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デジタルキャンプファイヤーを振り返る - App Labリリース編 -

簡単に振り返るつもりが長くなってしましました。今回が3部作の最後の記事です。今回は21年新卒の社員にこのデジタルキャンプファイヤーの開発を任せてリリースするまでを振り返って行こうと思います。

自社アプリ内で創業記念日を祝う

2021年6月14日の3周年の創業記念日は、その時点までで出来上がっていたバージョンのデジタルキャンプファイヤーで行いました。

実際自分たちで使用すると沢山の課題が気になり、他社でデモで使用しても恥ずかしくない品質まで高める必要性を感じました。ではその改修を誰に任せようか?と考えた時、新卒メンバーがいいのではないかと思いました。新卒メンバーには流石にクライアントワークを単独で任せることはできませんが、自社コンテンツの改修であれば、たとえ何かあってもベテランメンバーでカバーできるという判断で、この社内イベントの後に新人研修としてアプリのチューニングを任せてみることにしました。新卒は2人組(エンジニア1人・BizDev1人)の小さなチームで、プロジェクトに取り掛かりました。

大事なのは「失敗する」こと、「最後までやり切る」こと。

ダフトクラフトが大事だと考えていることは2つです。

  1. 失敗すること

  2. 最後までやりきること

というのも、基本的に座学的な新人研修では失敗の回避行動を学びます。リスクマネージメントとしては正しいですが、実際はうまく行かないことばかりです。自分自身が失敗し、失敗を糧に自分で考えた復帰策や回避策は本物ですし、身を持って学び、経験したことは定着しやすいと考えています。そのため、今回の新人研修は事前の座学セッションを設けたりこちらからマネジメントをしたりせず、完全に「ほなやってみなはれ」のスタンスで新卒に開発を任せてみました。

しかし、そうやって任せた結果…。期日を守った開発ができませんでした…。

改修する項目出し・工数算出・スケジュール作成等は自分たちで考えさせて報告させていましたし、作業進捗は週次ミーティングで報告させていました。それでも盛大に遅れました。原因は計画と実行のズレの認識の甘さと、状況のホウレンソウができなかった。と新人によくある典型的な理由です。

「花島さんは、クライアントワークなら毎日のように進捗確認してくるような人なのに、何も言わない努力をしていたことを褒めてあげたい。」とあるメンバーに言われました。

確かに遅れることは分かっているのに放置していました。期日を遅れることを失敗と認識させる必要があったからです。我々ベテランがアシストをすることはもちろん可能ですが、それは誰のためにもなりません。

チームで協働する中では、うまく行ってないことを報告すること・計画通りに進まない原因を客観的に正しく捉えることが重要です。あとは手戻りを少なくするために細かく決裁者の確認をもらうことや、予定していた工数と実際の工数の差分を算出し、進捗を定量化することも必須の行動です。

座学で学んである程度回避はできますが、失敗を自分ごととして認識するためには実際に現場で揉まれることが一番の効力になります。 また、「失敗を重ねながら最後までやり切る」という経験を入社半年のうちにできたという事実は、今後R&D事業やクライアントワークに携わるときにもきっと糧になるだろうと思いました。そのため、今回の経験を基に次から行動を見直してくれればと思い、彼らには強めに指導をしました。

7月末にApp Lab(アプリストア)に提出予定でしたが、1ヶ月の期間延長の仕切り直しを行い、9月3日にApp Labに提出を行いました。

リリース申請までやり切って初めて「自分でアプリ開発をやりました」と言えると考えているので、ストアへの提出物の準備から、申請までのプロセスもすべてやってもらいました。アプリのリリース申請は、私がゲーム開発者だった時代ではディレクターや責任者の役割でしたので、なかなか新人では任されない貴重な体験だと思います。

新人に任せてみて嬉しかったこと

10月初旬に審査が通過していつでもリリースできる段階まで来た時に、ベテラン広報のメンター指導下で、BizDev担当の新卒にプレスリリースを書くミッションが下りました。

少し経ってから、メンター担当者から「結構強めのフィードバックを出してしまったから、花島さんフォローしてあげてくださいねー」とDMが来ました。そして何気ない会話を装い「プレスリリースどない?良い感じになってきてるん?」って尋ねたら…。

「メンターの指摘通りで、誰に向けたプレスリリースか分からなくなっていてまだまだ甘い。しかし、その指摘を元に他社のプレスリリースも研究してみたら、良いもの、悪いものがあることが理解できてきた。自分が書くなら、自分が恥ずかしくないプレスリリースを書きたい。」

という返答が帰ってきました。一端の責任感がこもった発言が聞けたことが、僕は何よりも嬉しかったです。

そして彼女の宣言通り、書き上げたプレスリリースは僕の誕生日である10月27日に発信されました。その後各媒体でピックアップして取り上げていただけたのでしっかり成果をあげられたと思います。

新人研修としてのデジタルキャンプファイヤープロジェクトを振り返ってよかったなと思うことは、オンボーディングにおける組織課題がわかり、マニュアル・ガイドラインの整備につなげられたことです。そして各個人の成長は組織の成長につながるのだと実感できたことも大きな成果でした。

また、2020年春の企画立ち上げから約1年半を振り返って思うことは、世界の価値観が物凄い速度で変わっていく中で、単なる自社アプリを開発してリリースするだけでなく、組織の基礎を固めることができたことがよかったな、ということです。時には立ち止まりながら、前に向かって進んできました。藻掻いている時は何も分からないので、しっかり振り返る事は大切ですね。

以上、合計3部に渡る長文となりましたが、ご拝読ありがとうございました。

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