愛とかしらねぇーよ(後編)
私はずっと好きな人がいる。
でもその人は無口で奥手そうだからむやみにアプローチして嫌われてもいやだしなぁ・・・
私は若さと勢いだけが取り柄とか思われているけどホントはナイーブなんだ。
でも、そう思われているんだからそう演じなきゃね。
皆が思っている私でありたい。
そんなある日彼と休憩室で二人になった。
彼は難しい顔でずっと携帯を見ている。
ちょっと怖いけど話かけてみないとな
とその時、上司がノックもせずに入ってきた。
自分はノックしないと怒るくせに・・・
「おい今度飲み行こう全員で!日時は任せる。幹事はお前!よろしくな!」
「あぁはい。了解しました。企画しておきます。」
あぁ彼が可哀想・・・いつもあんなバカ上司に振り回されて
「いつも大変ですね・・・」
自然と言葉がでて自分でもびっくり!
「あぁいや・・慣れてるんで・・・来ますよね?飲み会」
あっなんかいい返答
「はい・・・お邪魔じゃなかったらっていうか行きます笑」
「邪魔だなんてとんでもない皆喜びますよ。」
いやあなただけ喜んで!あなただけでいいから!
「いやそれはないけど笑ありがとうございます。」
飲み会が楽しみすぎる。。。
飲み会当日、私は職場の仲の良い主婦の方と一緒に会場に向かった。
「かなこちゃん好きな人いるの?」
「いやぁどうですかね?」
「ルイ君が好きなんじゃないん?」
「えっ全然っすw好みじゃないっすw」
「そうなん?いつも楽しそうに喋ってるじゃない」
「まぁ話しやすいのは話しやすいですけどね。好きとかではないですかね。」
「へぇ~」
仲良くても本音を全て言えるわけじゃないんだよね。
そんな会話をしているとお店に着いた。
私は女性陣が集まっているテーブルに腰を下ろした。
彼はアホ上司の横でお酌をしている。
あぁ愛おしい。おいアホ上司、彼が部下でよかったなぁ。感謝しろよな。
アホ上司にステルステレパシーを送った。
宴も中盤。
私の横に中堅上司ルイさんが座ってきた。
「おぉー飲んでんの?」
「えぇー呑んでますよ!てかなんで私の横に来るんですか?好きなんですか?」
「好きじゃねーよお前なんか!」
「ひゃっひゃっひゃっウケる」
「ウケねーわw」
好きじゃないからかな?この人は上司だけど超楽。仲のいい主婦にさえ少しは気を使うのにこの人には皆無。いや少しはしろよと思うほど。
「好きな人いるの?」
「う~んルイさん」
「全然嬉しくないw」
「いや顔にやけてるしw」
たわいもない会話をしていると
彼が席を立つのが見えた。
あっトイレかな?
私は作戦を立てていた。
奥手な男は積極性に弱いらしい。
だから私はベタだけど痴女モノのAVをネットで見て勉強した。
彼が席を立って少ししてから中堅上司の話を中断し彼の後をスネイク
彼が用を足すのを見計らって偶然を装った。
やだ私、女ボンドになれそうっ
そんな独り言を言っていると
彼が近づく。あぁドキドキする。でもやるって決めたもんね。えぇい南無三!そりゃ!
「・・・楽しそう・・・」
うん?なんか言った?彼の言葉を遮ってキスをした。
彼がびっくりしている。そりゃそうか。私もこんなことするなんて・・・自分でもびっくりしてILL。
私は彼の服を上げて乳首を舐めた。彼は一見、細身に見えるけど元野球部ということもあり胸板が意外とあって腹筋もうっすら。意外といい身体をしている。
彼が感じはじめている。あぁ愛おしい。その吐く息すら食べたい…
私変態だな。。
そのあとベルトをわざと音を立てて乱暴に外した。これは男が弱い仕草らしい。ネットに書いてあった。
彼のモノを握って最初はゆっくり徐々にスピードをあげてしごいていった。
「あっちょっと・・・」彼氏が理性と戦っている
ここでアクセルを緩めちゃいけない。ベタ踏みしなきゃ
しゃがんで彼のを咥えた。
いやらしく音を立てて一気にまくしたてる。
だってそんなに時間ないんだもん。誰か来たらヤバいし・・・
「ひもちいい…でふかぁ」
わざとらしく咥えながら言ってみた。非日常が人を興奮させたりするのだ。
ってネットで書いてあった。私どんだけネットでググってるのよ。
彼のがどんどん膨張しているのが口の中で感じれる。
「うん…あっ…」
あっイキそう。いいよ。いっぱい口にだして。
「おえーーーーーーー」
えーーーー
そっちかい!求めてないやつそれ!!
