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おりものの量が多い…色やニオイは変わる!?これって病気なの?

■「おりもの」ってどんなもの?基本的な知識を覚えておこう!


思春期を迎え、女性ホルモンの分泌が盛んになると「おりもの」が現れはじめます。
おりものは医学的には「帯下(たいげ、こしけ)」と呼ばれ、子宮頚部(子宮の入り口)やバルトリン腺と呼ばれる器官から分泌される粘液膣の垢などが混ざり合ったものです。

おりもの下着汚れニオイかぶれなどの原因になることも多く、女性にとって煩わしいものでもあります。

しかし、おりもの女性の身体を守るための大切な働きを担うもの。

また、おりもの女性の健康バロメーターとも言われるように、量・色・ニオイの変化が体調不良のサインであることも…。

おりものはほとんど毎日のように見るものですが、実際の働きや注意点を良く知らない方は多いはず。そこで今回は、おりものの基本的な知識について詳しく解説します。

■「おりもの」の正体~どんな働きがあるの?

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おりもの外陰部から排出される粘性のある液体のこと。主に子宮の入り口である子宮頚部と膣の入り口近くにあるバルトリン腺から分泌されています。
まず、おりものにはどんな働きはあるのか詳しく見てみましょう。

膣内を清潔にする
女性の外陰部蒸れやすく、汗や拭き残した排泄物などが溜まるため不衛生になりやすい部位です。おりものは、そんな不潔になりやすい外陰部清潔に保つ働きがあります。

おりもの
には、デーデルライン桿菌(かんきん)と呼ばれる乳酸菌の一種が多く含まれています。デーデルライン桿菌は、大腸菌やカンジダなど外陰部にダメージを与える細菌カビ増殖を防ぐ作用がある「善玉菌」

おりもの
が満たされた膣内は清潔な状態にキープされるのです。

その結果、膣と繋がる子宮、卵巣、卵管など女性にとって大切な器官に細菌カビが侵入するのを阻止することで女性の身体を守ってくれています。
・精子をサポートして妊娠を促す
妊娠の始まりは、卵子精子が出会って受精すること。セックスによって膣内に放出された精子は子宮頚部から子宮、そして卵子が待つ卵管膨大部へ泳いで移動していきます。
おりものは、精子を包み込むようにガードして子宮内へ侵入するのをサポートする役割があるとされています。おりものの量は排卵の時期になると増えていくものですが、分泌不足は不妊の原因になることも少なくありません。
・セックスの潤滑液として…
セックスでは膣と陰茎の粘膜が擦り合い、お互いにダメージが加わり合います。特に女性の膣粘膜は非常にデリケート。ちょっとした刺激が加わるだけで痛みを感じることも少なくありません。おりものは、膣内に潤いをキープすることでセックスでの摩擦によるダメージを軽減する働きもあります。

■「おりもの」の性質はどのように変化する?

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おりものは、女性の身体を守る重要な役目を果たすものです。また、おりもの量・色・ニオイは女性の健康状態を表す指標でもあり、それらの変化が思わぬ病気の発見につながることもあります。
では、おりものの性質の変化と注意点について見てみましょう。

・おりものは生理周期によって変わる!
上述したように、おりものの変化は何らかの病気によって引き起こされることがあります。とはいうものの、健康な方でも常に同じ量や色おりものが出ているわけではありません。おりものは、生理周期による女性ホルモンバランスの変動によって変化するものなのです。

おりものは精子が子宮内に侵入するサポートをする役割も果たすため、排卵期前後最も多く分泌されるようになります。また、精子を包み込みやすくするため、やや粘度が高め。指で触るとよく伸びるのが特徴です。

一方、生理が終わってから排卵までの期間は、サラッとして水のようなおりものが少量出る程度。そして、排卵を終えてから次の生理があるまでは徐々に量が減少するものの、粘度が高く白く濁ったようなおりものが見られるようになります。

また、女性ホルモンは初潮を迎えてからどんどん分泌量が増えていくため、おりものの量も学年が上がるごとに増えていくのも特徴です。おりものは健康な方でも生理周期によって量や色が変わりますし、年々増えていくもの。ちょっとした変化があっても過度な心配は必要ありません。

・こんなおりものには要注意!

しかしながら、次のようなおりものが見られるときは性感染症などの病気が原因のこともあります。思い当たる変化があるときは放置せずにできるだけ早く婦人科などを受診するようにしましょう。

【黄色や緑色のおりもの】
健康的なおりもの無色透明~乳白色黄色緑色っぽいおりものが出るときは注意が必要です。
カンジダ、淋菌、トリコモナスなどによる性感染症にかかっている可能性があります。女性は性感染症の症状が出にくいとされていますので、おりものの色は病気に気付くための重要なサイン。見逃さないようにしたいですね
【茶色のおりものがダラダラ続く】
生理後は古くなった出血がおりものと一緒に排出されるため、茶色っぽいおりものが見られることもあります。
しかし、生理前後に関係なく、茶色いおりものがダラダラ出る場合は要注意子宮などでジワジワと出血が起こっている可能性があります。子宮頸がん、子宮体がん、子宮ポリープなどの可能性がありますので、できるだけ早く婦人科を受診しましょう。
【ニオイが強い】
健康的なおりものは、デーデルライン桿菌の影響によって少し酸っぱい臭いがします。ですが、おりもののニオイは個人差が大きいため「このニオイが正しい」というものはありません。とはいうものの、魚が腐ったようなニオイ膿のようなニオイがある場合は、性感染症細菌性膣炎などを発症している可能性があります。
【量が多い】
おりものの色やニオイに変化がなくても、透明でサラサラしたおりもの大量にある場合は性感染症など膣などに炎症を引き起こす病気がある可能性が考えられます。おりものは膣内を清潔にする働きがあるため、細菌が繁殖したり、炎症が生じたりする通常以上の量が分泌されるようになるのです。

・かゆみや外陰部の赤みを伴うときは?
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に目立った変化がなくても、外陰部かゆみ赤みがあるときは要注意性感染症カンジダ膣炎などを発症している可能性もあります。特に我慢できないようなかゆみがあるときはできるだけ早めに婦人科を受診するようにしましょう。

■「おりもの」は女性の健康バロメーター!変化には注意しよう

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かぶれ下着汚れの原因となるおりものは、女性にとって煩わしいもの。しかし、おりもの女性の身体を守る大切な役割も担っている大切なものです。

また、おりもの健康バロメーターともいわれるように、不調があると量・色・ニオイなどが変化します。生殖器に関わる性感染症などの病気は放っておくと不妊の原因になることも…。将来のためにも、上でご紹介したようなおりものの異常があるときはできるだけ早く婦人科で検査・治療を受けるようにしましょう。

また、おりものの性質には個人差があり、病気がなくても分泌量が多い方もいますおりもので下着が汚れて不快…というときはおりものシートを活用しましょう。
おりものニオイは自分ではわかりにくいこともありますが、おりものシートによって異常分かりやすくなることもあります。おりもの違和感があるときはぜひ活用してみて下さい。


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・医師監修:成田亜希子先生
一般内科医として幅広い分野の診療を行っている。
保健所勤務経験もあり、感染症や母子保健などにも精通している。
日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会、日本健康教育学会所属。


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