマイクは鋭指向性なので直線的に集音できます。音の録れるレベルでいうとコンデンサー並み、そして集音される範囲はダイナミック並み(側面、背面からの音の影響は無い)なので良いとこ取りではあるのですが、喋る向きが完全に固定されてるのであればベストかもしれませんが、喋る方向が変われば完全に録音されない事もあります。ゲーム配信の際、小窓で自分を映し常に画面を見てるのであればかなり有効的です
※ただしかなり高価です

ヘッドセットを選ぶ場合

とにかく迷ったらヘッドセットが一番楽なのでは?と最近思います。
特に頭や体を動かしてもマイクと口元の距離は変わらないところがメリットであり音の録れる範囲も良いとされております。しかしながら昨今のテレワークでも長時間の装着による頭痛など別の弊害があるため機種の合う合わないが左右されます。ヘッドセットは口元にマイクが来ますが時々ブレスの”ボフッ”という音が入りやすいのでマイクは口元よりも鼻のあたりに持ってきた方が良いです


マイクと口元の距離はどのようにすべきか?

これは全てのマイクに言えるのですがマイクと口元の距離は近い事が望ましのは言うまでもありません。コンデンサーマイクにおいては距離を離し過ぎてゲインを上げてしまうと余計なノイズも拾ってしまうので感度が高いマイクであればオーディオインターフェース側のゲインを下げ、マイクを口元に近づけて喋るのが最も良い使い方とされます。
※感度が高いが故に入ってくる環境ノイズなどはプラグインを使えば消すことは可能ですが音質は劣化する事も留意ください

配信における顔出しの可否に伴うマイク選定

ゲーム配信、雑談配信、モノづくり配信など様々な配信があり顔を出す方、出さない方、pupet、Live2Dで表示する方など多くのパターンがありますが顔出しをしなければしないほどマイクの選定は楽になります。
※逆をいうと顔出さないとより一層音質を求められるケースもあります

顔を出してしまうと映像上のどの場所にマイクを配置するか考える必要があります。特に顔にかぶってしまうなどといった状況を避けるためにカメラや照明の位置も同時に考える必要があるのでハードルはやや高くなると考えられます
(個人的に勉強になる事が多いので楽しいです)

オススメのマイクというのは時に危険

これは自戒も込めてですが前述に書いた高いマイクが良いマイクではないという点です。マイク選びは環境と声質に依存する部分が非常に大きいので自分が良いとするマイクが必ずしも相手が良いとは限らないと言えます。
最近だとよく言われるのは「ダイナミックマイクの定番はShureのSM58」と至る所で言われているのですが、個人的にはそれは懐疑的な部分を感じてます。これはSM58の音の抜けと自分自身の声質が合わなかった・・という根本的な部分に直面した一つの例も挙げておきたいと思います

SM58とE935を比較しておりますので合わせて聞いて頂けると幸いです。

音質のゴールをどこに設定するか?

これは非常に重要なのでまずはゴールを設定すべきです。特に機材に投資できるお金も限度があるので一番は価格帯との相談にはなるかと思います。
また自分がどのような音質を求めているか?というゴールも重要になるのでまずは録音、配信を行い自分の求めるクオリティーを見つけるところがスタートになります。最初から完璧な音質を求めるのはなかなか難しいので
まずは配信で喋って適正な出力を出すことができコミュニケーションがとることができるところをゴールとして、その後にクオリティーを出すのが望ましいです。

機材だけでない部分も改善しましょう

極端に言えば機材はある意味お金を投資すれば改善できる部分ではあります。しかしながら配信や動画においては機材だけでは乗り越えられない壁があるということをこれから話をしていきたいと思います。

声質を変えるよりも声にあった喋り方の改善を!