てか私のせいだよね。ホントに・・・ちょっと無理やりすぎたかな・・・
えっにしても吐くって何?気持ち悪かったの私?ヤバいじゃん。
あーショック。。
「えっ大丈夫ですか!?ごめんなさい…ちょっと無理矢理過ぎましたかぁ…というか嫌でしたよね…えっどうしよう…」
「いや違うんだよ。お酒が…いやっめちゃくちゃ気持ちよかったよ本当に…おえっ」
また!2回も吐く?1回しかイカせてないのに・・・いや違う違う!
あぁ酔ったのかなぁ・・・取り敢えず看病しなきゃ・・・
背中をさすっていると彼はもう一度吐いて
「なんかごめん・・・」
「・・・あっいやこちらこそすいません」
とそこへ
「おっ大丈夫か?飲ませ過ぎたかなぁ…あとは俺が面倒みるよごめんな」
アホ上司!お前が飲ませすぎたんだろうが!
「あっはい…お願いします」
と何事もなかったように席に戻りぬるくなったハイボールを一気に呑んだ。
「長かったな?うんこ?」
「違うわ!・・いやそうかも」
「ははっなんか飲む?」
「ハイボールがいいです濃い目で」
ルイさんに頼んで戻ってきた彼を見たらぐったりしていた。
あーなんか罪悪感・・・やりすぎたかな?
そんなこんなでその日は彼の顔を見れず帰路についた。
翌日
昨日の宴の写真がLINEに送られてきた。
私目つぶってるじゃん。。彼が見たら嫌だなぁ。。
午後出勤の私は少し残ったお酒とやっちまった罪悪感を残し
ギリギリに出勤。
休憩室にはあさみさんとルイさん。
「おはよーございます!!」
「アッ写真ありがとーございます!私目つぶってるんですけどもう一枚ないんすかねぇ?」
とルイさんに言ったら
「ねぇーよお前なんか誰も見てねーよ!」
うざい・・けど本当、嫌ではないんだよね。
「えーひどい!ねーあさみさんひどいと思いませんこの人!あーというかあさみさんグループライン入ってないっすよね?写真あげます!」
あさみさんはなんか落ち着いてて私とは違う次元の人。LINEグループも入ってないしなんかつれない感じ。
「わー朝から元気ね!ありがとう送って」
あさみさんって彼氏いるのかな?まぁいいか
すると彼が遅れて入ってきた。
なんか痩せたかな?ちょっとゲッソリしている。
そりゃあんだけ吐いたもんね。そりゃそうか。。イッたしね。ふふっ。
ちょっと気まずかったけど難なく挨拶をして彼は喫煙室に入った。
ルイさんが恐らくお湯を抜いてそのまま忘れている焼きそばが、伸びきっているからソースを入れて混ぜてマヨネーズをかけてあげた。
こーゆうのことを平気で彼にしてあげたい。
あぁこれからどう進めていけばいいのかな?
グーグル先生に聞いてみようっと。
私は男運がない。本当にない。
気になる奴は大体刺青。
ジブラ歌詞変えろって思った。
輩ばっかり…前の男は借金していて私に全部肩代わりさせて逃げた。
そんなに多い金額ではなかったし長女だから(関係ないか)全部払って清算した。
恋愛なんてもうしなくていいかぁ
自分が傷つくだけじゃんね
そんな時会社の飲み会があった。別に行かなくてもよかったんだけど暇だしね。
当たり障りない場所を選んで適当に時間が経つのを待った。
ちょっとチャラいけど顔が好みの上司はアホみたいな女と喋ってILL。
いや私に喋ってきたらしゃぶってあげるのに…
あぁこーゆうとこね私ダメだわ…
あっトイレ行きたい。私,膀胱炎なんだよね。
モノが大きい人とヤルと膀胱炎になりやすいらしい(諸説あり)
そーいや元彼はめちゃくちゃデカかった…
借金だけじゃなくて持病まで持たせやがって…
あっアホ女が前にいる。
別に嫌いじゃないけど…なんか好かないなぁあの娘。
そしたら目の前で事件は起こった。
アホ女が上司にキスをしてILL…
えーーーーナニコレ?どーいう状況?
そのまま女が彼を押し込んでトイレに…
えっ2人こんな感じだったの?すんごいタイミング悪い私…でも私膀胱炎だから…
と隣の女子トイレに音を立てずにスネイク。
パンパンだった膀胱から勢いよく放出した。
えーなんだったの?今の?ヤバいの見ちゃった…
ドキがムネムネして…あっ違う胸がドキドキしている。
鼓動が収まらない…
すると横から「おえーーーーーーー」っと嗚咽が聞こえた。
何何?どんな状況なの?彼女のテクはなんなの?ス◯トロとかやってんの?
