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【アニメ感想】名探偵コナン 第1127話「ザ・取調室2」

絡み合う糸解きほぐす時、縦横無尽に煌めく推理!
怪しい証言、深まる疑念。真犯人は別にいる?
たった一つの真実見抜く、見た目は子供、頭脳は大人。
その名は、名探偵コナン!

2009年に放送された「ザ・取調室」がまさかのツー。この回、小山力也さんが初めて小五郎を演じた記念すべき回なんです。
今回の脚本はおなじみ扇澤延男さん。浦沢さん回の直後だから、すごお~く安心感を覚えました笑

登場キャラは江戸川コナン、毛利小五郎、目暮警部、高木刑事、千葉刑事。毛利蘭がセリフなしで、佐藤刑事が名前のみ登場。



■今週のまとめ・感想

【登場人物】
北尾研吾(きたお けんご)……70歳。元小学校教諭。
本田雅斗(ほんだ まさと)……25歳。遊び人(笑)。
蒲原保(かんばら たもつ)……51歳。会社員。
四方遥香(よも はるか)……37歳。手芸用品店経営者。


旭台警察署で、目暮警部に詰め寄る小五郎。小五郎が捜査に協力した事件の被疑者が、逮捕から一週間経つのに未だに起訴されていないことを、疑問に思ったのだ。
被疑者は元小学校教諭の北尾研吾、70歳。取り調べを受ける彼の供述はどこか曖昧で、早く起訴されたがっている様子。ひょっとして真犯人を庇っているのか……?

北尾に嫌疑がかかっているのは、8日前に起きた殺人事件。
旭台の造成地に放置された自動車から、本田雅斗という男性の死体が発見されたもので、死因は練炭による一酸化炭素中毒。本田は睡眠薬で眠らされて殺されたようだ。事件は匿名の通報で発覚した。被害者の肩書き、「遊び人」って笑
新聞で事件を知った小五郎は、事件発生の2日前に、被害者と激しく揉めていた高齢男性のことを目暮警部に証言した。
そこに、千葉刑事に連れられて蒲原保という男がやってくる。
蒲原は、事件発生時刻に現場から立ち去る男を目撃したことを証言。その男こそ蒲原の小学校時代の担任で、2日前に小五郎が目撃した人物。北尾研吾だった。
北尾がホームセンターで練炭を買ったことも分かり、北尾はすぐに逮捕・送検された。

……以上が、現在に至るまでのいきさつだ。
取調室の前で北尾の様子を見ていた小五郎たちの元に、千葉が新たな容疑者の情報を持ってくる。
容疑者は、被害者の叔母にあたる四方遥香、37歳。甥である本田から頻繁に金をせびられていた、という動機を持つ。犯行時刻のアリバイがあるものの、北尾とは同じ俳句教室に通い、親しくしていたという繋がりが見つかった。
北尾は、四方が本田を殺害したと思い込み、彼女を庇っているのではないか……と小五郎は考える。

そのことを目暮が問い詰め、四方には鉄壁のアリバイがあることを伝えると、北尾は彼女を庇おうとしたことを素直に認めた。
更に、蒲原による目撃証言も嘘だった。
犯行があった日、北尾は蒲原宅で彼と一緒にいたというアリバイがあった。それだと四方の代わりに犯人になれないと考えた北尾は、蒲原に頼み込み、わざと自分が疑わしい目撃証言をでっち上げさせたのだった。

目暮たちは、北尾の他に犯人がいると考え始めたが、そこでコナンが一つ疑問を投げかける。後から事件を知ったはずの北尾が、ホームセンターで練炭を買っていたのは何故か……?
再び取調室でそのことを問い詰めると、北尾は、「最初から本田を殺害するつもりだった」と白状する。
四方が「あの雅斗さえいなければ……」と呟いたのを聞いた北尾は、彼女のために本田殺害を決意。ホームセンターで練炭を買い、わざと本田と揉め事(小五郎が目撃した)を起こして動機を捏造した。
だが、北尾がコトに及ぶ前に本田が殺害されたことを知り、四方が事件を起こしたと思い込んで、彼女を庇うために練炭を池に捨て、蒲原に目撃証言を頼んだ、という流れだった。
ただの俳句教室仲間に、どうしてそこまで肩入れするのか……。北尾は四方に恋心を抱いていた。年の差34歳!
小五郎は、四方にアピールするための行動だったと推理。
北尾は、庇おうとした四方がそもそも犯人ではなかったことで、お騒がせ者としてワイドショーの笑いものになると苦笑する。

