過度なダイエットが生んだもの②

実家暮らしだった私は、ダイエットをしていることを家族に知られたくはなかった。

夕食はみんなで食べるのに、自分はどうしようと考えた結果、
「私が晩御飯作るよ!」
と言うことにした。

共働きの親からするとうちは助かることだったようで、大学2年次には毎日のように作った。

大変と言う気持ちはなかった。
別に体型を見せびらかす予定もなかった。
でもこの時は痩せていることが私の唯一の長所だった。
これしかないとまで思っていた。
太れば価値はない。そんなはずないのに。

夕食を毎日作る。親の帰りは遅い。
大皿だとどのくらい食べたか分からなくなるので自分の分は取り分けて、親が帰ってくる前に食べる。
これは私にとって好都合だった。

のちに思う。「家族みんな太ればいいのに。」
そこから私のご飯を取り分けた後、家族のご飯に小細工をする。
サラダにはあえて多めにマヨネーズを、白ごはんはぎゅうぎゅうにお茶碗によそい、家族に出す。

何度か量は文句を言われたものの、家族に摂食障害を疑われたことはなかった。
というか、私自身も自覚がこの時はなかったのだ。

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