裏返った私
世界という水がめから流れ出た水が
私専用の蛇口から日常となって降り注ぐけれど
私は裏返しになったコップのようで
内に何かを湛えることができない
体の外を流れる水は
私が乾くことを防ぐかに見えるけれど
私の内側はかえって乾きを覚える
いずれコップの底は
内側からひび割れ
何も満たすことのできない体へと変わるだろう
すでに世界は
日常は
壊れているのかもしれない
いつから自分が裏返ったのかは覚えていないが
それは私なりの
少しでも長く
生きようとする術だったのかもしれない
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