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最近見て微妙だった映画2~~パシフィックリム・アップライジング~~

さて、またこのシリーズである。最近と言ってもだいぶ前だが、ゆるちて。というわけで、どこがダメだったか、見ていきたい。

と、その前に、前作のパシリムについて簡単に感想を述べておきたい。パシリムはエヴァとロボットアニメと怪獣をうまく統合させてハリウッドに味付けした大作であったと記憶している。キャラもベタだが熱くてよかった(特に玄田声の上官)。また、怪獣の死体を売りさばくヤクザみたいなキャラも登場しており、社会の上下を問わず興味深いキャラクターが多かった。博士たち凸凹コンビもなかなか味があってよかった。片方はホーキング博士をモデルにしているのだろうか。いまだに確信はないので、誰か事情を知っている人は教えて欲しい。

キャラの話にそれたが、怪獣とロボットとの戦いも圧巻。怪獣もけっこう強くて絶望があった。市街地での戦いは最高に盛り上がったが、逆に後半の海底での戦いは、ロケーション的にもイマイチの盛り上がりだった。やはり怪獣は市街地で戦うに尽きるね。とはいえ、全体的によくできており、上記の3要素のどれかが好きな人は絶対に見た方がいい。シンゴジラなんかよりこっちの方がよほど怪獣映画として出来がいい。

さて、そんな期待を背負ったパシリム2なわけだが、これがどっこい微妙という結果に終わった。

いいところはちゃんとある。2では最終決戦がちゃんと市街地で行われ、しかも巨大化した怪獣と戦う、という燃える戦いで見ごたえがあった。たいていは巨大化するとなぜか弱体化してしまうパターンが多いのだが、パシリム2ではそんな甘いことはしない。ちゃんとでかくなった分だけ、強くなっていた。

だが、最後の最後でイェーガーが飛行装置みたいので助走をつけて突進、という捨て身攻撃をするのだが、これが効果あるなら、そもそもイェーガーいらなくね?という疑問というか、突っ込みどころも残ってしまうラストになってしまった。これなら、イェーガーでなくとも巨大ミサイルで怪獣は撃退できる、ということになってしまう。

そして一番退屈なのが、最終決戦までに至る過程がすごく長いうえに、たいして面白くもない、ということ。博士もなぜか怪獣の脳みそを持っていて、それを通じて異世界人に操られる、というよくわからない展開になっている。ウルトラマンのスタッフなら30分もあればまとめられそうな話・・・

さらに主人公は初代の熱血上官の息子なのだが、こいつがどうしようもないやつ。こういうのってバトルシップみたいに軍で根性叩き直されてっていう展開になるもんだが、そういう展開も特になく、「主人公が壁を乗り越えていく」というカタルシスにイマイチ乏しい結果となってしまった。思うに、あの上官の息子なら、それこそもっと若くていいと思う。そして前作の主人公が出てきて、父親代わりのいい意味での壁として立ちふさがってくる、という展開くらいでいいんじゃなかろうか。主人公は中年といっていい年なので(黒人の年齢がイマイチよくわからないので、自分だけがそう見えてるのかもしれないが)、あの父親はいくつのときに子供を作ったんだ、という疑問すら湧いてくる。

決してクソではないものの、あれだけ豪華な映像の割に、何かが足りずに微妙な感じになってしまった。個人的には「キャラに魅力がなかった」ということに尽きるのではないかと考えている。安易な二代目キャラ、博士キャラの寝返り、などなど。

ただ、軍基地内で主人公たちがアイスを食っているシーンがあったけど、米軍って冷蔵庫にあんなにスイーツ備蓄しているのか、とちょっとうらやましく思ったりした。スイーツ喰いながら愚痴大会って、JKかOLかよ・・・

映画としては微妙だけど、ロボットの戦闘シーンなど、シーンシーンでは見どころがあるので、「ストーリーは添え物」と割り切れるなら見ても損はないのではないか。ちょうど近日DVDが発売されるらしいし、アマプラなんかでも値下げし始めたら見てもいいと思う。逆に映画館でフルプライス払う価値は、ときかれると微妙、として返せないが・・・

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