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継続は力|02

「すみません、これ、まだ残ってないですか」
「もう店頭に出ているだけですね。在庫は残っていません」
残念だ。別の店舗を探そう。

わたしは毎日コンビニに通い、あるモノを購入している。

出会ったのは半年前だ。コンビニで売られているとは知らなかった。見つけてすぐに購入し、それからほとんど毎日、同じコンビニに通いつめている。

時間帯によってはすでに売り切れている。手に入れる確率を上げるためには、午前中に買いに行くのがコツだ。

賞味期限が短いので買い置きはできない。だから自動ドアをくぐる前に「頼む、在庫が残っていてくれ」と念をおくる。

わたしはきょうもコンビニへ行く。

自動ドアをくぐり、すぐ右手にあるストッカーから朝日新聞を一部抜き取って、レジへ向かう。多くの店員さんは、わたしが毎日コンビニに日刊紙を買いに来る変人だと知っている。

もう「レシートご利用ですか」とは聞かれない。「どうせいるんでしょ」と面倒くさそうな顔で、そっと手渡されるようになった。

レシートが印字されるまでの数秒間は、なんとも気まずい。

新聞配達を利用しない理由は、お金を払って購入している感覚を忘れないためだ。

スポーツジムに入会する人の運動意欲は、入会直後が最も高い。しかし時間が経過するにつれて意欲はだんだん薄れ、しまいにはお金だけ払って放置してしまう。

新聞も同じだ。

以前は宅配で購読していたのだが、しだいになにかと理由をつけて読まなくなった。自己管理能力の低いわたしに、宅配は向いていない。

だから毎日コンビニに行き、自分の手で購入することにした。

コンビニから帰ったらすぐに読み始める。情報収集の習慣ができたことは、ライターの仕事にとても良い影響を与えてくれた。

ただ、ことしからは宅配に頼ろうと考えている。確定申告で膨大なレシートと戦う必要があるからだ。

ことしもこのシーズンがやってきた。

やるぞ、確定申告。


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