生き方｜やわらかく、尖る。

自分は人より優れている。

なんて、人間って生きものはどうして考えてしまうんだろう。

そう信じないと、自分が未熟で恥ずかしくって、生きてられなくなるのかなぁ。本能的な防御機能だったりして。

優劣に価値を見出してるから、そういう考え方になっちゃうんだろうか。優れてる。優れてない。それってなに基準？だれ基準？どこ基準？

人にはみんな価値があるのに。

そもそも、人を「価値」という物差しで測るのも、あんまり美しいとは思えない。

価値なんて言葉、どうして人間にまで当てはめるようになったんだろう。資本主義に心まで食われちゃったみたいだ。

価値の値って「値」なんだよ。値で示されるなんて、味気なくって無味乾燥。

目を閉じてみると浮かぶ風景。この町の、いろんなところに暮らす人たち。あのマンション、あの公園、あの道を通って、あのスーパー。

人の「からだ」を透かして見ると、心の真ん中のところが、蛍みたいに光ってる。

凄いことなんてなんにも言えなくっても、命の連なりこそが素晴らしい。

こんなことに気づくのに、三十年もかかってしまった。ああ恥ずかしい、恥ずかしい。

恥ずかしいのかな？

名言は偉い人たちにおまかせして、私は私で、くだらない生活の中に美しさを見出していきたい。

やわらかく、尖る。