舞台付箋 Studio Life『La Passion de l'Amour 「カリオストロ伯爵夫人」より』

うっかりうっかり。今年2022年の観劇納めをしていた感想を書き逃していました。12月中旬、舞台先輩に誘われていたのでスタジオライフのカリオストロ伯爵夫人を観劇してきました。12/10夜公演。人間が生きた、人間の物語。
2022年、沢山の物語に出会えました。来年もまた素敵な物語に出会えますよう。この手、指の先にある何処か誰か何かの物語へ届きますように。

■公演概要

原作:モーリス・ルブラン
脚本・演出:倉田淳

企画・制作:Studio Life

公演期間
2022年12月10日(土)~12月18日(日)
ウエストエンドスタジオ https://studio-life.com/westend/

・グッズ
ブロマイド2種(A 200円、B 400円)

・チケット
一般 6,500円
club LIFE会員 6,200円
学生 3,000円
高校生以下 2,500円

STAFF

作曲:村井邦彦
作詞:倉田 淳
ピアノ演奏:田中和音
音楽監督:竹下 亮

https://studio-life.com/stage/cagliostro2022/index.html

■出演

Amethyste    Saphir
ジョセフィーヌ・バルサモ(カリオストロ伯爵夫人)
 青木隆敏    関戸博一
ラウール・ダンドレジー(アルセーヌ・ルパン)
 松本慎也
クラリス
 神澤直也
M
石飛幸治

■作品概要

『カリオストロ伯爵夫人』(カリオストロはくしゃくふじん、La Comtesse de Cagliostro)は、モーリス・ルブランの『アルセーヌ・ルパン』シリーズの一篇。1924年発表。20歳のアルセーヌ・ルパンの冒険を扱った物語。

ウィキペディアフリー百科事典 カリオストロ伯爵夫人項2022.12.31時点より

ABOUT

『La Passion de L’Amour』はモーリス・ルブラン「アルセーヌ・ルパン」シリーズの一遍「カリオストロ伯爵夫人」を基にした音楽劇です。実は2013年にシアターサンモールでタイトルもそのまま『カリオストロ伯爵夫人』として初演しているのですが、今回、全くの新作として大幅改定を加えてタイトルも新たにしての上演となりました。

登場人物はたった4人。
カリオストロ伯爵夫人ことジョセフィーヌ・バルサモ
怪盗ルパンになる前の若き二十歳のラウール・ダンドレジー
ラウールの恋人であり後に妻となるクラリス・デティーグ
そして、ムッシュM

時は物語の何年も後。処は死の世界。
カリオストロ伯爵夫人が、闇の中から現れたムッシュMと向き合って自分の人生を振り返ってゆきます。ラウールへの愛、クラリスへの嫉妬、そして母の娘であったことの宿命・・・・ ムッシュMが何者であるか分かった時、彼女は自分の行くべき道を決断します。

随所に歌が散りばめられた音楽劇です。作曲は村井邦彦氏。「カリオストロ伯爵夫人」上演の為に書き下ろしていただいたオリジナル曲です。19世紀の香りのするメロディーが、時には明るくアップテンポに、時にはロマンティックな響きを連れて、歓びや哀しみ、切ない心情を揺り動かします。上演台本は大幅改定となりますが、歌の数々は一部の歌詞を変更して再び甦ります。一つ一つの楽曲が本当に素敵です。

そして今回、カリオストロ伯爵夫人を青木隆敏と関戸博一がダブルキャストで演じます。各チーム名は二人の頭文字に因みAmethysteとSaphirとさせていただきました。物語の舞台がフランスなので仏語で表記させていただいてます。アメティストゥ、サフィールと発音するそうです。アメジストとサファイアです。カリオストロ伯爵夫人が狙っていたのはもっと高価な宝石でしたが、きっとアメジストとサファイアも好きだったに違いないと思います。
申し遅れましたが、彼女は盗人だったのです。ラウールに盗みの手口を教えたのも彼女でした。元々盗みの才能を持っていたラウールでしたが、その才能を開花させたのは彼女です。

2022年12月、是非、中野のウエストエンドスタジオでカリオストロ伯爵夫人の人生を一緒に見つめていただきたく思います。

https://studio-life.com/stage/cagliostro2022/index.html

■舞台付箋

何も知らなくても観に行ける舞台を観たくなることがあります。自分の中でその筆頭がStudio Lifeです。会員になっている舞台先輩に誘われつつも都合が良さそうな時だけ、時々観に行くスタイルだったのでStudio Lifeでの再演を重ねていても知らない作品がまだあります。その中の一つが『カリオストロ伯爵夫人』でした。パンフか何かでStudio Lifeで上演していたのは何処かで見かけた覚えがありました。が、何度も再演していると思っていたんですよね……なんと『カリオストロ伯爵夫人』、2013年以来再演していなかった。今回は全くの新作としてタイトルも新たに、何より出演者を4人に絞っての上演だったそう。しかし観劇を決めたものの原作までチェック及ばず結局何も調べないまま中野へ足を運びました。

物語は、開幕、既に死後の世界。カリオストロ伯爵夫人・ジョセフィーヌはMと名乗る男に「貴女の話を聞かなくてはならない」と問われる。Mが何なのかわからないまま、彼女は己の人生を振り返り語った――。

・つよいカリオストロ伯爵夫人とかわいいクラリス
ライフ公演観てるといつも思うんですが、言葉と仕草だけでもう"女性”がそこに居るとわかる芝居なの本当に凄い。青木隆敏氏は9月の『トーマの心臓』でユーリ役を演じられていましたが、少年から今回熟年の女性役へ様変わりして自分は青木氏を観ていたのかわからなくなりました。ジョセフィーヌ、年季の入った強い女性こっわーーーーー。なんですが、強い女……悪事を重ね生き抜いてきた人間の厚かましくも折れない強さと、けれどラウールという一人の男への愛と憎しみに振り回される姿のギャップよ……ああ、愛の反対は無関心というにふさわしく、愛していながらも憎しみを抱くこの人間の感情。

対する(彼女自身は対立してない)クラリスは役柄上当然なんですが神澤氏が線の細い少女クラリスを演じられていて、かーわーいーいーってなるこのギャップも良い。ライオンと子猫ちゃんみたいなこの差。凄い。

からのルパンよ……ラウール役の松本慎也氏も、9月の『トーマの心臓』で同じ寮の取り巻きもとい、ヘルベルトとして出演されていたので印象はそう変わってない気はするんですが、なんかこう、主人公の顔立ちしてるなあとつくづく……つくづく……そうだった舞台魔術士オーフェンのオーフェンもやってたもんなあ、主人公顔してるんだよなあ。って思い出しながらニコニコしてしまいました。

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