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『手当たり日記 13』振り返ると滑稽 2023年11月22日

昨日の振り返り。昨日は、「逆スナック」のゲスト店主を仰せつかった。

「逆スナック」とは、東池袋にあるポップアップスペース「ひがいけポンド」発の定期開催スナック。26歳の店主、いとうくんと、なみちゃんのふたりが、逆に、お客さんに悩みを打ち明けるという、企画勝ちなイベントなのだ。9月までは、毎月1度、ひがいけポンド室内での開催だったが、今月は毎週火曜日、池袋東口のグリーン大通りの歩道上でのれんを下ろす。常連や、店主の知り合い、通りがかりのひとが立ち止まり、店主の悩みを聞く。今月は毎週ゲスト店主が登場する。4月ごろに存在を知ってから、ほぼ毎月熱心に話を聞きに行っていた僕も、常連からゲスト店主へと昇格し任せてもらった次第だ。ありがたい。

これまでと比べて、自分の悩みを吐露しやすい社会になってきたと思う。日記の公開からはじまり、音声メディアの民主化というコンテンツの変化、多様化もあるし、近代的な精神論やマチズモの反省や、弱さを肯定する価値観の広がりもあるだろう。それでも、悩みを開示する時はやはり怖かったり、躊躇したりする。

逆スナックに客側(客スナック??)としている時には気づかなかったことがある。モヤモヤ考えている事柄そのものだけでなく、自分が持っている価値観ごと話す、という体験の、怖さを飛び越した面白さ、と言えばよいだろうか。

そもそも僕は、あまり人に相談することがない。自分で考えることが好きだし、自分のことよりも、他人の見てる世界をのぞき見たいと思っている。だから、僕がモヤモヤ思っていることをメインにして話すこと自体も新鮮だった。逆スナックではいつも、店主の悩みを「お品書き」としてひと言で書くのだが、本来悩みがひと言で言い切れることはない。客は自然と深掘りしたくなるのだと思う。僕も、ひと言でまとまりきらないモヤモヤを、いったん仮のかたちで書いた。それは、「褒められた時、お世辞を言われた時、モヤモヤする。」だった。初めて会った人に、話の流れで、僕の髪が癖毛の天然パーマであると伝えた時に、「きれいな パーマだね」と褒められた、という体験をもとにしていた。

大抵、友人とおしゃべりをする場合、双方向の対話で進む。体験したことや、それに対して思った感想などを話す。聞き手は、それに対するリアクションを返す。一方、逆スナックの店主は、自分自身の悩みを(対価を払う価値のある商品として)提供する立場にあり、悩みを説明する責任がある。一方的に質問攻めにされ、どんどん自分で開示していく必要がある。昨日の逆スナックでは、(僕が厄介なもやもやをお品書きにしたからかもしれないが)体験したことと感想を話しただけでは、核心が伝わらなかったため、お客さんの問いかけに応じつつ、価値観の話に至った。

そもそも、「きれいなパーマ」という言い方について。「(天パなのに美容院であてるパーマのような)きれいなパーマだね」という肯定的な評価であるように読めてしまったこと。「きれい」の反対には「汚い」「醜い」という否定的な評価があること。そこから、きれいでいなければ、認められないという無意識のルッキズムを感じてしまったことなどを話した。

書いていて思ったが、こんな犬も喰わないような、面倒臭いモヤモヤによくぞ付き合ってくれたものだ。逆スナックという、ルールメイカーのありがたさを実感する。

結果、僕は、「肯定的であれ、否定的であれ、自分では変えがたい容姿について評価を下されたくないことが多い」、という価値観があぶりだされた(笑)
もちろん、日本ではマイノリティな髪質で、それを10代のころから強く意識させられてきたことも、多分に影響している自覚はある。

悩み相談と聞いた時に、価値観をみんなでよってたかって言語化することは想定していなかっただけに、興味深く、興奮した。40代のお客さん(界隈では有名な方?)も真剣になって、僕の価値観の言語化を手伝っていて、振り返るとどこか滑稽だ。

説明的な日記になってしまった。いや、いつもか。何が面白いのだろうか。賢者モードに入った。今後はくだらないことも書いていこうと思う。

★今日のあだ事まめ事
星野源さんのオールナイトニッポンを朝聞いた
電車で座ったら、泥酔した隣の人の呼気のアルコール濃度が高すぎて酔って具合が悪くなった。こんなことあるんだ。
好きなポッドキャスト番組が更新されているとうれしいよね。
セブンのチキンカレーが美味かった
セブンのひきわり納豆の納豆巻きは、カラクリ式の開封ではなくて、上部に切り込みが入った、破り開け式開封なので、簡単に開けられてうれしかった。

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