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てのひら小説作品集

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愛媛の作家によるてのひらサイズの短い小説。 500文字以下の小物に印刷したら映えるサイズ。 それが「てのひら小説」です。 1000文字超えてても2000文字以上でも「いや、これが…
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#ショートショートnote

ショートショート「玉砕の準備ばんたん青嵐」

夏祭りの夜。 私、彼に告白します......! ◇ 「......おーちゃん、やっぱり私、無理かもし…

心筆スコープ 【ショートショート】

神社や寺院に保存されている、古くから伝わる書物などには「角筆」なるものが記録されているこ…

鈍亀
2年前
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○△論争

「今回の論争テーマは、(究極の図形とは)でお送りいたします。」 人気YouTube番組が始まった…

鈍亀
2年前
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HITO対ワクチン

私たちは、久しぶりに地球に戻ってきた。 地球上でのHITOの増殖状況を確認するためだ。 地球時…

鈍亀
2年前
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花が届けた息子の幸せ

◇◇ショートショートストーリー 四人兄弟の末っ子の良夫は小さい頃から甘えん坊で、何でも兄…

ナイーブな少年

◇◇ショートショートストーリー その少年の心はとても繊細です。ナイーブだから人の心を敏感…

おばあちゃんから貰った

ショートショートストーリー 僕が住んでいる公営住宅の隣にある小さな畑で、腰が九の字に曲がったおばあちゃんがプチトマトや、きゅうりなどを育てています。 一人暮らしで寂しそうなおばあちゃんに僕は「こんにちは、物凄くみずみずしいトマトじゃねー、おばあちゃんみたいじゃがね」と声を掛けて軽いジョークを飛ばしていました。 僕はアパートの小さな部屋で、妹とお母さんと三人で仲良く暮らしています。父は建築の仕事をしていましたが現場の事故で、6年前に亡くなりました。働き者で面倒見のいい、誰

山岡先生が僕に教えてくれた

◇◇ショートショートストーリー 幸一は知らせを受けて、すぐにチケットを予約しました。北海…

笑顔の街のパスポート

◇◇ショートショートストーリー 特別な街があります。誰もが笑顔なのです。その街に入ると幸…

村の女壺の掟

◇◇ショートショートストーリー ある村の外れに不思議な場所があります。レンガ造りの建物の…

古本屋「さらだ」で出会った

◇◇ショートショートストーリー 自由が好きな次郎は休みの日は自転車に乗って、心の赴くまま…

木の精のことばが聞こえた

◇◇ショートショートストーリー 木の一本一本がやさしく語りかけてくるのです、森にいると不…

言葉の引き出しの鍵

◇◇ショートショートストーリー 涼子の言葉の引き出しには生活に必要な最小限の言葉しか入っ…

私は土に何かを埋めていた

◇◇ショートショートストーリー 私は夜になるのが本当に怖かったのです。暗闇から何か不思議な生き物が出てきて、私をさらっていきそうなそんな恐怖心があって、寝れなかったのです。 眠れなくなったのが何時からかは分かっています。おばあちゃんと一緒に恐怖映画を観た翌日、とても元気だったおばあちゃんが、脳梗塞を起こして丸一日昏睡状態が続いた後、天国に行ってしまってからです。 それからは夜のとばりが降りる頃になると何故か胸騒ぎがして、そわそわしはじめ、眠ろうとしてベッドに入っても、少