立ち向かえ

ふいに泣きたくなる気持ちを抑えながら日々生きていて、すべてに怯えながら日々生きていて、絶対的に安心できる場所がどこにもない。自分の心さえ不安定で、でもきっと誰とも関わりなく生きていくことができるのなら、それは自分の心の安定につながるのだと思う。そうやって生きてきたから。

あの頃が恋しい。ベッドの上。一人で本を読み、絵を描き、考え事をする。生きている人間との接点はどこにもない。そうやって一人で生きることが自分にとって最大の防御だった。周りは怖いから。人の気持ちは怖いから。自分を守るために一人でいた。

そのままそうやって生きられたら、きっと今よりも苦しむことなく日々を過ごせていたのだろう。多分、それもそれでしあわせだと思う。決して不幸ではない。今の私はある意味、不幸で、しあわせだとは言いがたい。人が怖い。生きることが怖い。外の世界が怖い。自分の中にまた閉じこもりたい。そんな自分の気持ちに気がついてしまったのだ。

私は誰よりも臆病だった。小さい頃から。母親のそばを離れず、人と会う時は一人では到底無理だった。もしかしたら、私は前世で誰かに殺されたのかもしれない。だから「人が怖い」と。そのレベルなのだ。殺されるほどの恐怖。それに私は今、立ち向かっている最中で、なかなか苦しんでいる。本能が「怖い!」と叫んでいても、それを押し殺して前に進まないといけない。

人は怖いけど、自ら近づいていかないといけない。怖い。殺されるかもしれない。怖すぎる。「こんなの無理だ!」と逃げ出したい。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだとわかっている。逃げないために今こうして、文章を書いている。逃げるんじゃないぞ、自分。怖くても、殺されかけても、立ち向かえ。一人でいることに甘えるな。死ぬならやってから死ね。頑張れ、自分。

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