補導された兄への父の第一声


私がまだ小学生の頃
年が離れた兄が警察のお世話になった
と連絡がありました。

その時は「え〜!」みたいな感じでしたが

のちにこんな話を母から聞いて
とってもいいなぁと思った話を
今日は書こうと思っています。


少し前にあげたこの私の息子に対する対応も
この出来事が元になっているといっても過言ではありません。





数十年前のある日、
兄が、自宅から かなり遠い町の警察に
補導されたと連絡があり、
両親はその警察に出向きました。


その時の話を いつか母がしてくれたのですが
それがまぁすごいなぁと。


何で補導されたのかは
ちょっと定かではないのですが
未成年ですから、何かしたんでしょう。


母は警察署に向かう車の中で、
父が終始無言だったこともあり、
きっと殴ってしまうんじゃないか
怒鳴ってしまうのではないかと内心ヒヤヒヤしたと言います。

 

全ての手続きが終わり、両親と兄が
車に戻ってきたときに第一声、
父が大きく息を吸ったそうで
母は「あぁ殴ってしまう、どうしよう!」
と焦ったら



父が
「お前さ、○○警察署は遠すぎだよ!

家から1時間かかったよ、車で!  遠過ぎ。
補導されるなら
△△警察署(地元の警察署。自宅から15分くらい)じゃないと

これは運転する方としても
迎えに行く方も大変だわ!

次捕まるなら、△△にしろよ?いいな?

近場でこしたことはないから、
捕まるなら次はこっち(地元)で頼むわ!」

そういったそうです。
補導された兄ももちろん怒鳴られる、
怒られると思っていたのでしょう。
兄と母は思わず目が合ってしまったといっていました。

父はそれだけ笑いながら言って
あとは何も聞かず、問わずだったそうです。




これってすごいなぁって思ったんです。


補導されるってよっぽどの
悪いことじゃなきゃされないし(笑)


ましてや未成年ですから 
責任は親にある世代はわけです。


だけど あえて論点を外した怒り方というか
共感もしてない 
だけど本人に響く諭し方というか。

これってなかなか出来ないことだなぁって思いました。



母の話によると 兄が補導されたのは後にも先にも
この1度きりだったそうです。


寡黙で根っからの経営者脳の持ち主で
不器用な父だけど

私もアラフォーとなり、親になってみると
尊敬する部分がたくさんある 
自慢の父であります。


『子ども』としての目線での父と

『親』になってからの目線の父。


当時は意味不明だ、頑固親父!だなんて
思っていたけど

時を経て
立場が変わると見え方も変わるもの。


やっぱり父は私にとっては偉大です。

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