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【現代詩】未開の扉

目を覚ましたその瞬間
全てを振り払い走り出さなくてはという思いに突き動かされる朝がある
体中の力を使い果たすまで走りぬき
再び立ち上がる力をたくわえるために地面に倒れ込む

体全体で息をしつつ
ふと感じた気配に視線を上向かせると
そこには未だ誰にも開かれたことのない扉がそびえ立っている

何処へ続く扉なのか
どうしたら開くことができるのか
何も知りはしないのに
ただ何としてもその扉を開かなくてはならないということだけは知っていた

こんな扉をいくつ越えてゆくのだろう
こんな朝を幾度迎えるのだろう
そしていつまで走り続けてゆくのだろう

まとわりつく不安を抑え込み
再び体に火を入れ
そして立ち向かう

永久に閉ざすことも
開くことも
己にしかできない
未開の扉に



世界のあらゆるところに扉は存在する


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