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当事者と研究を考える

皆様。初めまして。今回、わたころコラムを担当させていただきます。日本福祉大学通信教育部に所属している大須賀一樹です。今回は、当事者性と専門性をテーマに書かせていただきます。
 本題に入る前に、私の自己紹介をしたいと思います。私自身、脳性麻痺という身体障害者の当事者です。具体的には、歩行障害・発語障害・書字障害があります。
 福祉との関わりは、当事者としてのクライエントでもあります。また、今学生という立場で学習・研究しています。私自身、当事者性と専門性というキーワードに学習活動・研究活動・諸活動を行っています。私は、当事者性と専門性について時々考えを深めています。読者によっては、当事者性と専門性は真逆と思われる読者もいると思います。私は、そうとは考えていません。その考え方は、後述します。その前に、当事者性とは何かについて考えていきたいと思います。当事者とは誰のことを指すのでしょうか。一般的なイメージは、何かの障害がある人などのことを言います。しかし私は、全員が「生活者」という面では当事者だろうと思います。
 ここからは、当事者性と専門性について今考えていることを書こうと思います。先述したように、当事者性と専門性は対概念ではないと思います。対概念ではなく、相互補完の関係だと言えると思います。なぜなら、私は、福祉を専門とする学生である一方、脳性麻痺という当事者であると言えます。言い換えれば、当事者性も一つの専門性だということを意識し普段の活動をしています。前半は、やや概念的な話をしました。

 ここからの後半は、当事者である私の原体験と今の研究テーマ(ライフワーク)について簡単に書き、まとめたいと思います。
 私は、今重度心身障害児を中心に特別支援学校卒業後における福祉・教育の連携について研究しています。私は、元々高等部まで特別支援学校に在籍していた経験もあります。多くの重度心身障害児・者と出会いました。それらの出会いから、この研究テーマを取り組んでいます。私の原体験としては、高等部時代に寄宿舎のルームメイトとの突然の死別です。この原体験で、命は限りがあることを強く学びました。それから、福祉系の大学に進学し研究テーマを探して、彼を含めた同級生の多くのことを思い出しました。重度心身障害児・者の高卒後を疑問に思い調べていきましたが先行研究の少なさに驚きました。これをきっかけに、問題意識を持って研究しています。

大須賀一樹(おおすが・かずき) 脳性麻痺当事者。日本福祉大学所属。専門は、重度心身障害者等の福祉研究・特別支援教育


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