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商売でお金を借りる最適タイミングとは?


ビジネスを立ち上げる際に、資金を借りることは一般的な方法ですが、そのリスクを十分に理解しておくことが重要です。




多くの起業家が日本政策金融公庫からスタートアップ資金を借り入れますが、実は自己資金でビジネスを、始める人も少なくありません。



後者のグループは、自分たちのリスク許容範囲内で、計画的に事業を進める傾向があります。




実際、自己資金で300万円を節約しながら貯めることができた人は、一般的に勤勉で優秀であり、現在の職場でも成果を出していることが多いです。




これらの資金は、しばしば一人暮らしをしながら、厳しい節約を続けて貯めたものであり、実家暮らしの人と比べると貯金の難易度が格段に高いことが想像できます。



そのため、こうした責任感の強い人たちであれば、ビジネスで大きなリスクを取るタイミングで貯金した額と同等の借入を行っても問題はないと言えるでしょう




しかし、実家住まいで自己資金なしにビジネスを全て借入金で始めようとする場合はかなり慎重になる必要があります。




なぜなら、競合となる起業家たちは、一人暮らしをしながら職場で成果を上げ、さらに節約をして、資金を貯めているような勤勉な人たちだからです。



このような人たちとの競争は、実家に住んでいて自己資金を貯められない人にとって、非常に厳しいものとなるからです。




今回は、ビジネスでお金を借りるべきタイミングと、返済が困難になった場合の対処法に焦点を当てています。




ビジネスを始める前は、成功への夢ばかりを追いがちですが、失敗した場合のこともしっかり考慮することが大切です。



借入金を返済できなくなる主な理由



超仕事人間の人以外はビジネス資金は本来自己資金で賄うのが理想的です。


しかし、仕事が普通の人より、できる人であっても、現時点の仕事が低収入だったり、家族がいたりして、貯金が難しい人もいることでしょう。



これらの人々には借入は適切な選択となり得ます。



一方で、現在、お勤めの仕事に不満を持ち、結果を出せずにビジネスへの逃避を図る人は、借金をしてビジネスをするのは絶対に避けるべきです。




なぜなら、ビジネス界は競争が激しく、仕事に対する情熱がない人は、参入タイミングが良く、たとえ一時的に成功したとしても、




最終的には追い越される運命にあるからです。



借入金を自分のお金だと錯覚する


借入金を無駄遣いしてしまう最大の原因は、借りた、お金を自分のものと錯覚してしまうことにあります。




消費者金融で借金を重ねた人々は、借入枠が200万円あって100万円借りると、



「まだ100万円の余裕がある」と感じるそうです。




これは消費者金融の限度額を自分の銀行残高のように感じてしまうためです。



そしてほとんどの人が最終的には限度額いっぱいまで借りてしまうそうです。



つまり、必要な分だけ借りるつもりのはずが、最終的には、ほとんどの人が限度額いっぱいまで使い切ってしまうのです。




ですが、普通の人は借りたら、できるだけ早く返済しようと考えるはずです。



このような融資されたお金を、自己資金のように錯覚したことで起こる無駄遣いが、



借りたお金を溶かす、主な原因であり、



実は、ビジネスの攻めの投資で失敗して、お金がなくなるケースは、意外と少ないのが実情なのです。


借入金を溶かす人がよくやる失敗とは


一人暮らしを始める



ビジネスで大きな金額を借りたタイミングで引っ越しをする人をよく見かけます。これが事務所兼自宅であれば問題ありませんが、このタイミングで、恋人との同棲を始めるような人は、特に注意が必要です。



大きな金額を借りると、「これくらいの出費なら許されるだろう」と思いがちですが、これは真面目な人でも、よくあるケースです。



普段から借金をしない人でも、ビジネスのためという理由で1000万円もの大金を借りることに成功するとなぜか急に生活レベルを上げたがる傾向にあります。



これは攻めの投資とは異なり、財布の紐が緩む一因となります。



気が大きくなり遊びに出かける



借入が成功し、大金が手に入ると、日常生活の贅沢が増えてきます。



また、心の余裕からか、遊びに出かけたり、恋人との旅行の頻度が増える人も多くいる印象です。




本来であれば、借りたお金での攻めの戦略が成功した後に気を緩めるなら分かりますが、実際はそうはならず借りれた直後に遊びに出かけるケースが最も多い印象です。




借入を1000万円したとしても、最初に立てた戦略が失敗した場合、損失を最小限に抑えるために、迅速に撤退しなくてはいけません。




しかし、多くの人は初期の計画が失敗しても、残った資金で何とか挽回しようとしてしまうのです。



例えば、「この商品なら絶対に勝てる!」と思って、1000万円を借りたとして、やってみたあとで、



それが思うように上手く行かなければマイナス200万円程度のダメージで撤退するのが理想ですが、



残った800万で生活できる間に、新しい逆転方法を探しに行ってしまうのです。



これは、損失を埋めようとする心理からくるものですが、その戦略を探している間や、たとえ見つかったとしても、そのスキルを習得し終わる前に、



生活費でどんどんお金が減っていってしまうのです。


金を借りるべきベストタイミングとは?


