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十三人の合議制_04 千葉純胤の時空移動

「北条義時は『江間殿』と別名で呼ばれていたことは把握していましたが、実は改姓して正式に『江間義時』なのですね。なるほど!」

純胤はずいぶんと義時の改姓に関心を示した。常胤が続けて語る。

「他家の事なのでなんとも云えぬが、北条時政殿が牧の方という継室(後妻)と男子を授かった折に義時が配慮して改姓したとかどうとか。それからはずっと江間義時と名乗っておる。まあ他家の話じゃが」

「ありがとうございます!いやぁ後々でひっかかっていたことがあるのですが、解け始めました。その話はまた今度にて」

「それはそうと残り3名。梶原景時、二階堂行政、江間義時ですが」

「梶原景時は皆さまの眼からはどの様に映ってますでしょうか」

師常が頼朝様の周りをちょこちょこ回っていたと答え、胤盛が時折讒言を頼朝様に耳打ちすると答えた。

「あまりいい評判ではないですね。まあそれだけ権力の中枢で頼朝の耳となり諜報していたのでしょう。いろいろ知りつつ握っている方で引き続き頼家ともそのような関係を続けるつもりなんでしょうね。まあ今のところ外せなさそうですね」

「次に二階堂行政ですが。十三人は権力の合議でもあり、政事の合議でもあります。二階堂行政はまさしく『行政』。膨大な政事の実業務を大江広元と共に切り盛りしなければなりません。この方も外せないですね」

「最後に江間義時ですが。ここで再び皆さまへ質問です。僕が十三人の合議が敷かれる話をする前はどのような体制になると思っていましたでしょうか」

常胤が返す。

「それは頼家様の母方である北条家か、頼家様の嫡男一幡様である母方の比企家か、はたまた両家による体制と思うとったわい」

「そこなんです。この十三人の合議は両家が専横しない為でもあり、両家がある程度の均衡が必要でもあるのです。ただ比企家は比企能員だけじゃない。安達盛長と足立遠元もまた比企家の縁者ですので計3名」

「それに対して北条家は北条時政のみ。江間義時は比企家と北条家の均衡を保つために加えたとではと思われますね」

「それを言っちゃうと三浦義澄と和田義盛も三浦一族ですけどね。角突合せ感がしびれてきますね」

「という訳でこれから皆様にもさまざまな勢力からお誘いなど飛び交うかもしれませんがくれぐれもお気をつけてあたる様、、」

純胤はそこまで言った最中、純胤の周りに突如として濃い霞がかかり、ものの数秒で霞ごと、また忽然と消えた。





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