私の妄想が止まらない。。
というよりトイレから出たら気まずいし出れないじゃん。
何これ…もう…
と思ったら
「あっはい…お願いします」と微かに聞こえ彼女が去って行くのがわかった
チャンス!誰にも気づかれないようにそっとトイレをでた。
あぁ上司と出くわしたのね。良かった。
席に戻って彼女を見た。
平然な顔でハイボールを放り込んでいる。
あの女やるな・・・
翌日
元々男には弱いが酒は強い。
二日酔いなんて一回もない。
昔、手伝いでキャバクラの接客したけど8時間呑み続けたけどなんともなかった。
ざるとかじゃなくて大きな穴あいていると思うんだよね私。
まぁいいかそんなこと。
平気な顔で出勤し休憩室で携帯弄る。私はテトリスが大好きで鬼強い。そしてずっと続けられる。SNSはやってない。普通に繋がるって何?ほっといて。なんなら男と繋がってたい。。こーゆうところ。。LINEとかも職場の人、数人だけかな?
とテトリスに熱中していると
「おはよう」
「あっおはようございます」
喫煙室からいつもよりクマが凄いルイさんが出てきた。
いつもカップ焼きそば食べてるなぁ。栄養とか考えてんのかな?と余計なことをきにしつつ彼はポットを手に持ちカップにお湯を入れた。
「昨日はおつかれ、夜遅かったけど体調大丈夫?」
ざる・・・いやあななので大丈夫。。こんなこと言えない。
「大丈夫です。全然。それよりまたカップ焼きそばですか?」
「うん。作ってくれる彼女いないんでね」
いないんだ。顔はいいけど忘れ物多いし抜けてるもんね。
そこが可愛いのになぁ
「へぇ。体には悪いけどおいしいですよね。」
あぁ気の利いた事言えない私・・・頭の中はポイズンベリーなのに・・・
と彼が
「そういえばLINEグリュープはいってなかったよね?写真送りょうか?」
えっなに?噛んだ?www可愛いwww
「ははっそこ2回噛む?www」
「あっ・・いやなんか緊張しちゃったかも・・へへっ」
チャラそうだけど意外とウブなのかな?好感度ユーピー・・・
あっUPのことね・・・
「ウケる。怖いと思ってたけど面白いんですね」
てかあれよね。LINE聞かれてたよね?私。教えちゃおっかな。
可愛いし。。。
「ガチャ」
すると休憩室のドアが開いた。
「おはよーございます!」
あっ昨日の淫乱女・・・
「アッ写真ありがとーございます!私目つぶってるんですけどもう一枚ないんすかねぇ?」
ちょっと!いいムードだったのに・・・
「ねぇーよお前なんか誰も見てねーよ!」
そうよ!勘違いしないでよ!
「えーひどい!ねーあさみさんひどいと思いませんこの人!あーというかあさみさんグループライン入ってないっすよね?写真あげます!」
あんたが酷い!!このチャンスを・・・あんた昨日あんなことして・・・
「わー朝から元気ね!ありがとう送って」
わぁ・・・LINE聞けないパターン・・・
えーもったいない・・・私LINEした男とは落とせなかったことないのに・・・あっそうだキャバクラ時代に使ってたiD書いたメモがある!
これ使おう。
「あっそうだ、これ昨日のお金です。私酔ってて幹事に渡すの忘れてました。渡しといてくれますか?」
酔ってないけど昨日あんな光景を見たらそりゃ忘れるわ…と折りたたんだ五千円札にメモを挟んで渡した。
「あっOK了解でーす」
彼は照れくさそうに喫煙室に戻った。
すると昨日、吐いてた上司が入ってきた。
おっこの気まずい再会をどうするのよ?お二人?
高みの見物とはこのこと。
「おはようございます。」
「おはようございます!」
それだけかーい!!おもんない。もっと気まずそうにしたらどうさ?
彼も喫煙室に入り気付いた。
この食欲をそそる独特の香り。えっルイさん焼きそばお湯抜いてそのまま?バカなの?本当に!忘れやすいにも程があるでしょwでも可愛い。。
そんな彼に胸キュンしていたらアホ女がルイさんの焼きそばを作ってあげている。なぁぁんてあざとい!いらつくわ~
私だったらマヨビームちゃんとかけるもんね。
後日~
上司からLINEがきた。
いや来たんだけどね。
なんで?そっち?
私は教えてないし殆ど話したこともない。
あっそうか・・・私が渡したメモがそっちに渡っちゃったんだ・・・
もうバカ・・・なんで気付かないのよルイ!
何度かLINEをやり過ごして何もなかったことにし・・・
というか、よく考えれば物静かな人だったけど顔は整っているし背も高い。
派手さはないけど密かに人気もあるし
まぁそれもあるんだけど・・・あのアホ女腹立つし・・・
いっちょやってみっか・・・
男運ないなぁ…
あのアホ女を嫌がらせる為に始めたイミテーションな恋の遊び。
結局ルイさんはアホ女と付き合ってできちゃった結婚。
ルイさんの抜け具合にはとことん笑わしてもらったがそこそこ幸せそう。
私は背信的悪意者となり優柔不断なトイレで吐いた男と付き合って毎日イライラしている。
ほんっと男運ないなぁ・・・
あっ私がダメなのか・・・
愛とか…しらねぇーよ
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