では、ビジネス用の資金はどのようなタイミングで、借りるべきでしょうか?


本当にチャンスだと思ったとき



お金を借りるべき最適なタイミングは、市場に売れる商品が豊富にあり、追加の資金があれば、さらに利益を増やせると確信した時です。



それ以外のタイミングで資金を借りるということは、ビジネスが上手くいっておらず、延命のために借りているという状況に他なりません。


借りてもいい金額は?



通常は、ビジネスで借りても良い金額というのは、自分が貯めることができた金額までと言われています。



例えば、ビジネスを始める前に150万円貯めることができたなら、その額が借りても良い金額となります。



1年でその金額を貯められた場合は倍の300万円までなら借りても大丈夫でしょう。



その証拠に、金融機関は、貯蓄した金額分までなら、簡単に貸し出す傾向にあります。



これは、「この人なら150万円は稼いで返してくれるだろう」と考えられているからです。



しかし、ビジネスが回りだして、売上がある程度ある場合は500万円や1000万円といった、



貯蓄した金額以上の資金を金融機関から借り入れることが可能になってきます。




その場合でも、投資による攻めの戦略がうまくいかなかった時点で、すぐにその戦略からは撤退し、損失を最小限に抑えるべきです。


「ユダヤの商法」より抜粋



例えば、1000万円を借りて、300万円の損失を出した場合、そこで撤退し、300万円を返済するのが賢明です。



多くの人は残った700万円で新たな戦略を模索しますが、再度失敗すると、損失はさらに膨らむ可能性があります。




無計画に残りの資金を生活費や短絡的な戦略に投じることは避けるべきです。




それはまるで、パチンコで朝から狙っていた台で負けた後に、他の台に座って取り戻そうとする行為と同じだからです。



ほとんどの場合、成功しないでしょう。



借入金は運転資金に使うべきであり生活費や娯楽費、突発的に思いついたような、短絡的な戦術には使わないようにしましょう。



ちなみに、ビジネスの業界では「年商の50%を借りたら超危険水域」と、言われています。



もし、あなたの1年間の売り上げが4000万円程度の場合は、金融機関で2000万円を借りてしまうと、かなり危険だ、という意味です。


限界までお金を借りるべきなのか?

多くのビジネスパーソンが「お金は限界まで借りるべき」と説くことがありますが、実際にそれを行動に、移すと多くの人が借金に苦しむことになるでしょう。



このアドバイスは、資金運用の才能がある人や、ある程度ビジネスに慣れている人に限られる話です。



たとえば、プロのギャンブラーがカジノで限界まで、資金を投じるのは、その経験と技術に基づいた、計算されたリスクを取っているからです。




しかし、ギャンブルの初心者がカジノに行き、同じことをした場合、大きな損失を被る可能性が高いのと、同じです。


勝算の高い戦略がある場合のみ借りる



つまり、ビジネスで資金を借りるべきタイミングは、明確な勝算と戦略がある場合に限ります。




もし1000万円を借りても計画が上手くいかなければ速やかに撤退し、損失を最小限に抑えるべきです。



多くのビジネスパーソンは初めの計画が失敗しても、残った資金で何とか挽回しようとしますが、これは、危険な賭けです。




最終的に、生活費や他の短絡的な計画によって、資金が減る、一方になるからです。


返済不可能な借金をしてしまったら?



もし返済が困難な借金をしてしまった場合は以下の対応を考えるべきです。



死に物狂いで働く

もし、返せない借金をしてしまったら、運送業や保険のセールスでもなんでも良いので、他人に迷惑をかける前に、一般的な仕事に戻って、身を粉にして働くことが最も推奨されます。



多くのビジネスマンは、とにかく金策に走り、延命したり、他の人を欺いてでも生き延びようとしますが、



そんな卑しい生き方をするくらいなら、さっさと就職して、一からやりなおすことを考えるべきです。



あえて、借りれるだけ借りてしまう



実は、多くの経営者が採用している一つの戦略に、「可能な限り多くの資金を借り入れる」というアプローチがあります。



この戦略の背景には、返済能力を超える借入をしてしまえば、最終的に自己破産するしかなくなるという、冷静な計算が背後にあります。



例えば、3億円の借金がある場合、それを全額返済することは、非常に成功している人でなければ難しいと考えられます。



このため、このような大胆な資金調達を行い、行けるところまで行き着いたあとに、結果的に自己破産することを選択する経営者は少なくありません。


このアプローチを採る人は、「借りれるだけ借りろ」という考え方を持つことが多いです。しかし、これが必ずしも悪いわけではありません。




実際、多くの企業が倒産する際に報じられる「負債総額数十億円」というニュースは、経営者がこの戦略を採用していた結果です。



ビジネスの世界では、多様な性格や考え方が存在しますが、このように大胆な資金調達を選ぶ経営者が意外に多いことに、ビジネスの世界に新たに参入する人々は驚かされるかもしれません。




