【アニメ感想】名探偵コナン 第1110話「高木と伊達と手帳の約束(後編)」
原作回・後編。警察学校編の映像も使用され、神回に磨きがかかってます!
この回を見ると、102巻の帯の「継承される<桜>の思い。」の文章がより刺さる……。
登場キャラは江戸川コナン、高木刑事、伊達航、吉田歩美、小嶋元太、円谷光彦、灰原哀、目暮警部、佐藤刑事、安室透、榎本梓。回想シーンで宮本由美も登場(セリフなし)。
■今週のゲスト声優について
ゲスト声優は、アラン・カッセル:寺崎裕香さん、ジャン・カッセル:吉永理沙さん、犬飼佑二:佳穂成美さん、手下:田中進太郎さん。
フランス人の少年、アラン・カッセル役は寺崎裕香さん!『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のクーデリア・藍那・バーンスタインのような芯の強い女性や、『イナズマイレブンGO』の松風天馬のような少年役までこなす人気声優さんです。
■今週の感想
【登場人物】
アラン・カッセル……当時7歳。ピエール副社長の次男。
ジャン・カッセル……ピエール副社長の長男。
犬飼佑二(いぬかい ゆうじ)……アランの友人。
コナンは誘拐犯を車から出すため、安室に蝶ネクタイを付け、取り引き相手のフリをさせる作戦を決行する。この時、安室さん蝶ネクタイが変声機になってることに気づいてたりして……。後々の伏線になってるんじゃ?
身代金やジュラルミンケースは実際には用意せず、ゲーム機に送られた指示通りに、紙袋に金を詰め替えるフリをしてやり過ごした。「ゲーム機のバッテリーが切れることすら考えてないヤツが……」う~ん、確かに。なんともおマヌケな犯人……。心なしか、犯人の顔も原作よりマヌケっぽくなってるような。
車から出てきた犯人に佐藤刑事が声をかけるが、防犯スプレーをかけられ、逃げられてしまう。佐藤刑事が犯人を追っている間に、コナンは車内のアランを解放。しかし、アランは縛られておらず、車のドアにロックもかかっていなかった。なのにアランが逃げようとしなかったのは、友達の犬飼佑二も一緒に誘拐されていたからだ。佑二の捜索願いは他県で出されている可能性が高く、アラン誘拐事件と無関係だと思われていたようだ。
コナンは、アランが車内で聞いた日売ラジオの「道路交通情報」から、監禁場所が車で30分圏内にあると推理。コナン君、道路交通情報の放送時間まで把握してるのか!きっと小五郎蘭とドライブしてる時に覚えちゃったんだろうね~笑
コナンたちがアランから情報を聞き出している間、安室・佐藤・高木が三方向に分かれて監禁場所を捜索することに。
犯人はアランを連れ出す時、監禁場所の階数を悟られないように、エレベーターで一度最上階まで行ってから降りていた。決まった時間にそんなことしてたら、住人に怪しまれちゃうんじゃ……いや、おマヌケ犯人だから関係ないのか……笑
窓から見えたものを総合し、監禁場所は屋上プールがある小学校のそばにあり、5階建てのマンションの4階の角部屋だと分かる。
更に、車の窓から茶色のサイロと、三日月(クロワッサン)が描かれた赤い旗、つまりトルコの国旗が見えたことも判明。元太、クロワッサンを知らないのか。食べ物のことは詳しいのかと思ってた笑
鳥矢町3丁目1番地のトルコ料理店「ギュゼル」がそれに該当することから、監禁場所は2番地の白美濃マンションだと特定する。「ギュゼル」はトルコ語で「おいしい」の意味らしい。正確には、英語の「good」に相当する便利な言葉らしいけど、料理屋さんの名前なので多分「おいしい」だと思う。
鳥矢町に近い高木が向かうことになるが、佐藤は「無茶はしないで」と警告。しかし高木の脳裏には、伊達の言葉がよぎる。
高木は4階に到着するも、すんでのところで佑二を連れた犯人と入れ違いになる。大急ぎで階段を降り、マンション前で犯人と対峙。犯人が「兄貴」と慕う鬼童捺房を「僕が殴り殺した」と嘯き、挑発する。
高木がボロボロになりながらも戦ったことで、犯人は逮捕される。
佐藤は「無茶しないでって言ったのに」と言うが、高木は「今回ぐらいは無茶させてくださいよ」と誇らしげだ。
自分のと同じ車種である佐藤のRX-7を見つめ、感慨深そうに車体を触る安室に、「本当に会った事ないか」と問い詰める佐藤。安室は、警察学校卒業式で佐藤と会っていた事を覚えているようだが、知らないフリをする。っ~~~~~っ、なんてエモいシーンなんだ……。この車、殉職した佐藤父から鬼塚教官が預かっている間に、安室たち警察学校組と一緒に試練を乗り越えた、安室からすれば"昔の仲間"みたいなモン。そんな仲間と時を経て再会できるなんてね……。あの頃の仲間をみんな喪った安室からすれば、車体の色こそ変わっちゃったものの、唯一再会できた仲間と言ってもいいかもしれない。それに、「娘が刑事になるまで」の約束で預かっていた車が、刑事になった佐藤にちゃんと受け継がれている事実も泣けてくる……。
そこに目暮が到着。お互い助かったアランと佑二は抱きしめ合う。アランの兄ジャンは、弟を助けてくれる約束をしてくれた「爪楊枝の刑事さん」へのお礼だと言って、爪楊枝を高木に渡す。
安室はその場を静かに去りながら、口元に爪楊枝を咥えて笑みを浮かべる。
■原作からの変更点
・アランが言う「ソレイユ」を、光彦が「太陽のこと」だと説明している。光彦なんでフランス語知ってる!?まさかシルクドソレイユ好きとか?笑
・灰原の「いや、」が「いえ、」に変更。より灰原っぽくなってていい改変!
・犯人を挑発する高木に「アンタどうせ、コソコソ隠れててニュースも見てないんだろ? 兄貴がいなけりゃ何もできないチンピラが! とにかく、さっさとその子を解放してくださいよ。僕に殴り殺されたくなければね」の煽り文句が追加された。
・拳を構える高木のバックに重なる伊達のビジョンが、原作ではヒゲなしの若い姿だったが、ヒゲありの姿に変更された。(原作のはシンプルに作画ミス……?
・安室と佐藤が過去に会っていた「警察学校編」の映像がセリフ付きで挿入された。
■【今週のおすすめ】『サイロの死体』ロナルド・A・ノックス
今回は「サイロ」がキーワードとして登場したことから、ロナルド・A・ノックスが1933年に発表した『サイロの死体』(原題:The Body in the Silo)をご紹介! ロナルド・A・ノックスといえばミステリーを書く際のルール「ノックスの十戒」を示したことで有名ですよね。本作は保険会社に雇われている私立探偵マイルズ・ブリードンが活躍するシリーズです。
保険会社インディスクライバブル社と委託している私立探偵マイルズ・ブリードンは、妻のアンジェラと共にヘレフォードシャーに住むハリフォード夫妻のパーティーに招かれる。そこで一同は、思いつきで車を使った追いかけっこ「駈け落ちゲーム」なる遊びに興じる。ゲームは程なく終了。しかし翌日の朝、邸宅の敷地内にあるサイロの中で、客人の一人セシル・ワースリーが死んでいるのが発見される……。
……というお話。ノックスの十戒の提唱者らしく、非常に細かく伏線が散りばめられています。作者がイギリス人ということもあって、ウィットに富んだジョークの数々も魅力的です。
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