配信を始めた、動画を撮影し始めた方で必ず最初に訪れる壁が自分の声を受け入れるという点です。自分の声が聞きなれないうちは

「うわ・・・なんだこの声・・・きも・・・」

と思う事が多いかと思いますが、これは捻じ曲げようのない事実なのでこればかりは回数をこなして慣れることが必要です。
また声は物理的に変える事ができないので話し方を改善することで相手への印象は急激によくなります
※もっとも良いとされるのはアーカイブを自分で確認して自分で楽しめるくらいのものになればベストです。自分の声が嫌でアーカイブを聞かないのは自分の改善点を見つけにくいので繰り返し続ける事が大事です

・喋り方を普段の0.8倍くらいゆっくり喋る
配信においては普段の会話のテンポよりもゆっくり喋るほうが望ましいです。
特に早口になる場合もありますが視聴者は言葉を待ってくれるので慌てて喋る必要はありません。気持ちをリラックスさせてゆったりめで喋ることを意識しましょう

・お腹から声を出すようにする
ゆっくり喋るが声はお腹から出し、壁を抜く意識で話すほうが良いです。
特にボソボソ喋りは自分も相手も聞いてて辛いのでハキハキと喋るようにしましょう。また口内で喋るのではなく口を動かす事を意識して喋ることは見てる視聴者さんに与える印象は大きなものだと考えてます

・喋りの間を開ける
会話が弾むとどうしても喋りが続く事があります。これは私自身も注意してるのですが、配信においてはコミュニケーションの場なのでコメントを見て反応するというある意味特殊スキルが求められます。一方通行では絶対コミュニケーションは成立しないので、配信中は特に落ち着いて視聴者さんとコミュニケーションをとることを意識しなければならないですが、会話と会話の間を上手く作ることが視聴者さんと長くお話をできるコツだと考えてます

・上記を意識しつつ常にしゃべり続ける努力をする
私自身常に行ってるのが視聴者がいなくても常にしゃべり続ける努力をするということです。これはラジオを意識した喋り方になるのですが、ラジオでは一般的にある一定の秒数無音が続くと放送事故とされることが多いです


何らかの声や音が無いと視聴者は不安になります。最初は無観客でも喋り続けて鍛錬することで会話のかき回し方といったオーガナイズ力を鍛えることができます。これは実世界、特に仕事の場でも役立つ会話術なので是非続けてください

ゲーム配信における最適な音量レベル

様々な配信を視聴することが多くなりました。
・・が一方で声とゲーム音のバランスが噛み合ってないケースも多々あります。特にゲーム音が大きすぎる or 声が小さすぎて聞こえないという事も多く面白そうな配信であっても閉じてしまうという事も少なくはないです。
こうなってしまうとせっかく配信をしてても視聴者の定着に繋がる事が難しく勿体ないと思う事も多々あります。
特に配信時の設定(OBSのボリュームレベル等)をメモして配信後にアーカイブで確認をするのは必ずやっておいた方が良いです。ゲームによってはそもそも音が大きすぎるなど、ゲーム固有でボリュームバランスがバラバラなので常に確認が重要です。
では確認をどうすれば良いか?という点についてはモバイルのデバイス(iphone等)で確認するのが一般的に良いとされています。
私の場合は声は-5db~-10db、ゲーム音やBGMは-25db~-35dbの範囲になるようにOBSで設定してます。これも一つの参考にして頂ければ幸いです

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まとめ

最近の配信は配信の内容だけでなく配信者のパーソナリティーの部分も非常に重要視されるようになってます。特に無言配信などはほぼ視聴数を得られないのでより一層視聴者とのコミュニケーションが重要(このコミュニケーションが面白いので続けていきたいという欲求が高まります)なので画質よりも音質を拘るというのは必然とも言えます。(もちろん音質だけでカバーできない部分については文字情報で意思疎通を図る事もできます)
配信の改善は自らイテレーションをすることで視聴者に分かりやすい且つコミュニケーションを上手く取る事ができます。
前半は機材の話を多めに行いましたが後半は配信におけるメソッドの部分のお話をさせていただきました。

それではまた次回!素晴らしい配信ライフを!!!

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