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手の形はどう使い分ける?

先日、男子新体操で使われる手の形3種類をご紹介しました。
多くの方からの反響をいただき、とても嬉しいです!
選手の中での当たり前は、観客の方々の当たり前ではないということを頭に置きながら、どんなことが記事で紹介できるかを常に考えています…。

さて、本日ですが、その手の形の使い分けについて書いていきたいと思います。
きっと、”どんな時に手をグーにするの?パーにするの?”と思う方はいらっしゃるはず…。
実はちょっとした使い分けがありまして😊

とは言っても、今回に関しては僕のこれまでの経験と、自分の中での考察から発信していることですので、100%正しいとは言い切れないことをご理解いただけたら幸いです。

上挙の手を使うのは

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4本の指を真っ直ぐに伸ばし、親指を中にしまう。
鋭く尖ったように見えるこの手はどんな動きの時に使うのか。

この手の形は、とにかく自分の体を真っ直ぐ長く鋭く見せたい時に使います
例えば、男子新体操の基本姿勢である「上挙」(じょうきょ)・「側挙」(そっきょ)や、基本ステップなどなど。

自分の体を美しく見せるには、手足が長いことに越したことはありません。
その”手の長さ”を作り出すのがこの手の形です。(足の長さを作り出すのは、まっすぐに伸びたつま先です)

動きのイメージでいうと、「スパァーンと切り裂く」ような感じです。

とは言ってもわかりにくいと思いますので、すごく簡単にいうと…。
「グーとパーをしていない時」
です。

この手の形は、基本中の基本ですので、新体操の演技では最も多く使用されます。
なので、違う手の形をしていない時はこの形です!
動いている時はもちろん、タンブリングの助走をする時でさえこの形です。

パーを使うのは

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大きく5本の指を広げるパーを使うのは…。

見たままの通り、大きな動きをする時です。
自分の体を大きく表現したい、存在感を示したい時に使います。

大の字の形でジャンプをしたり、手足を広げて横に大きく自分の体を見せる時などなど。

また、団体競技の際には”人を囲い込む”、”人を押さえつける”など、他人に何か力を加える表現をする演技の時に使われます。

動きのイメージでいうと、「パーンと弾ける・グッと押さえつける」ような感じです。

グーを使うのは

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何かを握るかのように作るグーを使うのは…。

主に、基本徒手を行う時です。
胸後反、斜前屈、上下肢、前屈…。
(むねこうはん、しゃぜんくつ、じょうかし、ぜんくつ)

それには理由があります。
基本徒手においての腕の動きは、「振り子」をイメージして行われているからです。

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小学校の理科の授業で誰もが一度は目にする「振り子」。
糸の先に重りを吊るして揺らすと、振り子はピンと糸を張り続けたまま、自然に揺れ続けます。
決して、重りを無視して糸から勝手に揺れることはありません。

そうです。新体操の基本徒手も全く同じ。
腕が振り子の糸ならば、グーを握った拳は重りです。
腕の先に重りがついているから、肘は曲がることなく真っ直ぐに伸びる。
振り子と同じ原理だから、グーが下に落ちるにつれて速度が上がり、上に上がるにつれて速度は落ちる。

そのような基本徒手運動の自然性を表現しているのがグーの形です。

動きのイメージでいうと、「ブァンっと重たいものを振る」イメージです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
それぞれの手の形の使い方を僕なりに考察してまとめてみました!

それぞれの形に動きのイメージがあるので、新体操選手は”この動きの時はこの手がいいな”というのが意識しなくてもわかります。
たまに、団体の練習で形合わせをしていると、ずれを発見する時はありますが笑

それほど、自分の中での表現したいイメージと手の形が結びついているということです!
奥が深いぃ〜〜〜。

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ではまた次回!

井藤 亘(いとう わたる)
・シルクドゥソレイユアーティスト(Cirque du Soleil)
Twitter:@wataru_cirque
Instagram:@wataru_cirque

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