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舞台付箋 舞台『爆剣 〜東京転生死合・再戦〜』

一年越しの爆剣観劇してきました。3/4昼メモ


■公演概要

原作・脚本:ヨコオタロウ
演出:松多壱岱
音楽協力:MONACA スクエア・エニックス

公演期間
日程 2023年3月1日(木)〜3月5日(日)
六行会ホール(新馬場)
https://www.rikkoukai.com/

・グッズ
劇場販売(後日在庫があればオンライン通販する気がする)
◆爆剣〜東京転生死合・再戦〜グッズ
・公演パンフレット2500円
・キャラブロマイド(KG)3枚1セット1000円
・ランダムブロマイド(当たり付)2L 1枚500円

◆爆剣〜東京転生死合〜グッズ
・複製台本1500円

・チケット
全席指定 ¥9,900(税込)
入場時に舞台オリジナルグッズ(非売品)プレゼント


STAFF
原作・脚本:ヨコオタロウ
演出:松多壱岱

https://shirokuro-stage.com/

■出演

オノ:黒木文貴
ツカハラ:川渕かおり
ヤツメ:雛形羽衣
ヒラガ:佐藤智広
シロ:鶴見萌
コンドウ:松原凛
モリ:宮ノ尾美友
ミツヨシ:桜町たろ
センセイ:小栗諒
オダ:鵜飼主水

飯原 優 加納 義広 中野 貴文 橋本 直也 仙波 好基 梅田 祥平

■作品概要

現代×東京×転生×武将×グルメ 2022年 冬。
人々の欲望が淀む大都会、東京。
月の光が届かぬ暗闇で、ある男が斬り殺される。
それは、かつて「織田信長」と呼ばれていた男。
百年の時を越え、現代に転生した剣士達が見るモノとは……
2023年3月1日(水)〜5日(日) 六行会ホールにて全8公演 再戦決定!

公式TWITTERアカウント2023/3/5時点BIOより https://twitter.com/BAKUKEN_ST

本作は2021年3月上演の舞台『爆剣~幕府御前試合~』の続編として制作された。去る2022年2月に六行会ホールにて『爆剣~東京転生死合~』として上演されていたが、2月25日に出演者に感染症陽性者がでたため、25日以降千秋楽27日までの計5公演が中止となった。
――ついでに、ニコニコ生放送での2/25夜公演の生配信も予定されていたが当然のことながら配信も中止となる。同じタイミングで、2021年公演『~幕府御前試合~』の再放送も何故か配信中止となっており、再放送の方でもみるかーと思っていた人間は舞台『爆剣』へのアクセスを失い、公演中止になった日に劇場・六行会ホールへ赴き、チケットなしでも購入できるというので中身の知らない舞台のブロマイドやパンフレットを買って、おまけに5000円以上グッズ購入でもらえるというショットグラスを受け取ってトボトボ帰宅した――
あの日から一年!!再演が決まったのがこの舞台『爆剣~東京転生死合~』である。やったね!!

2022年公演のメインキャスト続投での完全なる再演、再戦。此処に舞台の幕が上げられた。
バー8ME(ヤツメ)に集う人々は種々様々、コンビニ店員、刑事、デイトレーダー、風俗嬢にホームレス……一見さんのサラリーマン。そしてリーマンの男は、即座に殺された。「オダノブナガは、全て殺す」
所変わって新宿歌舞伎町高校には、美しい女生徒モリの生徒会長と、親子で高校に通う書記ミツヨシとセンセイが生徒会室で会議をしていた。――全国に発生した、オダノブナガの劣化した分身達について。
ありとあらゆる場所に現れるオダ! あっちにもオダ! こっちにもオダ! その全てが小悪党!! 悩むモリ! 殺されるオダ!
そして、悩むオノ。「悪人だからと言って、殺していいのか」
剣士の記憶を受け入れるもの、融合するもの、悩むもの。現代に転生した、あるいは転送された者たちの、過去と現在を生きて、戦い、悩み、進む物語。
今、此処に生きてそれを目にして、同じ空間で息をする、観客(俺たち)の物語。

舞台『爆剣~幕府御前試合~』
戦乱の続いた「日ノ国」は徳川家康によって平定された。
戦う目的を失った剣士達は、たまたま、飯屋「八つ目堂」で出会う。
そこで耳にしたのは、幕府がお抱え剣士を選抜する「御前試合」が行われる、という噂だった……
日程:2021年3月24日(水)~3月31日(水)
劇場:CBGKシブゲキ(渋谷)

公式TWITTER2021年2月8日のツイートより

舞台『爆剣~東京転生死合~』
2022年 冬。 人々の欲望が淀む大都会、東京。 月の光が届かぬ暗闇で、ある男が斬り殺される。 それは、かつて「織田信長」と呼ばれていた男。 百年の時を越え、現代に転生した剣士達が見るモノとは……
日程:2022年2月23日(水)~2月27日(日曜)
劇場:六行会ホール(新馬場)

公式TWITTER2021年12月20日ツイートより

■舞台付箋

作品概要にも書きましたが2022年公演は初日含めて2日間のみで、以降公演中止になってしまい、仕方のないことではあるが残念に思っていたので今年観に行けて本当に良かった。

