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てのひら小説作品集

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愛媛の作家によるてのひらサイズの短い小説。 500文字以下の小物に印刷したら映えるサイズ。 それが「てのひら小説」です。 1000文字超えてても2000文字以上でも「いや、これが…
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2021年5月の記事一覧

ゆったりと流れていく 細かい細かい水の粒 ひんやりとした空気 ふと目をやると 薄紫の綺麗な…

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茶柱が立った日は

◇◇ショートショートストーリー 中学生のゆきちゃんはその日おばあちゃんの家で朝ごはんを食…

お気に入りはパリジェンヌのスケッチ

◇◇ショートショートストーリー 細身の黒のパンツに、シャリ感がある白いシャツの襟を立て、…

私はいつもあなたの傍にいます。

◇◇ショートショートストーリー あなたは最近私といる時間が多いでしょう。あなたはいつも私…

おとめ

「何かあったら俺を呼べ。 地球の裏側でもかけつけるから」 ああ、キザ そう思いながらも …

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香りが運んでくれた恋

◇◇ショートショートストーリー 良雄はテレビ局のディレクター、仕事で忙しい毎日で休みの日…

紙芝居の奇跡

◇◇ショートショートストーリー 絵本作家の沙希さんが書く絵本はとても温かく優しいと評判です。沙希さんは、子育てと、創作活動の合間を縫って、ボランティアをしています。レクリエーション介護士の資格を取って介護施設で、自作の紙芝居を披露しているのです。 この日沙希さんが訪れたのはグループホームです。 紙芝居のレクリエーションに参加したのは、8人のお年寄りでした。それぞれの状態もさまざまで、車いすの人、認知症や麻痺、失語症の人もいます。 沙希さんは、一人一人に、声をかけながら、

お祖母ちゃんはキューピット

◇◇ショートショートストーリー 私の祖母は、近所でも評判の美人さん、70歳ですけれどとても…

僕はお祖母ちゃんのDNAを受け継いだ

◇◇ショートショートストーリー 僕は、料理を作っているお祖母ちゃんの手を見て、指の長さや…

指輪に刻まれた名前の秘密

◇◇ショートショートストーリー 桜さんは、旅先の神戸で、立ち寄ったアンティークショップで…

私のテラスタイムを返して

◇◇ショートショートストーリー 雅子さんは美術館のキューレーターの仕事をしています。40歳…

家族をつないだ白磁の皿

◇◇ショートショートストーリー 5月のある日、健二がポストを覗くと、手漉き和紙の上品な封…

おばあちゃんからの手紙

◇◇ショートショートストーリー 都会に住むユリ子さんはご主人と二人暮らし、毎月楽しみにし…

始まりの色

黒から濃紺、紫 と思えば 一気に目の前に広がるピンク色 それはほんの 少しの間 オレンジから黄色に移り 風が吹く 朝が始まる