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読書記録2021④

2021/10/11
表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬/若林正恭

読書熱の高まりから、怒涛の読み終わりラッシュ。

やはり若林さんだなという切り口からの旅行記。
私も上京して3年目。良くも悪くも東京というものを知ったこの時期にこの本を読めて良かったと思う。
何不自由なく生活できることや、選択に自由があること。当たり前が本当に当たり前なのか。当たり前だったとして、それは本当に幸せなことなのか。
いくら考えたって答えのない問いは沢山ある。一つ一つの答えが正解と不正解の両側面の顔を持つ。どれも正解じゃないし、だからといって不正解でもない。じゃあ正しさとは何?
自分が一生で行かないであろう可能性が99.999%の異国の地での旅行記。若林さんの言葉で、視点で綴られるからこそ、スッと入ってくるものがあった。
旅行記なのに最後にお父さんの話。なのに、ではなく、だからこそ、か。2ヶ月前に祖父を亡くしたということもあり、重ねてしまって涙が溢れた。
キューバに行って感じた「なぜ東京にいるのか?」という若林さんの問い。私はこの問いに答えられる自信がない。なんで私は今、東京にいる?
理由をうまく答えられなくても、最低あと1年半くらいは東京にいなくてはならないのだから、それなりの理由とそれなりの目的を胸に、精一杯生きていかなきゃと思う。

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