見出し画像

苦楽を共にした12人

本日は、note×キリンのコラボ企画「また乾杯しよう」へ投稿するためにこの記事を書いてみました。

「また乾杯しよう」

そのテーマを聞いたときに一番に思い浮かんだのは、学生時代の部活仲間でした。
4年間苦しい練習を耐え抜き、全国大会連覇の伝統を共に守り抜いた仲間。
同じ屋根の下で暮らし、同じ釜の飯を食い、時にはぶつかり、時には励まし、数え切れないほど笑いあった仲間。

そんな仲間との思い出を今日は振り返っていきます。

乾杯の思い出

大学2年生になり、全員20歳を迎えた僕らはよくお互いを誘っては一緒にお酒を飲んだ。
お互いの個性が強く、まとまりがいいとは言えない学年だったが、その一方で、集まることが好きな学年だったとも思う。

集まって話すことは大抵同じ。
新体操の話かお互いの愚痴か、くだらない男子トーク。
今日の練習がどうだったとか、朝掃除ちゃんと起きてこいよとか。
お互いに素直に話して、素直に聞けるあの空間が好きだった。

そんな中で、特に印象深い思い出がある。
それは乾杯の音頭だ。

突然だが、「ワイルド・スピード」とい映画をご存知だろうか。
すでに8作も公開されている人気のカーアクション映画だが、映画のラストシーンには、戦い抜いた仲間と食卓を囲んで食前のお祈りをするお決まりのシーンがある。
とある日、そのシーンを真似して「俺たちは仲間じゃない。俺たちは家族だ。家族に乾杯。」と一人の部員がふざけて乾杯の音頭を取ったところ、それが大ウケ。
以来、僕らの中ではそれがお決まりになった。

なんとも学生らしいエピソードである。
正直なところ、これを人に説明することに恥ずかしさすらも感じている…。

でも僕らは本当に家族のようだった。
来る日も来る日も同じ屋根の下で暮らし、お互いの顔をみる。
一緒にいることが楽しいときもあれば、苦痛に感じることももちろんあった。

最初は一人の冗談から始まった乾杯だったが、大学を卒業する頃には、この「家族に乾杯」というセリフが心にジーンとくるのを僕は感じていた。

卒業から1年半

家族のような仲間たちと離れて1年半が経つ。
新体操で日本一を獲るために全国から青森に集まった僕たちは、卒業して再度全国に散り散りになった。

北は北海道から南は九州まで。
ましてや僕は現在アメリカという異国の地にいる。

コロナの影響で仕事が止まり、国をまたぐ移動も難しくなった今、僕はほとんどの時間を一人で過ごしている。
人と直接会って話すことが、週に1回あるかないかといった状況だ。

そんな中で実感させられたのはもちろん、人のありがたみだ。
高校と大学の7年間を寮で過ごした僕にとって、常に周りに友達がいるという環境が当たり前だった。
暇になれば、隣の部屋に行くだけで楽しい時間を過ごせた。
しかし、今となってはすぐ近くに人がいないどころか、直接会うことも簡単には叶わない。

そんな状況になって以来、僕はあまりお酒を飲まなくなった。
きっと、僕はお酒が好きなわけではなかったのだ。

お酒を飲みながら人と話すことが好きだったのだろう。

新体操の話、お互いの愚痴、くだらない男子トーク。
あの空間がたまらなく好きだったのだろう。

世界がこんな状況になってしまった今、また全員で集まることができる日がいつ来るのかは全くわからない。
しかし、その日が来るまで今できることをお互いに最大限頑張ろう。
いつか集まった時のために、報告したくなるようなことををたくさん作ろう。

そして、お決まりのセリフでまた乾杯しよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーー

井藤 亘(いとう わたる)
・シルクドゥソレイユアーティスト(Cirque du Soleil)

【GAM~Global Athlete Meal~】
トップアスリート×料理家
アスリート向けレシピチャンネル
YouTubeチャンネルはこちらから
インスタググラムアカウントはこちらから

YouTube:WATARUN VLOG
Twitter:@wataru_cirque
Instagram:@wataru_cirque
個人HP:男子新体操/井藤 亘Wataru Ito



20年以上続けてきた「男子新体操」というスポーツをより多くの人に知ってもらうため、日々活動をしています!! 頂いたサポートは、今後の活動費、またはその勉強のために使わせていただきます!🙇‍♂️✨ また、サポートとともに記事のリクエストも募集しております。