池から練炭が発見され、北尾の供述が裏付けられる。
迷惑をかけたことを謝罪し、北尾は取調室を出ようとするが、目暮がそれを制止。嘘をついて攪乱したことは捜査妨害にあたるため、それについての取り調べが残っているという。すると北尾は態度を変え、すぐに釈放してもらえないのか、とうろたえる。
その様子を見たコナンは、北尾が犯人だと確信する。

北尾犯人説を立証するには、彼のアリバイを崩さなければならない。
そこで、アリバイ証人の蒲原を訪ねる小五郎とコナン。
蒲原によると、北尾は煙草を買うために10分ほど席を外したという。だが、蒲原宅がある日影町から事件現場の旭台までは車で1時間かかるため、その間の犯行は不可能のようだ……。

続いて小五郎とコナンは、四方遥香に聞き込みに行く。
小五郎が「北尾はあなたを庇おうとしたようだ」と告げると、四方は首をかしげる。四方のアリバイとなっている旅行の計画を俳句教室で話した際、北尾も同席していたというのだ。四方にアリバイがあることを知っていながら、彼女を庇おうとした、というのは不自然だ。
また、「雅斗さえいなければ」と呟いたことに関しては、四方は「違う意味だった」と釈明し、はにかむ。

小五郎と別れたコナンは、いよいよ北尾のアリバイ崩しにとりかかる。
北尾が蒲原宅から出ていた10分。往復で考えると5分。その時間で行ける範囲に廃工場を発見したコナンは、「小五郎が北尾に聞きたいことがある」と言って、取調の準備をさせる。
取調室横の部屋で小五郎を眠らせ、小五郎の声をマイクに入れて取調室内とやり取りするコナン。前回の「ザ・取調室」では小五郎が取調室に入ってたけど、さすがにそれは無理なのか笑 今回は小五郎もコナンも取調室外からの参加。

今回の事件は、北尾がわざと自分に疑いの目を向けさせ、後にそれを覆すことで、もう疑われないように仕向けたことだ、とコナンは指摘する。
北尾は四方が疑われないよう、彼女のアリバイが確立する日を実行日に設定。
本田とわざと揉め事を起こし、練炭を購入する様をわざと防犯カメラに記録させた。その練炭はすぐに池に捨て、実際の犯行に使った練炭はあらかじめ別の店で購入していたものだ。
そして犯行日、睡眠薬で眠らせた本田を練炭と共に車に乗せ、日影町の廃工場に駐車しておく。
そのあと蒲原を訪ねて彼とアリバイを作り、退出した10分間を利用して廃工場に戻り、練炭に火をつけて本田を殺害。
蒲原と別れた後、車に充満した一酸化炭素を換気して、旭台の造成地に車を移動させて再び練炭に着火し、一酸化炭素を充満させる。
そして匿名の通報で事件を発覚させ、わざと自分を逮捕させた。
その後、一度警察の目を四方に向けさせ、彼女にアリバイがあることを調べさせた。取り調べでは、彼女にアリバイがあることを知らずに庇おうとした、と証言し、誤認逮捕として釈放される、という筋書き。

そして釈放後は、ワイドショーの取材を利用して、四方へ想いを打ち明けるつもりだった。なんちゅー自分勝手なジジイだ……。
北尾は本田に金を脅し取られていた。四方への好意を逆手に取られ、彼女にありもしない悪い噂を吹聴する、と。
本田は、自分にとっても四方にとっても消えて欲しい存在だったと北尾。だがコナンは、四方が言った「雅斗さえいなければ」の真意を伝える。
四方は本田より年下の人物に片思いしていて、甥っ子よりも若い子に熱を上げる自分に引け目を感じていたのだ。四方が37、本田が25だから四方の恋も10歳以上差……。
それを聞いた北尾は、最初からすべて空回りだったことを知って言葉を失う。

