小さな一歩
今日もとんでもない暑さだった。
同じ部署の先輩女性から、こんな暑いお盆まで働いてんだから、仕事帰りにケーキでも食べにいかないか、と誘ってもらった。
喫茶店でお茶を楽しんで、店を出て気づく。
マスクを座席に忘れてきてしまった。
道を歩いてると笑われるレベルでヘンテコな顔の私は、マスクがないと怖くて電車に乗れない。
よっぽど調子のいい時はドギマギしながら外して乗るけど、それも朝だけである。
朝の通勤はそれぞれの他人への無関心度が高い。
夜の電車は、酒を飲んで気が大きくなったサラリーマンとか、つるんでイキって騒ぐ大学生とかも乗っている。そんなときに、ブスはお手軽なエンタメとして消費されることも珍しくないので、マスク必須なのだ。
どうしようどうしようと内心慌てながらも
先輩と一緒に改札を通ってしまい、
コンビニで買うという手段も絶たれた。
今日に限って予備を持ってきてない。
しょうがない。
諦めて電車に乗る。
もう気分はハラキリである。
窓に映る自分の顔が終わっている。
本当に変な顔だな。
会社を出る前に化粧直ししたけど、なんにも意味がない。骨格からユニーク。
死ぬまでマスクして生きていくなんて、そんなつもりはなかった。
どこかのタイミングで堂々と生きていこうって漠然と思っていた。
でもそのタイミングはただ待っててもこないんだな、当たり前だけど。
今のままではいけない。
顔だけじゃない、心も。
何事もなく素顔で帰宅した。
マスクを外す機会を自分から積極的に探していくくらいでないと足りない。
先輩のおかげで、小さくても重要な一歩を踏み出せたと思う。
ありがたや。
毎日一歩進めればそれでよし。
読んでくださってありがとうございました。
明日いいことありますように。
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