ただし、現実はほとんどのケースでは3億円を借りれるようなことは少なく、



コロナ禍のような緊急事態でもない限り、経営が上手く行っていない事業者に3千万円ですらも、借してくれることは少ないでしょう。



その前に、金融機関から「これ以上は融資できない」と言われて、どこかのタイミングで行き詰まる可能性が最も高くなります。


自己破産を覚悟する


自己破産をすると、多くの借金から解放されることでしょう。


この選択をした人たちの話を聞くと、多くが「自己破産して良かった」と、感じているようです。


しかし、調べてみると、経営者にとって自己破産を決める手前の時期が一番心に重くのしかかるようです。


この期間は、どんな大きな会社のトップであっても、とても心が疲れてしまうものだそうです。



しかし、自己破産を決めたあとは、多くの経営者が、「ほっとした」と述べています。



周りの人たちや家族も、早めに決断してほしいと思っていることが多いそうです。



ですから、「できるだけたくさん借りる」と考えていたとしても、最終的には自己破産を考えているなら、それも一つの方法かもしれません。



ただ、自己破産しても友達や知り合いから借りたお金は、意外と多くの人がちゃんと返していたりします。



これは、法律で決まっているわけではなく、人としてのやさしさや、責任を感じてのことだと思います。



自己破産について考えるとき、このような心の持ちようも大切です。


自己資金での運営の重要性



私はこれまで、ほとんどの資金を自己資金でまかなってきました。




そのため大企業のトップになることは難しいかもしれませんが、他人に頼らずに自立した生き方をしてきたことに満足しています。




また、大きな借入をして返済できなくなるリスクを、避けたいというのが私の性格です。



できるだけ自己資金でビジネスを行うことを好みます




私からのアドバイスは、すべての人が「借りれるだけ借りる」という方法を採用すべきではない、ということです。



自分が背負える責任の範囲内で事業を展開することで心理的なプレッシャーを減らすことができます。



また、自己資金だけで事業を運営すると資金の効率的な使用方法を学ぶ、とても良い機会になります。



もし、ビジネスを始めるために初期費用の資金を借りなければならない場合でも、その資金でしっかりと、事業を立ち上げ、




成功の兆しを見せたら、なるべく早く返済することを推奨します。



逆に、どんどん借りて、大きな資金で大きく勝負したいと考えている人もいるでしょう。



しかし、大きな資金を借りて事業を展開する場合は、




業界内で最も努力し、誰よりも行動力と経験を持っていると、自信を持って言える人だけにするべきです。



あなたは「超仕事人間」ですか?



借入によってビジネスを大きくしようとする際、特に輸入ビジネスのように、積極的に動く必要がある業界では、非常に高い努力と行動力が求められます。



月に一度は海外に、1人でも視察に行くくらいの姿勢がなければ大きな借入によるビジネス運営はやめた方がいいと、考えます。



多くの人が、日々の仕事に不満を持ち、インターネットビジネスなど新しい分野に挑戦しようと考えます。



しかし、単に仕事を逃れたいという気持ちでビジネスに挑戦して、大きな借入をすると、結果として借金を増やすだけの結果になりかねません。



特に自己資金での初期費用が捻出できないような人が多額の借入をしてしまう場合、自己破産のリスクが、高まります。



人の性格というのは、簡単に治らないので、



独立してからも、これまでの生活態度の延長を続けてしまい最終的には破産することが予想されるため、



その際は責任を持って対応し、家族や周囲の人々に、迷惑をかけないようにすることが重要です。



このような状況を避けるためには、自己資金でできる範囲のビジネスから始め、徐々に拡大していくことが賢明であることが多いのです。




大きな借入に頼る前に、自分の行動力やビジネスに対する熱意を見極め、自分に合ったビジネスモデルを、選択することが成功への鍵です。



しかし、行けるところまで行って、借りれるだけ借りて、就職せずに、散財したあとで、自己破産でチャラにすることを選ぶのも個人の自由な選択です。




その場合、頭がおかしくなって、他人を騙すために、成功者のフリをしたり、恩人に不義理を働かないようにだけは、最大限に注意しましょう。



人間は金銭的に追い込まれると窮地を逃れようとして普段の冷静な自分なら、絶対にやらないような事を、なりふりかまわずしてしまい、それが悪評に繋がり、



業界関係者の人たちから信用を失ったケースを過去に何度も見てきたからです。



これは、本人にとっても、あとから冷静に考えた時、非常に恥ずかしい事だったりします。




それさえしなければ、最終的に自己破産を覚悟しているなら、世の中は全て自己責任であり、どんな選択をしようが、あなたの自由ではあるのですから。


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