・前作を観逃していても楽しめる親切設計
『爆剣~幕府御前試合~』を踏まえての本作『東京転生死合』ではあるものの、冒頭に3分でわかる幕府御前試合みたいな映像演出があり、今作からの人もちょっと安心。でも知ってる、そういうのはな、前作も観てると本作がもっと楽しくなれるってことをな!!3月末まで2021年公演幕府~のニコ生再放送してるからそれ見るわ!!
・笑いとシリアスの緩急が素晴らしい。切り替え最速。
冒頭はゆるーくBAR 8ME(ヤツメ)でに集まる人々の様子なんか見せながら始まる訳ですが。観劇時3/4土曜には、今夜は面白いアニメが放送されるんだってなと、ヤツメ姉さんが口を開いて、おや?と思うと「にーあぽーとまた」「そこはもうNirR:Automataって言いましょうよ」とヒラガに突っ込まれたりして、クスクス笑いをもたらしたり、わちゃわちゃ仲の良い”いつもの面子”の様子を見ていたと思ったら、突然のサラリーマン殺人事件すよまじビビる。笑っていたかと思いきやその笑いの尾を引かずにズバッとシリアスでぶった斬ってくる流れ。ついてこれるか?ついていきます!の気持ち。
こんな感じに平穏・争乱・平……闘争・戦闘・戦闘・絶望・戦闘……と連続射撃のようにドカドカ芝居で殴りかかってくるので、ダレるところは少ない印象。あ、3/4昼はばらちらし寿司のチャーハンでした。
・様々な武器を使った豊富な殺陣
殺陣の量多くないか……?日本刀は当然ながら銃も杖も、男も女も関係なく皆殺陣の量が多い。何手くらいあったんだろ……数えると気が散るので数えてませんが結構な手数があったと思われ。川渕かおりさん演じるツカハラが刀も銃もあってワクワクです。あとは転生者達と共に現れる刀の出現方法もとてもぬるっとしていて好きです。
・メタフィクション、メタな芝居と壁と観客(俺たち)
本作では、ヤツメが客席が見える見えないの話をしたり、今日のグルメで香りを最前列へ届けようとしたり、ステージ上の彼らが客席を意識している素振りを見せたり、今日のアニメの話をしたりすることで、その場が『爆剣』世界であると同時にステージと薄皮一枚隔てた客席の劇場空間であることを意識させるような演出がある。筆者もこれ的な概念を「第四の壁」と言われる単語として演劇用語であるっぽいのを聞いたことがあるものの理解していないので割愛。
この板の上・客席・劇場空間≠爆剣世界の状況を踏まえて、本作には筆者が一番好きな場面がある。有り体に言えばその物語の終わりの場面、打ち切り漫画の最後のページ、試合終了、これにておしまい。ぽかんとしている間に演者たちのカーテンコールが始まって、これで明かりが終幕です、さあさ皆様お足元にお気をつけてお帰りください、ってやつ。
初見だったのであの時は本当に、演出と脚本と舞台世界と自分の現在地がわからなくなる瞬間だった。爆剣がクソ舞台に成り果てる瞬間だった、のを、止めたのは観客だと思っている。
そう言う脚本、そういう演出だった、で終わらせてもいい構成なんだけども、でもあれは、それ故に/だからこそ、という観客の意地と板の上の世界の鬩ぎ合いも生まれていたように思う。さあ、脚本は演出は、舞台世界の神はここで終わりだと言っている、からの板の上の世界で生きる者たちの抵抗。何度も言ってしまうけれど、あれがそう言う脚本・演出なのだから、で納得しても良いのだけれど、抗って、更に闘う者達を手に汗握りながら眺めるのも、爆剣観に行く観客ならもっと好きだろ? だからあの瞬間に、舞台世界と観客席が一つとなったのでは、とか。観客の「はぁ?こんな終わり方認めねーんだが?」って思ったらその時は“拍手なんかしなくていい”っていう唯一の手段を観客は、板の上の舞台世界に対して持っている。その気持ちが、誰一人鳴らさない拍手に繋がったのではなかろうか。3/4昼公演は誰一人拍手してなかったんすよ。全公演そうなっていたらいいなー。
散りばめられたメタっぽい台詞と、まだコール&レスポンスしにくい環境と、それでも拍手だけはいつだってできる観劇情勢とが、今回の爆剣に上手く噛み合った感じがしてすげー好きです。
筆者はあの「終劇」の場面で泣きました。わぁっ……! って○いかわみたいに感極まって泣いてました。そういうの好きなんだよ!!!!こんな終わりは認めない、俺たちは、私たちはこんな終わりの為に生きてない、やりたいことが終わっていないという全力の抵抗が、あの舞台『爆剣』のどんでん返しに繋いでいくあの場面がめっちゃ好きです。
その上で観終えて、もし楽しかったらその時にその時出来得る最大限の拍手を贈るのが良い。手が痛くなるまで届けこの拍手!

ついったでも似たようなことを呟いてはいるんですが補足しながら書いたら長くなりました。いつだって要点絞って文章書けねんだな……

■配信(初演再放送、再戦3/3公演)

舞台爆剣の配信もあるってよ!!3月のうちに両方観られるし、初演の再放送はなんと1000円!再戦と通しで買うと割安になっとるやないかい。

チケット価格
・初演『爆剣』~幕府御前試合~(再放送)
¥1,000(税込)

・SHIROKURO STAGE 舞台「爆剣〜東京転生死合・再戦〜」
¥5,000(税込)

・2公演通しチケット
¥5,500(税込)

チケット販売期間
2023年2月20日(月)18時00分 ~ 2023年3月30日(木)23時59分

タイムシフト視聴期間
2023年3月31日(金)23時59分まで

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