一度言ったことは取り消せない~ゼノン~
『口を滑らすくらいなら、足を滑らす方がよい。』
~ゼノン~
ルーピン
「今日はゼノンの言葉だね。
ゼノンの逸話を知っているかい?
彼はつまずいて転んだときに地面に向かって
『今行くところなのに、どうして私をよぶのか』
と言って、自分で息を止めて死んだという。
自分の未来を予知してこんなことを言ったのかね。
ストア哲学的にはわかりやすいね。
足を滑らすのは自分の権外の要因が多い。
一方で、口を滑らせるのは自分の権内の要因だ。
つまり自分次第で防げることを防げないのは、
『自制』ができていないということだよ。」
ドレイク
「ゼノンの言葉にはこんなのもあるね。
『人間には耳が二つあって、口がひとつしかないのは、より多くを聞いて
より少なく話すためなのだよ。』
彼のこの言葉を深堀するとだねぇ、
自分が言った浅はかな言葉は、自分の耳から2倍聞こえてくるのさ。
そういう意味でも、ゼノンにとっては口を滑らすことは度し難いことなんだろうね。」
トランブル
「キャライズムと言うか個性主義と言うか、
何でもかんでも自分の主張を言うのが良い風潮はいただけないねぇ。
成熟した精神と言うのは、自分を大切にするのと同じくらい
周りも大切にするものさ。
孔子の『無私の精神や共同体との調和を重んじる倫理』にもつながると思うよ。」
アヴァロン
「企業においては立場にかかわらず発言には気を付けなければいけない。
大切なことは自分の言葉に責任を持つことさ。
誰が聞いているかもわからないし、
どういった経緯で誰に伝わるかもわからない。
いらぬ同意を求められたときは、愛想笑いを浮かべながら沈黙することさ。』