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2021MA3/7梅芸マチネ

3/7梅芸マチネを見て感じたこと。この日のキャストはこちらです。

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この日に感じたテーマがマルグリットなので、オルレアンとエベールにはほぼ言及していません。

一言だけ言うと、この日の上原川口ペアは、悪代官と越後屋コンビ。悪代官(オルレアン)の顔色を窺いながらうまーく取り入ろうとしている悪徳商人(エベール)という印象です。悪代官もビジネスパートナーとしてこいつ使えるな、と思っている感じ。

以下はマルグリットの話です。この日に実際に見たのはソニグリットのほうですが、マルグリット全般のことにも言及しています。

マルグリットは何を思うのか。

わたしはマルグリットが好きです。なので、MAという作品を見るときに、どうしてもほかのキャストよりもマルグリットの心情を追って見てしまいます。

物語後半のマルグリットの気持ちを考えました。その日のツイートがこちらです。

わたしは、1幕のアンリと2幕の衛兵(ともに荒田至法さん)は同一人物であり、フェルセンが買収した衛兵のひとりはアンリだと解釈しています(同じ髪型なので)。そして、アンリはマルグリットの味方だったのではないかと。そうすると、裁判のシーンでエベールを捕らえる衛兵もアンリであることと繋がる気がしています(余談です)。

追記:荒田さんご本人がこちらのインスタに「アンリ(革命兵)」と記載しておられましたので、同一人物という解釈で間違いなさそうです。


フェルセンとマルグリットの間には、少なくともランバル夫人が殺された後、街で出逢ってマリーとマルグリットの関係とマリーの手紙の内容をを共有した時点から互いに対する共犯関係と言える情がある。だからこそ、マルグリットはフェルセンをマリーと会わせる手引きをした。

フェルセンはもちろんマリーを連れ出す算段でいたけれど、マルグリットに伝えていたのは「マリーと5分だけ会わせてくれ」ということだけだったと思います。それは、マルグリットを自分の計画に巻き込みたくなかったから。でも、きっと賢いマルグリットはフェルセンの算段に気づいていた。

5分間だけ会わせることは、マルグリットも承知している計画通りです。

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この、ドアの外で待っているマルグリットが何を思っていたのか。2018MAのDVDを見たときは、このように感じていました。

昆グリットは、自分のフェルセンへの想いが叶わないことを知って絶望しているように見えたし、「早く行って!」も、フェルセンを追い払うように感じました。逆に、ソニグリットは叶わぬ二人の恋に同情して泣いているように見えました。

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でも、2021MAではもう少し強いマルグリットの意思が見えた気がします。

恋に泣いているだけではなく、自分の立場も踏まえてどうすべきかを考えているように感じました。もしもフェルセンがマリーを連れて出て来たら、自分はそれを止められない。止めなければいけない立場だとはわかっているけれども、それを止めることはできない。止めない。という決意をもってドアの外にいたような気がします。

2021MAでは、特にソニグリットは、昆グリットよりもより強い情をフェルセンに対して持っているように感じます。なにがあろうと、フェルセンのことは逃がす。そして、マリーが一緒であろうとなかろうと、残された子どもたちのことだけはオルレアンやエベールから守る。そんな決意を固めて涙をぬぐったのではないかと。

マルグリットの気持ちとしては、両方だったと思います。その時によって、どちらの気持ちが強く出るか。

フェルセンを追い出してドアを閉めた一瞬、マルグリットはマリーを見つめます。ここでマルグリットは自分の立場への決意を固めるように思います。

花マリーは、ここでマルグリットと目を合わせることはないですね。マルグリットを見るのは笹マリーだけで。花マリーはフェルセンと別れたショックのほうが大きくて、マルグリットには関心を示さないので。

ちなみに、2018と大きく変わったのは昆グリちゃんだと思っています。それも、オーブ初日とオーブ楽でも変化があり、梅芸ではさらに変化した。

2018の時は、先ほども書いたようにフェルセンに対する叶わぬ恋に泣いているように感じた。ただ、2021は、もっと冷静にフェルセンに接して大局を見ている。それが後半の日程になるに従って、どんどん強くなっていったように感じていました。目覚ましくマルグリットが大人になっていったなという感じがします。

ソニグリットが純粋な情のマルグリットだとすれば、昆グリットは大人な理性のマルグリット。

もちろん、芝居は変化するものなので、その日によって変わって来るし、解釈はひとつではありません。

ただ、裁判のシーンから処刑場のシーンにかけてのマルグリットを見ると、「もしも鍛冶屋なら」で感じた父親としてのルイの想い~「明日は幸せ」で呼び覚まされた父親の思い出~フェルセンから聞かされたマリーと自分の父親の関係という「親」に対する感情がひとつひとつ繋がって、マレ地区で助けてもらったフェルセンへの借りを返すという建前があったとしても、マルグリットがマリー(の運命)に積極的に関与したこのドアの外のシーンがひとつのポイントになる気がします。

フェルセンが去った後、オルレアンとエベール、衛兵が乗り込んできてシャルルを連れて行きますが、ここでマルグリットが完全に子どもたちを守るモードになる。

この時のマルグリットにとって、テレーズとシャルルは自分の身内であり、守るべき立場の人間である。そして子どもは親と一緒にいるべきである。フェルセンもいなくなった今、マリーと子どもたちを守れるのは自分だけである。

そう決意したからこその、「私が監視する」「母親のそばに」という言葉と行動だったのだと思います。

オルレアンやエベールの言動が正義として正しいのか、少しずつ疑問は抱いていたとしても、これだけ明確に二人に敵対する行動をマルグリットが取るのはこの時が初めてです。「ドアの外の5分間」がマルグリットのターニングポイントだと思う理由です。

シャルルが連れ去られ、ドアが閉まったあと、雫テレーズは母に抱きつきながらマルグリットのほうを見るんですよね(オーブでも見ています)。

マルグリットは茫然とドアのほうを見ているので、テレーズの視線には気づきません。このあと、テレーズはラストまで出てこないので、彼女がマルグリットにどんな感情を抱いたのかはわかりません。ただ、テレーズにも、マルグリットに対する感情の変化が生まれたことを、雫テレーズは示していたと思います。

マリー亡きあと、マルグリットはテレーズとシャルルのために奔走したであろうし、そこにはフェルセンの協力もあったかも知れません。シャルルを助けることはできなかったけれど、マリーとルイを偲びながらテレーズとは一緒に過ごしたのかも知れない。

もちろん、マルグリットの存在は史実ではないので、この物語の後日談としての想像です。


……というようなことを書きましたが、この翌日、マルグリットに対して全く違った感情を抱くことになります。

3/8梅芸MAマチソワ↓


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