街頭ビジョンで、人気タレント・風魔大介と桜サユリの結婚報道を見て、「とうぶんワイドショーはこの話題で持ち切りだ」とテンションが上がる小五郎。コナンは、ワイドショーで告白するために殺人をするなんてあり得ない、と呆れる。



■今週のゲスト声優について

ゲスト声優は、蒲原保:花輪英司さん、四方遥香:井口裕香さん、本田雅斗:八代拓さん、北尾研吾:橋本晃一さん。

犯人・北尾研吾役はなんと『天国へのカウントダウン』以来のご出演、橋本晃一さん!
『聖闘士星矢』キグナスの氷河や『キャプテン翼』若林など、昭和を彩る数々の人気アニメに出演してこられたベテラン声優さん。近年も『ONE PIECE』のクロなどで活躍されています。

北尾が想いを寄せる女性・四方遥香役は井口裕香さん。
『とある魔術の禁書目録』のインデックス役で有名な大人気声優さんです。他にも、『化物語』の阿良々木月火や『ロウきゅーぶ!』の三沢真帆など、多くの美少女キャラを演じていらっしゃいます。コナンにはこれで3回目のご出演!

北尾に利用された元教え子・蒲原保の声は花輪英司さん。
『西洋骨董洋菓子店 ~アンティーク~』の小早川千影、『葬送のフリーレン』のリヒター、『ハズビン・ホテル』のルシファーなど、セクシーなお声で二枚目キャラを演じることが多い花輪さん。吹き替え作品にも多く出演されています。

被害者・本田雅斗は人気声優の八代拓さん。なんとコナン初出演!
『ポケットモンスター』のフリード役で小さい子からも大人気! 他にも『アイドルマスターSideM』の柏木翼や、『KING OF PRISM』の十王院カケルなど、女性向けコンテンツで多くのイケメンキャラを演じていらっしゃいます。
個人的に八代拓さん、役の振り幅が広すぎて、聞き分けるのが難しいお方の一人です……。



■コナン界の取調室

今回はなんと2009年に放送された「ザ・取調室」のシリーズ第二弾!
前述のとおり、この「ザ・取調室」は小五郎の声が神谷明さんから小山力也さんに代わった初回です。小五郎が力也さんになってからもう15年経つのか……。

さて、原作コナンに「取調室」って意外とあまり出てこないんですよね。
パッと思いついたのは以下のシーン。

『名探偵コナン』40巻・FILE.1「甘いデートにご注意を!」より引用
『名探偵コナン』67巻・FILE.10「小林先生の誤解」より引用

ただ、どちらもハッキリと「取調室」だと分かる描写はありません。ただの部屋の可能性も充分ある。

原作コナンに取調室が少ないのは、事件が起きたら、コナンたちがその場で犯人を挙げてしまうから。

取調室のシーンがあるのは、原作よりもアニオリ。
第175話「四回殺された男」、第392話「謎めく身長差20cm」、第1058話「警察に居座った男」などの取調室シーンが印象的です。



■【今週のおすすめ】『メグレと田舎教師』ジョルジュ・シムノン

今回ご紹介するミステリーは、「容疑者が小学校教師」ということで、ジョルジュ・シムノンが1953年に発表した『メグレと田舎教師』(原題:Maigret à l'école)
ジュール・メグレが活躍するシリーズの長編です。

サン・タンドレという田舎から、メグレ警視に会うためにはるばるやってきたジョゼフ・ガスタンという小学校教師。彼はメグレに、自分にかけられた冤罪を晴らしてほしいと頼み込む。ガスタンと共にサン・タンドレを訪れたメグレはさっそく事件の捜査を始める。被害者は村の嫌われ者レオニ・ビラール。カービン銃22口径で左目を撃たれて死亡した。捜査を続けるうち、メグレは余所者に厳しい排他的な村人たちを知っていく。

……というお話。シムノンお得意の情緒たっぷりな細密な描写で、読者自身もサン・タンドレの世界に引き込まれます。メグレが食べたがっていた「白ぶどう酒かけの牡蠣」めちゃくちゃ美味しそう!


小五郎「ボーイ、Next Conan's HINTだ……」
コナン「ミニカー!」
小五郎「お馬さんでも、見に行っか~!」
コナン「とうぶん車は買えないんだよね」
小五郎「え~っへへ」

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